16回目の登壇でございます。 春川亭三七です。 「兄弟子」の花火さんが久しぶりに別館更新されましたね。 業界情報的に花火さんというメーカー営業者からの情報とかぶったというのは、業界製造メーカー側からするとうれしいところであります。 特に山佐というメーカーに対しての印象のかぶりっぷりたるや・・・。 あたくし、一番好きなメーカーは山佐ですが、業界内からみた印象と業界外からみた印象の違いには面食らったというのが正直なところです。 しかし、現在の回胴業界においては老舗で、ブランド力も高い。 日電協においても影響力の高いメーカーですので、今後も注目をしていく必要があります。 リールのバウンドという「バグ」を「演出」に昇華させたこともあるようなメーカーですし、「5号機どうなる?」という時代に、「バーニング」というプロジェクトチームを立ち上げて「戦国無双」をヒットさせたりするような力はあるわけですから。 ユニバーサル1強と謂われる時代。 今後の各メーカーの動向に注目です。 さて。 本日のテーマですが、5.5号機移行という一大転換期を「過去の事例」から動向予測をしてみたいと思います。 あたくしが期待しているとおり、業界が一枚岩になる可能性も秘めていれば、「いまだなんの反省もなし!」と怒られる可能性も秘めているなと思いますので、ご興味おありの皆様もどうぞ忌憚なく50字以内でご意見お寄せいただければと思います。 さて、それでは本題です。 【爆裂機問題って何?】 昔のAタイプのゲーム性にて評価されたパチスロというものの遊技性は、「ある機種」の発売により一変することとなりました。 その「ある機種」とは、サミーが発売した「獣王」です。 AT機能を搭載し、ゲーム性もさることながら、出玉性能にて人気を博したその機種は当時、その後のパチスロのあり方を大きく揺るがすこととなりました。 それまで続いた、BIGやREGにて出玉を増やし、そのボーナス成立までの過程を楽しむというパチスロの「あり方」からゲーム性は大きく変わりましたが、市場でそれは受け入れられます。 しかし、諸刃の剣とはよく言ったもので、人気を博すと共に、その出玉性能に期待し過剰に投資をするユーザーが増大。 パチスロという存在が社会問題を引き起こすということにまで発展してしまいました。 たしか、「警察庁が国会に呼び出しを受けた」なんてこともあったかと思います。 その社会問題性の重大さから、警察庁は一気にアクションを起こします。 それが、当時の日電協理事長サミー・里見治氏警察庁呼び出しでした。 爆裂機ブーム真っ只中、次なる一手とサミーが販売を計画していた「灼熱牙王(しゃくねつがおう)」という台。 これが、展示会中に販売中止に追い込まれるということが起きました。 「著しい射幸性」に歯止めを利かせないメーカーに大激怒した警察が直接、セガサミー会長里見氏を呼び出しブチギレ。 「貴様ら!いい加減にしろ!この#$%&‘&#$“@**‘##!!!」 とあらんばかりの罵詈雑言をぶつけられ・・・・たかは分かりませんが、とにかく呼び出されて「至急自主規制案の提出と現在販売計画中の台の販売を中止しなさい!」と指導を受け、その結果、計画に乗っていたどころか現在展示会真っ只中の「灼熱牙王」が販売中止を余儀なくされました。 そこで、日電協としては自主規制案を提示し「爆裂機の全面撤廃」を行い、今後新たなモデルでのパチスロ機の開発を進めていく方向で固まるかと思われました。 が、しかし・・・。 爆裂機の販売を「団体」として規制しよう!と躍起になっていた時に、「自主規制ってことは、別にうちは売ってもいいよね?」と、明らかに「自主規制」に抵触する機種が販売されました。 それが、初代ミリオンゴッドです。 当時、ユニバーサルグループの「ミズホ」は日電協非加盟。 そのミズホを使って、ユニバーサルが仕掛けてきたわけです。 いやはや・・・。 なんとも・・・。 当時、ユニバは「触るとケガするぜ?」というくらいピリピリしていましたからね。 「趣味⇒裁判/特技⇒裁判」と揶揄されていたくらい。 「文句あるなら、やったるぞ!」位のメーカーでした。 さすがにミリオンゴッドはすぐに社会問題にもなり、販売停止となりましたが、それでも「これから別の道を探っていきましょう」というときにこういうアクションを起こされたことで里見氏が大激怒。 メーシーを含むグループすべてを脱退させようかくらいまでお怒りだった模様です。 そこから、ユニバーサルの異端性は顕著になっていきます。 ゲーム性やハードの設計のあり方で、事あるごとに日電協とぶつかっていきました。(=訴訟沙汰) 「対山佐」の時には、仲裁人として間に立った里見氏ともぶつかり、ユニバはまさに四面楚歌。 しかし、その開発力は過去記事にもあるように群を抜いているわけで、誰も文句はつけられないわけです。 なので、ユニバとしては「別に脱退でも構いませんけど?」だったようですが、サミー以外のメーカーから「首輪をつけておくに越したことはない」となり、メーシーだけは日電協に残留となりました。 ここまでがいわゆる「爆裂機問題に揺れた業界」の一端です。 【現状との類似性のカギ・ユニバーサル】 上述の状況が、少々現在の業界の状況に似ているのではないかと噂に上がっております。 その最たる理由が、 「ユニバーサルの日電協脱退」 にあります。 そして、そこにスパイスとして加わるのが、 「日電協新理事長山佐・佐野氏とユニバーサル会長・岡田氏の不和」 となっております。 日電協を脱退したことにより、「自主規制」という鎖に縛られないユニバーサルがアグレッシブな台を作ってくるのではないかと噂されているわけです。 さて。 では、現在の状況でユニバーサルが「自主規制」に反するような機種を作ってくるようなことがあるのでしょうか? 個人的な見解としては「ない」と思います。 そもそも、今回の脱退は岡田会長の意向ではないと踏んでいます。 なぜなら、岡田会長がもはやそこまで業界状況に対して会社に口を出していないから。 ちょっと前までは「こういう台を作れ!」と結構な勢いで現場介入していたようです。 初代バジリスクは岡田氏のお気に入りで開発・販売までいったはずです。 そして、初期計画が大幅に減台されたことで、販売営業に「売れぃ!」と猛プッシュ。 結果、「2」「絆」と続けられるくらいのヒット作に仕上げたという話も聞いたことがあります。 しかしここのところ、回胴の開発に関しては現社長・富士本氏の意向の方が強いようですので、岡田氏当人はマカオで今後の国内カジノに向けて爪を研いでいるのではないでしょうか? 以前、「山佐 VS ユニバーサル」の記事の時にも書きましたが、現場レベルで言えばメーカー同士の確執はもうほぼないと言っていい状況です。 そんな状況下で、岡田氏が佐野氏を嫌いという「だけ」の理由で、ユニバーサルが日電協の方策にちょっかいを出すとは思えないのです。 そもそも論として、ユニバーサルは日電協の特許に依存しなくてもパチスロの開発は可能なくらいの特許は保有していますから、日電協に頼らなくてもいいわけです。 パチスロ機開発における特許のあり方を詳述するとキリがないので省きますが、今回の脱退騒動はむしろ日電協に対する圧力ではないでしょうか? 「我々の特許を侵害したら・・・わかるよね?」的な。 だから、今回の脱退は「自主規制」の網を抜けるというよりは、「自身のブランドを守るため」ではないかと思っております。 「趣味⇒裁判/特技⇒裁判」だった頃から、基本的には「自身のブランド力」を守るための行いだったわけですから、日電協VSユニバーサルみたいな構図にはなりえないのではないかと思っております。 【結論として】 「5号機→5.5号機」の変遷は、「爆裂機問題→爆裂機撤廃へ」の変遷に似通った部分は確かにあると思います。 その騒動の大きさや開発状況の急展開具合、そして、メーカー各社の動向においても。 しかし、社会情勢的には大きく違うかと思います。 当時の「射幸性」の高さは、遊技性以上にその攻略性に問題があったわけです。 特定の手順で消化すれば出玉を容易に獲得できるという状況は、パチスロの設計力が未成熟だったと言わざるを得ません。 しかし、ストック機を経て5号機になり、設計力は当時とは比較できないほど精度を上げ、その設計の正当性を審査する保通協試験も当時とは比べ物にならないほど厳しくなっています。 警察庁保安課の考え方としても「ホールもメーカーも一蓮托生、悪さをすれば、両成敗」と示したわけですから、ユニバーサルが単独でなにかをしても日電協ごと成敗される可能性を秘めていると判断できます。 なので、やはりあたくしの期待通りここらで一枚岩になってくれないと困る!というのが本音です。 どこかが勝手なことをする可能性は秘めていても、その結果として業界すべてのあり方を否定するようなことが絶対に起きてはならないと思っております。 さてさて、皆様はいかがお考えでしょうか? お手を煩わせて恐縮ですがご意見お聞かせ願えればと思います。 といったところでお時間です。 ご拝読ありがとうございました。 【 回胴小噺 】 メニューへ
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