末広がりの8回目。 春川亭三七でございます。 ゴールデンウィークも終わり、遊び疲れて体調崩したりしていませんか? わたしはしっかり遊びほうけて、体調崩してしまいました…。 いい大人が何やっているのだって話ですが…。 G.W.って、昔は「勝てないから打っちゃダメ!」なんて言われたりしていましたが、今はどんな塩梅なのでしょう? 私が20代の頃は、G.W.に体毛抜かれるほど負けて、あとは給料日まで「塩」と「水」みたいなことを言っている知り合いもいました。 でも結構、ホールの「あり方」なんかも変化していて、平日よりも土日に出玉を魅せるようなところも増えてきているような印象ですので、G.W.のあり方ってどうなのですかね? 二見さんにG.W.の稼働はどうだったのか?みたいな質問送ってみようかしら? 万枚報告にもリアクションして頂けていましたし・・・。 さて。 過去を乗り越え未来です。 体毛を引っこ抜かれていないあなた! G.W.明けから大型新台の登場です。 山佐が新筐体を引っ提げて販売した「ゴッドイーター」。 こちらの稼働が、最短で5月11日、つまり今日からスタートですね。 業界的な繁忙期で言えばG.W.前なのに、わざわざG.W.後に、しかもゴッドの日(5月10日)に合わせて納品開始というこだわりよう。 久しぶりに山佐の本気がうかがえます。 展示会もなかなかに盛況でしたし、コマーシャル的にも上手くいったようで、展示会の後に山佐の方にお会いしたらホクホクでした。 だって、「ゴッドイーター」がらみのニュースがヤフーのトップニュースに載りましたからね。 なんでヤフーのトップニュースに載れたのか? それはね・・・。 芸能人ゲストに矢口真里を起用したからです。 矢口さんが復帰して間もなくだったことから、一言一言がニュースになっていた時期でしたから。 業界的に、よっぽどの大型版権でもない限り展示会をやらなくなった昨今。 矢口真里効果でヤフーに載り、不特定多数の人に見てもらえたのはコマーシャル的には大成功だったのでしょう。 良かったですね、山佐さん。 というか、山佐は基本的に展示会の時に起用する芸能人の間が良い。 「モンキーターン2」の時には、大の競艇好きということで「坂上忍」を起用したら、展示会直前に坂上忍の熱愛報道。 坂上忍が役者とは違うキャラでブレイクしていた時でしたから、報道陣殺到。 それこそこれもヤフーのトップに載る等、こちらもコマーシャル的に大成功でしたからね。 良かったですね、山佐さん。(2回目) しかし、個人的には業界にいてそこそこ長かったりするので、ちょっと心配なことがあったりします。 今回、「わざわざ」納入日を5月10日に設定したわけですよ、山佐さんて。 開発ベースで言えば、昨年販売された鉄拳3よりも早く販売できたのではないかと言われていたくらいなのに、わざわざ5月10日なのですよ。 で、5月10日をGODの日って制定したのって・・・。 ユニバーサルなのです。 元々、ユニバと山佐はあまり仲のよろしくないメーカーさんですので、「え?大丈夫?『また』もめない?」なんて勝手に心配しているわけですよ。 一番最初の一番大きな揉め事は、ユニバーサルの日電協加入時。 そもそも現代パチスロの父は、ユニバーサルの岡田会長と言われています。 その最たる理由が、レバーオンの時点で成立役を決定させる「前段方式」の発明。 この前段方式が生まれるまでは、揃ったラインの絵柄を元に成立役を決めるという「参照方式」がメインでした。 しかし、この参照方式だとリール配列が画一的になったり、リール制御の裏をかいて無理やりボーナスを揃えられてしまったりとデメリットが大きかった。 それを「前段方式」にて短所をなくしたわけですから、パチスロにおいては昨今の発展になくてはならない大発明だったわけです。 その発明の「特許」を持っていたのは、もちろんユニバーサル。 となると、他社が前段方式の台を作るとなると、ユニバーサルに多額の特許使用料を払わなくてはならなくなってしまいます。 ここで岡田会長、おっとこまえ発言。 「え? いいよ。 みんなで使って。」 文字通り、そう言ったかは定かではないですが、回胴メーカー各社で前段方式を共有しようということになったのです。 なので、現代パチスロの父と呼べるわけです。 当時の事を思えば、それこそメーカー各社ともに、岡田会長のことが「GOD」に見えたことでしょう。 こうして、前段方式をはじめとするパチスロ機開発になくてはならない技術を共有し、パチスロは発展していきます。 ここで終われば「めでたしめでたし」なんですが、そうならないのが岡田クオリティ。 今度は唐突にこう言うわけです。 「わたし、日電協から卒業します!」 一体どこの48グループだ!って話です。 皆で使っていいよと決めておきながら、いきなりの日電協脱退ですから。 あっ。 ちなみにこの脱退は、先月の脱退とは違います。 先月の脱退は実は2回目ですので。 あしからず。 このユニバーサルの日電協脱退に激怒したのが・・・そうです。 山佐の佐野会長です。 急になんだというわけですね。 そして、この仲介役を買って出たのが、サミーの里見会長です。 岡田会長が若かった時は、里見会長とともに仕事をしていたわけですから、旧知の仲です。 なので、どうにか脱退の気持ちを翻意させようと仲介役を買って出たわけです。 しかし、これも上手くいかず…。 というか、上手くいくはずがないのですよ、話を聞いてみると。 そもそも里見会長にしても、当時ユニバーサルに抜けられるのは痛かったわけです。 特許料が発生してしまうのですから。 なので、仲介役とはいってもどうしても佐野さん寄り。 感情的にゴリゴリ押されれば押されるほど、逆に進みたくなるのが心理というもの。 しかも構図は2対1。 結局、前段方式は日電協特許として使用可能にはなったものの、ユニバーサルは脱退し、特許料を支払わなくてはならない結果になりました。 里見会長も困ったには困ったでしょうが、何より腹の虫がおさまらなかったのが山佐・佐野会長。 その後、「ユニバーサルと付き合いのある会社とは取引しない」となり、山佐は地元企業とのつながりを強くし、現在のユニバーサルやサミーほどの大企業ではないものの、業界において老舗のトップブランドを確立していくこととなりました。 余談になりますが…。 上記の裏付けとしてこんなお話をご紹介。 ユニバーサルと付き合いのある営業さんから聞いた話で、5年前位に山佐に営業に行ったのだそうです。 「うち、ユニバーサルと付き合いありますけど大丈夫ですか?」と聞いたところ・・・ 山佐の方から、 「あぁ。 『もう』大丈夫ですよ。 会長が好きじゃないだけですから。」 と言われたそうです。 「大丈夫ですか?」という質問自体、軽い気持ちで聞いたそうですが、しっかり『もう』と言われたので、「時期が早かったら突っ返されたのではないか」とちょっとビビったそうです。 話を元に戻しますが…。 色々な方から話を聞いてみて思ったのは、この脱退騒動に関して言えば、個人的には岡田会長に分があるのではないかと思っています。 当時ユニバーサルは、国内のパチスロ産業だけではなく海外カジノにも進出していました。 カジノ機はもちろんのこと、運営等も含めて。 そして、日本よりももっと特許や権利に関して厳しいアメリカで、特許の扱いの難しさを目の当たりにしていたようです。 実際、裁判になり負けたなんてこともあったようですし。 特許や開発というのは、製造メーカーにとっては「頭脳」のようなもの。 その頭脳を守り、結果、会社を守る手段として脱退を選んだのならば、それは責められることではないと思います。 もちろん佐野会長にしても、前段方式を共有することによって業界発展に寄与することを思っての行動だとは思うのですが、「発明」というものの権利が発明者に帰属するのであれば、この騒動に関しては分が悪いのではないかと思っています。 その後山佐は、ニューパルサーシリーズで業界を席巻し、ユニバーサルもさすがの開発力で出す台出す台市場人気を獲得してきました。 業界規模の拡大とともに「金持ち喧嘩せず」で、お互い特にぶつかるようなこともなくなってきましたが、その後も細かいもやもやは何度かありました。 ユニバーサルが出した「リーチ目発見スロがっぱ」という台。 これがなんとも・・・。 「かっぱがカエルを食べたら大当たり」なんて演出があるものだから、山佐さんの逆鱗に触れるわけですよ。 しかも、この機種のリーチ目もパルサーシリーズのそれとほぼ一緒なわけですから。 気分が悪くなるのもうなずけます。 その後も、「鬼の城」という台はモチーフが桃太郎ですから。 「まーたお台場(ユニバ)が岡山(山佐)にちょっかい出している」っていうような小さい騒動もあったわけです。 岡山と言えば桃太郎ですからね。 こうやって書いてみると、大ごと以外はほぼユニバーサルから火をつけていますね。 しかし、今回の「ゴッドイーター」の販売に関しては山佐から火をつけてきました。 納入日しかり、タイトルしかり。 ゴッド(GOD)をイーター(喰う)と…。 販売計画台数で言えば、ユニバーサルの圧勝。 ●ミリオンゴッド〜神々の凱旋〜 : 8万台 ●ゴッドイーター : 3万台 市場評価については、ゴッドイーターがまだ稼働前ですので置いておいたとしても、GOD凱旋に関して言えば、正直「何しに帰ってきやがった?」って印象。 夏のお盆前商戦に向けて5万台増産なんて計画も見え隠れしていたのですが、稼働状況がアレだもんで、それも白紙に。 さらに追い打ちをかけるように、ユニバーサル製のサンドを導入したホールでシステムエラーが起きて臨時休業させられるといったことも起きたもので、現状ユニバーサルへの風向きは厳しい。 正直、そんなGOD凱旋 VS ゴッドイーターを気にしている余裕はないのかもしれない。 ただし、ユニバーサルはGODじゃないところが優勢。 「沖ドキ」は相変わらずの高稼働で中古機も高値安定だし、「HANABI」も「どう考えても1でしょ?」っていう台でもフル稼働御礼。 中古機価格も「沖ドキ」同様高値が止まらない。 正直GODとHANABIの計画台数逆にした方が良かったのではないかと思うくらいHANABIが順調ですね。 なので、今回のGOD凱旋 VS ゴッドイーターだけで言えば、やや山佐優勢かなと思います。 珍しく業界の優等生がキバをむいてきたわけですから。 導入・稼働評価を楽しみに致しましょう。 ちなみに、文字通り筐体の液晶のところにキバ的なものがついていますよ。 これも、ハード的なものの考え方だとよくできています。 個人的には筐体の見た目は大好きです。 さて、こんなところでしょうか・・・。 っと。 締めに入ろうと思ったのですが、山佐の次機種が「押し順ケロルン」でしたね。 これね・・・。 知っている人も多いかと思いますが・・・。 ほぼ「沖ドキ」です。 ユニバーサルの方は6月から「沖ドキ」の増産も決まっていますし、夏には「沖ドキ」VS「ケロルン」ですか・・・。 ただの「喧嘩するほど仲がいい」じゃねーか! といったところでお時間です。 ご拝読ありがとうございました。 【 回胴小噺 】 メニューへ
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