[3]業界騒然!ユニバとサミーの合弁会社ZEEG(ジーグ)誕生! [2016/4/4(月)] |
【日電特許という存在】
さぁて。
なんというか、これまでの過去コラムが役に立つときがきましたね〜。
パチスロにせよぱちんこの開発にせよ、開発にあたってはそれ相応の技術が必要なわけであり、その開発された技術はその開発した会社に帰属します。
その開発技術を「特許」として所有するのですが、その技術を都度、多額の特許使用料を払っていたのでは、筐体一台の単価は今の単価とは比較にならないほど高くなってしまいます。
そうならないようにするために、メーカー各社で組合を作り、特許を共有し、その使用料を抑えるようにしています。
その日電協が、特許を共有するための会社に「日電特許」という会社があります。
さぁ、ちょっとずつ何が言いたいか見えてきましたかね?
日電特許は、日電協に加盟するメーカーで「共有」する特許プール会社です。
サミーは、当たり前ですが日電協加盟メーカーです。
そして、
【第16回】コラムでお伝えしたようにユニバーサルは日電協非加盟メーカーです。
子会社(ミズホやアクロスなど)ははずれていませんが、パチスロの特許所有はユニバーサルに帰属します。
ユニバーサルはユニバーサルで「日本パチスロ特許」という特許プール会社を設立しておりますし、そこに特許をプールしている会社を持っているわけです。
そして、和解はしたものの「日電特許」と「日本パチスロ特許」でも特許の所有を巡って係争した歴史があります。
「日本パチスロ特許」にももちろん、ユニバーサル以外のメーカーも参加しております。
しかし、その参加メーカーはほぼ日電協ではなく、日工組加盟のメーカーがほとんどです。
つまり、自社でパチスロ特許を持たないメーカーが「日本パチスロ特許」という会社を通して、パチスロ特許を使用しているわけですね。
それを加味したうえで、サミーがパチスロ特許において、「日本パチスロ特許」に甘える理由はないわけです。
もう、日電協を通して使用することが可能なわけですから。
日電協サイドからすれば、サミーという日電協においても大きな柱のメーカーがそこからはずれ、別特許プール会社からの技術を使うとなると、その使用料における収益も望めないということになってしまいます。
こうなると、日電協は面白くなさそうだなと思うわけです。
日電協内においてもトップメーカーのサミーが、組合に帰属しないメーカーの特許を使い機種を販売するとなると、「え?じゃあうちもそれ使いたいんだけど・・・。」となりかねません。
というか、基本的にユニバしかもっていないものとかもありますからね。
ハードの技術も、メカの技術も。
自社に技術を取り込むことを良しとしてきたメーカーがユニバであり、その結果現状のような「独り勝ち」体制になると、その収益率の差は歴然となります。
これをまんま、現日電協が許すとも思えないわけです。
会長が山佐の佐野社長ですからね。
ユニバ脱退の流れの時のように、なにがしかひと悶着あるような気もしています。
ただ、ユニバにおいてもすでに岡田会長は一線を退いていますし、サミーも里見治紀氏を新社長に迎え、その体制は里見治氏の時とは違ってくるでしょうから、そこまで大きな問題を起こさず進める可能性もありますが、まだ火種は残っているのではないでしょうか?
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