[3]「新内規」とはつまりどういうこと? [2015/4/13(月)] |
【「麻雀物語3」はいかにして申請合格したか?】
ここまで、メイン基板とサブ基板の役割を簡単に説明したところで、
『「麻雀物語3 役満乱舞の究極大戦」でも通常時の押し順ペナルティはあるのに、いかにして申請合格に持ち込めたのか?』
について解説したいと思います。
まず考えられるのは、通常時のコイン持ちを良くしてきたこと。
これは、左第一からの小役の発生率を上げて下限率の抵触を避け、通常時のコイン持ち上昇により起こりうる出玉の上限をクリアするために「AT当選」の確率を下げた、という事だけのように思われます。
AT中の出玉の管理はあくまでサブ基板で管理しているので、メイン基板での出玉管理以上のことが起きる可能性があります。
なので、おそらく「麻雀物語3」でも、普通に「事故待ち」で万枚は大いに可能と踏んでいます。
AT当選率がこれまでのAT機に比べて低く設定されているため、これまでより大変だとは思いますが、可能は可能です。
つまり、現状この程度のマイナーチェンジで現行AT機は販売することができます。
内規が変わったといっても、いわゆる試験方法の変更では、メーカーにも逃げ道はあるわけです。
しかし、
それが許されるのも2015年11月までとなります。
【新内規を作「らなければならない」理由】
「現行のサブ基板の持っている能力は、今後メイン基板に移行しなさい。」
というのが、今回の警察指導の大元です。
なので、「現状の申請合格品も含めて、サブ基板で出玉管理のできるものは11月までに設置を終わらせなさい!」という指導を警察からたまわりました。
そして、日電協はこれを承認。
つまり、
11月以降は「麻雀物語3」のような多少のマイナーチェンジごときでは申請通過できるものは一切出てこないという事になります。
サブ基板での出玉管理をメイン基板に移す必要があるために、「新内規」という形でメーカー各社の「意思の統一」を図ったわけです。
それが、「内規」というものを起こす理由になります。
余談ですが・・・
上記の事から、カンのいい方なら気づいたかもしれませんが、「麻雀物語3」は厳密には「新内規」台ではありません。
「新試験方法での申請合格1発目の台」というだけです。
もし新内規に当てはめたとすると、まだAT時の出玉性能の管理がサブ基板に依存しているため、販売には至らないと判断できるためです。
【では、新内規の中では何ができるの?】
基本的なことで言えば、「押し順ペナルティ」や「ベルリプレイ」のある台は作り難いと言えます。
押し順ペナルティやベルリプレイというのは、「左第一」からの出玉率を下げるための苦肉の策。
となれば、そういう機能のあるものは必然的に開発しづらいと言えます。
ART・ATの出玉管理をメイン基板に移し、かつ押し順ペナルティをなくす・・・
つまり、「エウレカセブン(初代)」の頃まで戻ることになります。
しかし、エウレカ自体もARTのストックという概念がありましたから、そこはクリアしないといけない。
ARTのストックはサブでの管理のはずですから。
ボーナスのストック機能はすでに4号機時代に禁止されていますから、たとえ、ARTやATの機能をメイン基板に移せても「ストック」という概念があれば、それはもう申請は通らないはずです。
なので、個人的には「戦国無双(初代)」位まで戻らないといけないのではないかと思っています。
色をナビゲートして、ということ自体はNGになっているはずですので、マイナーチェンジは必要ですが、現状はこの辺が限界なのではないかと思います。
「HANABI」のような付加価値として「RT」がついているAタイプは問題なく作れます。
なのでやはり、改めて5号機時代初頭のように、AタイプとAタイプに付加価値程度のRTやARTが付いたものが主流になってくるのではないでしょうか?
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