[2]旧基準機or新基準機論争を俯瞰で見てみよう/そして最後に… [2017/3/20(月)] |
【サブ基板管理ART機設置シェア50%以上のホールの中古入れ替え停止措置】
上述したように、検定切れ前or認定が取れている機械であれば、基本的には中古機の入れ替えは可能である。
しかし、全商協と回胴遊商の運用の元、サブ基板管理ART機の設置シェアが50%以上であれば、中古機移動を認めないとする「自主規制」が3月10日から始まった。
これは、ホール間の不公平さをなくすための措置と言われているが、実は全日遊連(ホール側の組合)は、この措置に猛反発した。
50%以下にするのはあくまで「努力目標」であり、「ペナルティ」を課すべきものではないという態度を強硬に示してきたのだ。
しかし、警察庁から「依存症問題への効果的な施策になる」と指導を受けてしまったのだから、ぐうの音も出ないだろう。
泣く泣くこの経過措置に賛成することとなり、その運用は中古機流通の管理組合である全商協と回胴遊商ということになったのである。
昨年末の時点で、パチスロ全体設置数のうち、66万台余りが旧基準機となり、その比率にして約40%。
しかし店舗毎に見ていくと、相応の数のホールが旧基準機比率で50%を超えていたのである。
こういう事態が進んでいくと、「中古機で旧基準を入れた方が得」という風潮が強くなり、旧基準機の中古入れ替えを多くしてしまうホールが増えてしまう可能性があったため、中古流通の抑制は現在の流れの中では必然と言えるであろう。
さらにいえば、この50%以下というのは今年の12月には30%以下まで落とさなくてはならない。
そんな中、このようにいくつかの店舗でシェア50%を超えるような事態が起きれば、そうならないようにするべきなのだろう。
今後、確実に減っていく傾向の強い旧基準機。
そして、10月の申請から始まる「7セグ搭載」の5.9号機。
さらには、近いうちに起こるであろう「規則改正」。(警察庁がすると言っている)
これらを踏まえるに、現在の主力にならなければならない5.7号機達もどうなるか不透明である。
例えば、この10月までに超人気機種が出てきたとして、それが検定切れを迎える直前に認定を取れるようになるとは限らないのだから、現時点で認定の取れる機械については大事に扱っていくべきだろう。
しかし、その認定もなかなかに簡単にいかないかもしれない。
またまた政治筋から横やりが入ったのである。
もはや、業界に対する質問と言えばこの人、というくらい有名になりつつある、民進党・高井議員の登場である。
【高井議員の追求】
高井議員の追求内容は、大体がまともである。
今回の件にしても、ざっくり言ってしまえば、「旧基準機の認定は認めるべきではないのでは?」というものである。
それに対して、生活安全局の局長である山下氏からは、「認定は基本的に、周辺基板が遊技の結果に影響を及ぼすものであれば、認定を受けることが出来ない」との答弁をしているが、これ、字面だけ取ったら、山下氏は「当たり前」の事を言っているだけである。
現状、旧基準と新基準とが市場に混在していることは置いておいて、普通に「認定とは何か?」を言っているだけである。
しかし、普通のことを言っているだけだから、余計に怖さを感じてしまう。
というのは、「認定=風営法の範囲内で適正と判断できるもの」と答弁しているのだから、それはつまり、「現時点では」ということである。
今年中には必ず「規則改正」があるのだから、その規則改正にのっとった場合、この旧基準が「風営法の範囲内」とされない可能性があるのだ。
要は現時点では、業界内部からしたら「旧基準機」は認定の範囲内とみなされているわけである。
だからこそ、取りたい認定は急いで取るべきなのであり、現時点で沖ドキは絶賛認定申請中なのである。
そして次の項では、ホールでの扱われ方の違いを考察してみよう。
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