本日も元気に参りましょう。 春川亭三七でございます。 うん、今日はもう、前段のマクラとかどうでもいい。 業界騒然のニュースが飛び込んできたので、多少性急ではありますが、そのニュースを現状で推測できるだけの未来予想をしてましょう。 まずは、あまり業界ニュースを詳しく知らない方のためにニュースの概要をお伝えいたします。 【ニュース概要】 新会社名は鎧EEG(ジーグ)。 両社が50%ずつ出資し、代表取締役社長にはタイヨーエレック褐サ・社長の甘利祐一氏が就任する。 設立年月日は今年3月22日で、本社はサミー鰍ニ同じ都内豊島区のサンシャイン60に構える。 サミー鰍ヘリリースの中で「当合弁会社が供給する製品はセキュア且つ汎用性の高いユニット・部品の共通化が実現でき、また技術連携により固定概念を覆す新たなエンターテインメントアプリケーションを市場に投入することが可能になります」「当合弁会社が供給する製品については、既に当社及びユニバーサルエンターテインメントでの採用導入が決定しておりますが、他の供給先を含め今後の展開も視野にいれ事業を進めてまいります」と設立の目的を説明した。 ■合弁会社の概要 ・商 号 株式会社ジーグ(ZEEG Co. Ltd.) ・主な 事業 内容 ぱちんこ遊技機、回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機および それらを構成する部品等並びにその関連機器の仕入、製造、開発、販売 ・設 立 年 月 日 2016年3月22日 ・本 店 所在地 東京都豊島区東池袋3-1-1サンシャイン60 ・代 表 者 代表取締役社長 甘利 祐一 ・資 本 金の額 2,500万円 ・事業年度の末日 3月31日 ・出 資 比 率 株式会社ユニバーサルエンターテインメント 50% サミー梶@50% (遊技日本ウェブより抜粋) 【歴史が動いた瞬間】 ・・・といったものでした。 まさかのサミーとユニバ「共同出資」による合弁会社の設立。 このニュース、業界に長くいる人から言わせたら、エイプリルフールでなくても「ありえない」が第一声でした。 「岡田さん(ユニバ会長)がまさかサミーと手を組むなんて…。」と。 その昔、法廷闘争にまで及んだことのある、サミーとユニバ。 しかも、サミー側の完全勝利にて、結審した裁判でしたし。 【第8回】のコラムでもお伝えしたように、1回目の日電協脱退から「独自路線」が顕著になっていったユニバーサル。 しかも回胴においては他を寄せ付けぬ「圧勝」感が強い現在のユニバーサルにおいて、まさか合弁会社を設立ですからね。 そら、だれが聞いてもびっくりするわけです。 ただし、現時点で入っている情報においては「両社向け」の「資材調達会社」がとりあえずの設立動機のようです。 なので、すぐすぐに「ジーグ」名義で市場に機種が生まれるわけではなさそうですね。 では、何のための合弁会社か? ひとつずつ、探っていきます。 【両社にメリットのある、資材の共有】 まずはサミー側から探ってみます。 資材の共有となると、もちろん可能性として考えられるのが「ユニバ筐体」でのサミーブランドの販売や、「サミー筐体」でのユニバブランドの販売。 しかし、ユニバにとってはサミー筐体を利用するメリットはあまりありません。 すでに、市場に投入している筐体が1種類に依存するものではないからです。 今なお高稼働中の「バジリスク」タイプや「まどマギ」の筐体。 「HANABI」などに代表されるアクロス向け筐体。 他にも、ドンちゃんシリーズなどの透過液晶を利用したタイプの筐体など、その筐体の種類は多種多様に及びます。 そのユニバーサルが回胴の筐体において、資材共有するメリットはあまりないように見えます。 なので、回胴の共有においてはサミーの方が、そのメリットが大きい。 特にほしかったその技術は、再来週にも市場登場が待たれる「アステカ」の筐体。 プロジェクションマッピングを使うそのタイプの筐体は、噂では「サミー」でも開発を進めていたと言われています。 そのプロジェクションマッピングを使った技術を筐体に反映させるのは、相当大変な技術なようです。 プロジェクションマッピングを使い筐体に盛り込めるのは、「現状ではユニバだけ」だなんてことも言われています。 もし、ほかに開発を進めているところがあるとすれば、山佐くらいでしょう。 しかし、その山佐でもすぐに市場投入できるものは所有していませんし、その筐体を開発・販売するにはまだ多額の資金投入が必要かと思われます。 そんな、どこにでもできるわけでない技術と資材を共有できるのであれば、それはサミーにとっては喉から手が出るほどほしい技術のはず。 では、ユニバーサル側にとってはどうか? ユニバーサルにとって大きいのは、回胴ではなくむしろぱちんこの方です。 「ぱちんこ・ミリオンゴッド」の投入により、本格的にぱちんこ市場にも参入した感の強いユニバーサル。 しかし、その評価はなかなかに芳しくないため、市場での「ユニバ枠」のホール占有率も低い。 秋葉原じゃそこそこグレンラガンの稼働はいいですけどね。 版権依存はユニバらしくないですからね。 というか、本意ではないでしょう。 故に今では、ユニバーサルはぱちんこ向けの開発力に注力しています。 ぱちんこ開発向けの工場を設立しているという噂もあります。 しかし、たとえゲーム性が良くても、それを「設置」される場所が少なければ、評価拡大にもつながりません。 ホールにおいてぱちんことパチスロの違いは「枠」の設置のありなしになります。 パチスロはその筐体を丸ごと交換する必要があるのに対して、ぱちんこは「枠」というものに「盤面」の取り付けにて、機種変更することが可能です。 その枠の占有率は、一昔前でいえば、海物語を誇るSANYOが7割強を所有し、その他3割を他メーカーが取り合うという状況になり、それが現在では牙狼を筆頭にMAXタイプにて市場の枠争奪戦は群雄割拠の時代になっております。 その中で、現在サミーはタイヨーエレックでの枠も含めて、市場にて40〜70万台のシェアを誇ります。 その枠をサミーとユニバで共有できるわけです。 この「枠」の共有こそ、ユニバの狙いでしょう。 現状、ユニバーサルは枠から盤面において、ぱちんこ台開発のほぼすべてをぱちんこ外注に依存しています。 実に「らしく」ありません。 パチスロでは法廷闘争に及ぶほどの特許を所有しているユニバが、ことぱちんことなると、途端にその開発力に陰りを見せるわけです。 想像でしかありませんが、おそらくこの状況、ユニバは面白くないでしょう。 しかも、枠部分の開発というのはゲーム性に評価されるわけでもないくせに、金型作成から含めてなかなかにお金と時間のかかる作業です。 それをサミーと共有できれば、盤面からゲーム性においての開発に注力できるわけです。 これは開発→販売に至るまでの期間を短くできると考えれば、大きなメリットになります。 このように、当たり前ですが、双方にとって大きなメリットになる合弁会社ということになりそうです。 というか、メリットなかったら、昔仲たがいしていたような会社が合弁会社なんて作りませんな。 ただ、双方にとっては、メリットはあっても、杞憂がないわけでもないとは思っております。 【日電特許という存在】 さぁて。 なんというか、これまでの過去コラムが役に立つときがきましたね〜。 パチスロにせよぱちんこの開発にせよ、開発にあたってはそれ相応の技術が必要なわけであり、その開発された技術はその開発した会社に帰属します。 その開発技術を「特許」として所有するのですが、その技術を都度、多額の特許使用料を払っていたのでは、筐体一台の単価は今の単価とは比較にならないほど高くなってしまいます。 そうならないようにするために、メーカー各社で組合を作り、特許を共有し、その使用料を抑えるようにしています。 その日電協が、特許を共有するための会社に「日電特許」という会社があります。 さぁ、ちょっとずつ何が言いたいか見えてきましたかね? 日電特許は、日電協に加盟するメーカーで「共有」する特許プール会社です。 サミーは、当たり前ですが日電協加盟メーカーです。 そして、【第16回】コラムでお伝えしたようにユニバーサルは日電協非加盟メーカーです。 子会社(ミズホやアクロスなど)ははずれていませんが、パチスロの特許所有はユニバーサルに帰属します。 ユニバーサルはユニバーサルで「日本パチスロ特許」という特許プール会社を設立しておりますし、そこに特許をプールしている会社を持っているわけです。 そして、和解はしたものの「日電特許」と「日本パチスロ特許」でも特許の所有を巡って係争した歴史があります。 「日本パチスロ特許」にももちろん、ユニバーサル以外のメーカーも参加しております。 しかし、その参加メーカーはほぼ日電協ではなく、日工組加盟のメーカーがほとんどです。 つまり、自社でパチスロ特許を持たないメーカーが「日本パチスロ特許」という会社を通して、パチスロ特許を使用しているわけですね。 それを加味したうえで、サミーがパチスロ特許において、「日本パチスロ特許」に甘える理由はないわけです。 もう、日電協を通して使用することが可能なわけですから。 日電協サイドからすれば、サミーという日電協においても大きな柱のメーカーがそこからはずれ、別特許プール会社からの技術を使うとなると、その使用料における収益も望めないということになってしまいます。 こうなると、日電協は面白くなさそうだなと思うわけです。 日電協内においてもトップメーカーのサミーが、組合に帰属しないメーカーの特許を使い機種を販売するとなると、「え?じゃあうちもそれ使いたいんだけど・・・。」となりかねません。 というか、基本的にユニバしかもっていないものとかもありますからね。 ハードの技術も、メカの技術も。 自社に技術を取り込むことを良しとしてきたメーカーがユニバであり、その結果現状のような「独り勝ち」体制になると、その収益率の差は歴然となります。 これをまんま、現日電協が許すとも思えないわけです。 会長が山佐の佐野社長ですからね。 ユニバ脱退の流れの時のように、なにがしかひと悶着あるような気もしています。 ただ、ユニバにおいてもすでに岡田会長は一線を退いていますし、サミーも里見治紀氏を新社長に迎え、その体制は里見治氏の時とは違ってくるでしょうから、そこまで大きな問題を起こさず進める可能性もありますが、まだ火種は残っているのではないでしょうか? 【バランス感覚の良いサミーと、技術力の高いユニバーサル】 上述のように、まだ綺麗にうまくいくとも思えませんが、サミーというブランドはパチスロに依存したものではありませんし、機種の発売におけるバランス感覚は他の追随を許しません。 サミー社内からは、「うちは版権に依存する弱さがある」という声を聞いたりもしますが、それでもコンスタントにぱちんこ・パチスロとシェアを広げていくそのバランス感覚はさすがのトップメーカーだと思います。 対して、ユニバーサルはぱちんこに手を広げたとは言ってもやはり、パチスロ依存度の高い販売力ではこれまで以上の拡大は望まれません。 しかし、その技術力の高さはさすがで、あの投入口の開発も自社設計ですし、コインのセレクターもほぼ自社です。 さらに、新機種からはさらにそのセレクターにセンサーを取り付けて、新たなゴト対策を施しているとの噂も聞きます。 そして、新たに生まれるジーグという会社。 社長の甘利氏はサミーサイドからの人間であり、今後役員体制を含め、ユニバーサルとサミーから人の異動や共有があることでしょう。 ともにいいところが集まれば、これは大きな発展の礎になるかと思います。 経営をサミーサイドから、技術をユニバサイドから、みたいな感じで。 まぁ、一朝一夕にはいかないでしょうが・・・。 そして、これが成功のモデルケースになるのであれば、今後どのメーカーも同様の事が可能になるわけです。 もしかしたら、ユニバと山佐が・・・。 あっと、これはないですね。 失礼いたしました。 いまだ組合に所属しているトップメーカーと、脱退してなおトップを走るメーカー。 二つのトップメーカーの合弁会社、ジーグ。 資本を出し合った企業同士が健在の状況での合弁会社となれば、その期待値は大きいと思います。 あとは、急に岡田会長が出てきて、 「あ? サミーと合弁? やめとけ!」 で終わらないことを祈るばかりです。 といったところでお時間です。 お目通しありがとうございました。 【 回胴小噺 】 メニューへ
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