[2]全日遊連が振り上げた拳の行方 [2016/2/8(月)] |
【全日遊連の強気の理由は警察への追従にあり】
全日遊連は基本的には「ホール団体組合」であり、その組合の
大多数は中小ホールにて構成されております。
大手グループのマルハンさんあたりは、全日遊連には属しておりません。
全日遊連は、業界団体としては最古参にて最大構成員数を誇るため、その発言の影響力は日工組や日電協でも及ぶものではありません。
その大きな組織が警察庁の発言と調査結果を盾に、一業界として一枚岩になるべきところを、警察庁とともに日工組を責め立てる姿勢をとりました。
日工組がくぎの性能乖離を認めたことにより、「全日側も被害者である」ということを前面に押し出してきたのです。
これは、「くぎの調整というものは存在しない。あくまでメンテナンスである。」というくぎ問題発覚前の業界不文律を逆手に取ったやり方でした。
しかし、これ自体は全日遊連にとっては昨年中ずっと言い続けていたことであり、「今更なにを・・・」と責められる言われはありません。
「納品状態は検定通りのものであるという保証をし、その信用性を絶対にしてほしい」ということは、常々全日サイドは言ってきました。
しかし、それではホールにおいての集客はできないし、ホールだってそんな状態の遊技機は求めていないわけです。
だから、これまで触れてこなかった部分なのですよ。
「くぎをいじる」ということに対して。
つまり、こうとも言い換えることができます。
「納品状態がまともではないから、ホールにて釘をたたく必要があった。必要がないのなら、そうすることもなかった。故にわれわれは被害者だ」と。
その姿勢を強硬に打ち立てたのは、警察庁がリストの作成を日工組「のみ」に求めたから。
つまりホールサイドとしては、警察庁の業界への怒りに対して、追従する姿勢を見せたわけです。
「いやいや、お怒りはごもっとも。かくいう我々もね…」的な感じですかね。
ジャイアンがぶちギレているときのスネ夫的なポジションをとったわけです。
「僕はいやだといったんだけど、のび太が・・・」みたいな感じですかね。
だけれども、そもそも警察庁はジャイアンじゃないし、ジャイアン的なポジションにされたからかどうかはともかくとして、警察庁も違和感に気づきます。
「いやいや、あなたたちだって業界内の人間でしょ?なに被害者ぶっているの?」と。
その結果として、年明けの行政講話にて全日遊連もお叱りの言葉を賜ることになりました。
「受け身の姿勢であった全日遊連の態度はいかにも残念である」と。
つまり警察庁としては、メーカーから出されたものに問題があったのならば、まず全日遊連として「こういう機械はうちでは扱えない!」というべきだということです。
これまで、「よっ!警察庁!」って言って太鼓持ちしていたのに、急にはしご外された格好なわけです。
こうなると、なんとも哀れな全日遊連。
しかし、全日にだって言い分はあるわけで、前述した影響力はちょっとくらいはしご外されたって微塵も揺るぎません。
「性能乖離の問題は業界全団体で立ち向かえ!」はわかったけども、うち(全日)だって譲れないものは譲れない、それが
下取り問題なわけです。
次のページへ
【 回胴小噺 】 メニューへ