[1]換金問題に決着か? 換金が「グレー」から「白」扱いへ [2016/11/28(月)] |
連打ご参加いただいた皆様。
結果の方はいかがでしたでしょうか?
どうも。
マクロスラヴァーの春川亭三七でございます。
わたしのこの原稿が上がる頃には、第3打目のレポートがサイト上に上がっている頃でしょう。
細かい部分は、そのレポートをお読みいただければと思います。
それぞれのライターがそれぞれの角度でレポートを上げてくることでしょうから、ご参加いただいた方は改めて、そして、残念ながらご参加いただけなかった方は、文章や写真から伝わるその熱意を感じていただければと思います。
そして、次の連打でまた出会いや再会があることを心より祈っております。
さて。
それでは、早速本題に入ることといたしましょう。
先週、なかなか刺激的な事が起きましたので、そちらの業界的意義をご紹介させていただきます。
【四号業界が『グレー』と言われてしまう理由】
風営法が改正されて、ぱちんこ・パチスロ業界は四号括りとなったわけだが、法律の運用においては、七号と言われていた時と基本変わっていない。
名称が変わっただけ(七号→四号)の事なので、当たり前といえば当たり前なのであるが。
風営法とはいうものの、括りで語られていると、どうしてもこの業界は「グレー」な業界だと評されてきた。
それはすなわち、「換金」というものが法律の網の目を潜り抜けて行われているからに他ならない。
いわゆる「三店方式」による、景品買取が可能なことに端を発している。
三店方式の説明については、
「第7回」の当コラムで展開しているのでそちらを参照いただきたいが、この三店方式が、ぱちんこを「遊技」ではなく「ギャンブル」として定義させているのではないかということなのだ。
なぜなら、日本の刑法において禁止されている「賭博」が、風営法下における「遊技」になると、公然と換金ができる環境となる。
その結果、賭博として認めていることにならないかと。
その矛盾が生じているからである。
これまでも幾度となくその議論は繰り返されていて、その都度、時の警察庁長官なり、国会答弁において「ただちに違法とはならない」というどうにも奥歯にものの挟まった言い回しで、逃げていた。
しかしこの「ただちに」の部分が、要は「刑法」が適用される範囲を想定させ、かつ風営法解釈で逃げられない部分であるため、「グレー」な業界だと評されていた大きな理由の一つになる。
そして、この換金の部分については今後起こりうる「IR法案」、いわゆる「カジノ法案」において、きっちり線引きをしておかないといけない部分でもあるのだ。
先週、この業界の「三店方式」について、一つの回答が出た。
きっかけは、またしても民進党議員からの質問主意書。
今回の質問者は緒方林太郎議員になる。
【緒方議員の質問主意書、その内容(一部)】
風営法解釈においての質問で、緒方議員は7つの質問をしてきたわけであるが、これまでと大きく異なるのは6番目と7番目。
その部分の「質問」と「答弁書」を抜粋しておこう。
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『質問』
六 ぱちんこ屋で景品を得た後、その景品を金銭に交換している現実を政府として把握しているか。
七 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定されるぱちんこ屋は、刑法第二条第二十三章における罪の違法性を阻却する必要はないのか。
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『答弁書』
・六について
客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。
・七について
ぱちんこ屋については、客の射幸心を煽るおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。
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「質問主意書→答弁書」ということなので堅苦しく書いてあるが、上記を要約すれば・・・
「ぱちんこ屋が直接換金しているのではなく、客が受け取った商品を第三者機関で交換していることがあることは知っているよ。 で、その行為については風営法に基づいて行われている行いであれば、刑法には触れないと考えているよ。」
・・・と、こういうことである。
驚くべき点は2点。
まずは、「換金行為」(正確には景品買取行為)があることを国会が公に認めたということ。
そして、その行為が風営法下においては刑法に抵触しないと公言してくれたことになる。
要は、国が「三店方式」を初めて「白」と認めたことになるのだ。
これは、業界意義的には大きい。
「風営法」のみの括りではなく、「刑法」の括りで初めて業界の違法性を阻却してくれたことになるからだ。
もちろん、これは行政判断であり、司法判断に委ねれば議論の余地はあると考えられるが、行政が判断したものを司法がひっくり返すケースはあまり例を見ないこと。
なので、「一応の」決着と言えるわけだ。
ただし、当たり前のことであるが、これで「イコール業界は健全」と言えないのがつらいところである。
今後業界としてどうあるべきか?を考えてみる必要がある。
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