[2]業界騒然!ユニバとサミーの合弁会社ZEEG(ジーグ)誕生! [2016/4/4(月)] |
【両社にメリットのある、資材の共有】
まずは
サミー側から探ってみます。
資材の共有となると、もちろん可能性として考えられるのが「ユニバ筐体」でのサミーブランドの販売や、「サミー筐体」でのユニバブランドの販売。
しかし、ユニバにとってはサミー筐体を利用するメリットはあまりありません。
すでに、市場に投入している筐体が1種類に依存するものではないからです。
今なお高稼働中の「バジリスク」タイプや「まどマギ」の筐体。
「HANABI」などに代表されるアクロス向け筐体。
他にも、ドンちゃんシリーズなどの透過液晶を利用したタイプの筐体など、その筐体の種類は多種多様に及びます。
そのユニバーサルが回胴の筐体において、資材共有するメリットはあまりないように見えます。
なので、回胴の共有においてはサミーの方が、そのメリットが大きい。
特にほしかったその技術は、再来週にも市場登場が待たれる「アステカ」の筐体。
プロジェクションマッピングを使うそのタイプの筐体は、噂では「サミー」でも開発を進めていたと言われています。
そのプロジェクションマッピングを使った技術を筐体に反映させるのは、相当大変な技術なようです。
プロジェクションマッピングを使い筐体に盛り込めるのは、「現状ではユニバだけ」だなんてことも言われています。
もし、ほかに開発を進めているところがあるとすれば、山佐くらいでしょう。
しかし、その山佐でもすぐに市場投入できるものは所有していませんし、その筐体を開発・販売するにはまだ多額の資金投入が必要かと思われます。
そんな、どこにでもできるわけでない技術と資材を共有できるのであれば、それはサミーにとっては喉から手が出るほどほしい技術のはず。
では、
ユニバーサル側にとってはどうか?
ユニバーサルにとって大きいのは、回胴ではなくむしろぱちんこの方です。
「ぱちんこ・ミリオンゴッド」の投入により、本格的にぱちんこ市場にも参入した感の強いユニバーサル。
しかし、その評価はなかなかに芳しくないため、市場での「ユニバ枠」のホール占有率も低い。
秋葉原じゃそこそこグレンラガンの稼働はいいですけどね。
版権依存はユニバらしくないですからね。
というか、本意ではないでしょう。
故に今では、ユニバーサルはぱちんこ向けの開発力に注力しています。
ぱちんこ開発向けの工場を設立しているという噂もあります。
しかし、たとえゲーム性が良くても、それを「設置」される場所が少なければ、評価拡大にもつながりません。
ホールにおいてぱちんことパチスロの違いは「枠」の設置のありなしになります。
パチスロはその筐体を丸ごと交換する必要があるのに対して、ぱちんこは「枠」というものに「盤面」の取り付けにて、機種変更することが可能です。
その枠の占有率は、一昔前でいえば、海物語を誇るSANYOが7割強を所有し、その他3割を他メーカーが取り合うという状況になり、それが現在では牙狼を筆頭にMAXタイプにて市場の枠争奪戦は群雄割拠の時代になっております。
その中で、現在サミーはタイヨーエレックでの枠も含めて、市場にて40〜70万台のシェアを誇ります。
その枠をサミーとユニバで共有できるわけです。
この「枠」の共有こそ、ユニバの狙いでしょう。
現状、ユニバーサルは枠から盤面において、ぱちんこ台開発のほぼすべてをぱちんこ外注に依存しています。
実に「らしく」ありません。
パチスロでは法廷闘争に及ぶほどの特許を所有しているユニバが、ことぱちんことなると、途端にその開発力に陰りを見せるわけです。
想像でしかありませんが、おそらくこの状況、ユニバは面白くないでしょう。
しかも、枠部分の開発というのはゲーム性に評価されるわけでもないくせに、金型作成から含めてなかなかにお金と時間のかかる作業です。
それをサミーと共有できれば、盤面からゲーム性においての開発に注力できるわけです。
これは開発→販売に至るまでの期間を短くできると考えれば、大きなメリットになります。
このように、当たり前ですが、双方にとって大きなメリットになる合弁会社ということになりそうです。
というか、メリットなかったら、昔仲たがいしていたような会社が合弁会社なんて作りませんな。
ただ、双方にとっては、メリットはあっても、杞憂がないわけでもないとは思っております。
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