[2]マルホン工業の民事再生と奥村遊機の自己破産 [2015/4/20(月)] |
まずは、両社の共通点について。
●業界においては力の「あった」老舗だった
●近年は「キラーコンテンツ」を出せていない
●名古屋の拠点から抜け出せていない
…という事です。
順を追って説明させていただきます。
【老舗であったこと】
わたくしごときがこんなこというのも生意気ですが、
両社とも「老舗」に胡坐(あぐら)をかいていた感は否めません。
「こういうブランドがあるから、いずれ分かってもらえる」という甘えがあったような気がします。
「ようやく」ぱちんこでトップを取れたサミーだって、市場での需要に関してはとっても敏感で、だからこその「北斗の拳」大プッシュだったわけです。
なりふりかまっていられない。
求められている。
必要とされている。
そのうちに、市場に投入できるように開発を急いできたわけです。
「やるなら今しかねぇ!」精神ですよ。
結果、2014年についてはぱちんこ販売台数トップという勲章を得たわけですが、最新の北斗において「あれ?」と思わせたりもしました。
というのも、これまでサミーがぱちんこで「北斗」を出すときは必ず「新筐体」にしてきたからです。
しかし、2014年に関しては同筐体で2タイトル出してきました。
特に北斗は作りが「バトル」タイプに依存する傾向にあるのに、それでも2タイトル出してきたわけです。
そこには、サミーの「ぱちんこでトップを取るのだ!」という強い気持ちが見えてきます。
スロットの方で新規制の話が業界的にまだ表立っていなかったとはいえ、「規制がかかるかも・・・」という状況が見え隠れしていた状況だったので、急いで出したのだろうという気持ちはわからなくもありません。
しかし当時、そういう状況が見えないエンドユーザーの立場からしたら、「なんで?また北斗?」という気持ちもあったはずです。
しかし、スロットに閉塞感が漂っているのならぱちんこでなんとかしようという、おおよそ、トップメーカーとは思えぬ泥臭さがありました。
ところが、マルホンと奥村にはそういう「なんとかしたい気持ち」が見えてきませんでした。
もちろん、販売の強さ・弱さはあるかと思いますが、なんだかんだいってもこの2社は老舗ブランドです。
その気になればもう少しどうにかできたかもしれないのに、なんとしてでも売ってやろうというような台は、ここ数年見れなかったような気がします。
【キラーコンテンツを出せていなかったこと】
キラーコンテンツで言えば、両社とも、評価された時代の機種と比べて、今の市場需要に合ったものを作れなかったというのは大きいでしょう。
しかしこれは、両社の開発力の問題だけではありません。
ホールにおける「MAXタイプのバランス」に起因してしまいます。
だって、「ホールで求められるMAXタイプのぱちんこは?」と問われれば、おそらく「牙狼」「慶次」「北斗」でしょう。
なので、両社が「MAXタイプ」を出しても、ホールや打ち手には求められていないのです。
かといって「ライトミドル」や「甘デジ」で出したところで、ホールは要らないのですよ。
シマの数が限られているから。
そこはホールのあり方に起因するので、一概にメーカーが悪いとも言えないのですが。
なので、うがった言い方をさせてもらえば、キラーコンテンツが出せなかったのは気の毒と言わざるを得ません。
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