[1]見えてきたジーグの業界的役割。回胴界の救世主となりうるか? [2016/12/12(月)] |
皆様、ごきげんよう。
春川亭三七でございます。
あっという間に12月も3分の1が終わりましたな。
ほんと、光陰矢の如しとはよく言ったもので…。
気が付いたら1年が終わってしまったなぁといった印象です。
時間の流れっていうのは、楽しかったり、充実していると早く感じて、遅く感じる時は退屈だったり、興味がわかないものだったりするそうですね。
ほら。
パチスロでいえば、通常時はなかなかゲーム数進まないのに、ARTやATだと、あっという間に駆け抜けるでしょう?
そういうのと一緒ですよ。
でまぁ、じゃあ今年はそれだけ充実した1年を過ごしてきたかと言われると…
別にそういうわけでもないんですけどね。ははは。
年を重ねれば重ねるほど、一日が長くて、一週間は気づいたら終わっていて、一年なんてあっという間な印象です。
というわけで、連載に復帰してからは、業界的なポイントでいうと大きな部分ばかりにスポットを当ててまいりましたが、今回はメーカー側の部分に焦点を当ててコラムを展開してみましょう。
ほんと、その存在が表立ってから、まだ1年も経っていないのに…。
ここまでの話になってまいりました。
時間の経過はあっという間ですなぁ…。
【京楽の55期決算にみる業界のシュリンク感】
ぱちんこAKB(初代)の高稼働率や、その後のぱちんこ仮面ライダーV3の高稼働も今や昔。
回胴にも積極的に参戦し、導入1発目のパチスロAKBではそれなりの高評価を得たものの、続く仕事人やテラフォーマーズではその好状況を生かせず、そのメーカー規模に見合う販売状況、稼働状況を生み出せずにいた「京楽産業.」。
11月末に、その京楽の第55期決算報告が開示された。(2016.11.25官報)
その内容は、業界にいれば「さもありなん」な内容でありつつも、いざ数字を目の前にすると驚きは隠せなかった。
≪当期純損失277.29億円≫
そこまで売れてなかったのかと。
正直驚いたというのが本音だ。
実際のところ、利益剰余金が1000億近くあるため、すぐすぐにどうこうなるようなものでもないであろうし、2016年の企業向け年賀状には様々な取得済みの版権を見たが、まだそのすべてがぱちんこやパチスロになったわけではないので、まだまだ巻き返しの目があるであろうと推測できる。
しかし、遠くない過去に「我世の春」を謳歌していた京楽が、現時点でここまで数字を落としてしまったのである。
ここ数年で起きた業界健全化に向けた動きが、メーカーやホールに大きな打撃を与えたことは、この決算報告がいい証拠だろう。
京楽の規模であるからこのように公示されることになるが、公示される機会のない中小メーカーにおいては、ここまでの損失ではなくとも、売れていない現況を鑑みればどこのメーカーもやはり苦しいはずだ。
機械が売れなければ、メーカーが潤うことはないし、潤わなければ、新しい機械を作ることもままならない。
故に筐体単価が上がり、その上がったしわ寄せがホールにいき、ひいてはエンドユーザーにも及び、「勝てる」「楽しめる」環境が減り、ユーザー人口減少にまで及ぶという、バッドスパイラルに陥ってしまうのだ。
ではメーカーにおいて、売れていようが売れていなかろうが、抱えていなくてはならないものは何か?
それは「開発部」だ。
ハードやメカ、ソフトまで最終的な製造の設計を行うのは「開発」。
その開発を担うのは「人」。
であれば、「開発力」を有しているメーカーは、それだけ「人」を確保しておく必要があり、企業であれば、その人を確保するために資金が必要ということになる。
しかしその確保している財産も、お金を生むことが出来なければ手放さなければならなくなり、開発力の低下につながってしまう。
ここにもまた「業界」がシュリンクしていることに対するバッドスパイラルが生まれているのである。
そこに、もしかすると救世主となりうる存在が誕生した。
それが「ジーグ」だ。
誕生の経緯は以前にもお話しさせていただいた。(
第38回参照)
誕生当時は「購買能力の集約によるコストダウン」が目的であると目されていたジーグだが、どうもそれだけではなく、今後の業界において、その存在価値が高くなる可能性が高くなってきた。
それが明るみになるのはまだ先の話ではあろうが、誕生からここに至るまでで見えてきたジーグの存在意義を検証してみよう。
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