[2]三店方式の成り立ちとその存在意義 [2015/5/4(月)] |
ぱちんこというものが、戦後のどさくさに紛れて産声をあげた時、まだぱちんこによって「お金」を生む事は出来ませんでした。
昔は、出玉をトイレットペーパーのような日用品やたばこのような嗜好品に換えることしかできませんでした。
そこに目をつけたのが、地回りの利くその筋の方々です。
いわゆる「ヤ○ザ」の方たちが「仲買人」として登場するわけです。
そういう人たちがホールに入っていく人たちに、
「もし勝ったら出玉全部『歯ブラシ』に変えてこい、そしたら1個につき5円で買い取ったる」
と耳打ちするわけです。
そして、換えてこさせた歯ブラシをそのままホールに6円で売ります。
そうすれば、1個につき1円の儲けになるわけです。
それが現在で言うところの「暴力団の資金源」の一部になっていったということですね。
なぜこういうことができたのかと問われれば、「時代」でしょう。
戦後のどさくさにおいて「娯楽産業」は日陰の産業でしたから。
そういうことよりも、国として整備しなきゃいけないものが沢山あったわけです。
しかし、そうそう長く続けられるものでもありません。
いつしか警察も気づくわけです。
「これはいかん!換金行為じゃないか!」と。
「暴排」という「大義名分」のもとに、仲買人排除の動きが起こります。
しかし、これに対して反対運動が起こります。
どこから?
ぱちんこ好きの「お客」からですよ。
ぱちんこで勝てば小銭稼ぎになるものが、「警察の指導」のもとNGになってしまうのを嫌がったわけです。
となると、ぱちんこにおいて換金を合法化する必要がある。
換金を合法とする場合、ぱちんこは「賭博」と認めたことになる。
「刑法」をつかさどるものが自ら賭博を合法と認めるわけにはいかない。
そこで、「換金行為を認めるために何とか「違法性の阻却」はできないものか?」と苦慮した結果、「特殊景品」というものを導入することにしたわけです。
仲買人が買っていた「歯ブラシ」ですね。
ぱちんこは賭博と認めないが、仲買行為は一部特例的に認めるとしたわけです。
交換する場所を設けて、そこで「特殊景品」の買取をさせて「あげる」わけです。
しかし、ここで「あれ?」と思ったあなたはカンがいい。
そうです。
これでは、仲買の相手がヤ○ザから警察に変わっただけじゃないか?となりますよね。
そこで目をつけたのが、交換所においての就職あっせん。
この交換所はあくまで「善意の第三者」として生まれるわけです。
ホールとは関係ない存在として誕生します。
戦後において、戦争未亡人やまともに働けないほどの怪我や病気を負った方がたくさんいたので、そういう人たちに「仕事をあっせんする」という「大義名分」のもと、交換所は誕生します。
しかし、これでも不十分です。
その交換所にて交換されたものをホールが直接購入していたのでは、それは結局仲買を認めたことになる。
であれば、そういう特殊景品を買い取る業者が出てこなくてはいけません。
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