[2]Q&A Vol.2 業界はどうしたいの? [2015/9/14(月)] |
それでは、まずはメールのご紹介。
ハンドルネーム「オヤジ」殿からの投稿です。
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サラリーマン(男)、50歳のオヤジ(ハンドル)です。
毎週月曜、小噺を読ませて頂いてます。
メーカー、ホールの業界側の動向や裏話が読めて楽しんでます。
さて、35年以上ユーザー側の視点から言わせてもらうなら、遊技から賭博を求めている業界と、ユーザーの責任が現状だと思っている。
私がデビューしたての頃は、羽物のパチでスロなど無かったし、1日の投資がせいぜい5kあれば十分で、4000発の10k回収(換金2.5円)で十分楽しめた。
スロは初号機で出目の演出を楽しんだが、4号機からは出玉重視の博打を楽しんでいる自分がいた。
当然、1日の投資は一桁増えて50kや100Kが軍資金になっていた。
どう考えても遊技に100Kはおかしい。
しかも、引けば3時間で100K以上戻ってくる。
こんなのは、遊技じゃなくて賭博ですよ。
これからの業界のためには、若者も減少し遊技人口が高齢化になるのだから、遊技性を高めないと衰退する。
遊技性とは何か。
100点は無いと思う。
それぞれの感性に委ねるところもあるが、ゲーム性や演出、正確な当選率で十分だと思う。
特に年寄りは。
70歳、80歳になってもホールに通いたいんですよ。
そん時に100Kなんて持てないですよ。
白文字と赤文字、確定のレインボー3色で十分ですよ。
緑、紫なんて難しい演出なんて年寄りには理解できないですよ。
1K、2Kで楽しませてください。
今のままでは低貸でも打てません。
以上、愚痴でした。
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というね・・・。
なかなかに手厳しいメール。
オヤジ殿!
拝読いたしました。(←正しい使い方)
ありがとうございました。
業界として、ご自身も含めて「打ち手」にも責任があると言っているあたりが、業界のゆがみを捉えているように見えて、何とも切なくなるメールでございました。
さて、では現状このようにエンドユーザーからも歪んで見えてしまっている状況を、メーカー側は今後どのようにしていきたいのか?
検証してみましょう。
それで、多少なりともオヤジ殿の溜飲を下げることが出来ればと願っております。
わたしもオヤジ殿のご指摘には賛成です。
そもそもが、遊技としての幅を逸脱してしまったところにはメーカーの責任があるかと思います。
過去の時代の問題点はとりあえず割愛するとして、現在の5号機において、もっとも大きな問題は、
「出玉性能」に他なりません。
そして、その出玉性能が「ごく一部」の爆裂フラグを引くことによって起こりうるという「当たるも八卦当たらぬも八卦」的な「博打」性を内包しているわけです。
こういった事態を受けて、メーカーとしては5.5号機に向けてその「博打性」の洗い出しに走ることになりました。
それが、
「AT・ART機出玉情報2万枚以上機種設置数一覧」というもの。
これを日電協の佐野理事長より、「全日遊連」宛に発出しました。
この機種一覧に含まれるものは、「日電協」か「回胴式遊技機製造業者連絡会」に加盟しているメーカーで、掲載に了承したメーカー17社・60万台超の機種が載っていると言われています。
そして、その他「日工組」メーカーより出されたパチスロを含めると70万台超の機種が市場にあると言われております。
その機種を洗い出した目的は、
それらの機種を「自主的に」市場から撤廃するため。
5.5号機にすることによって、メーカーが絶対に守らなくてはならないのが「大衆娯楽への回帰」に他なりません。
となると、2万枚も出るような機種を世にはびこらせているわけにはいかないのです。
これは結局のところ、オヤジ殿のいうところの「5K投資からの10Kバック」という健全な感覚に業界として戻ろうではないかという事の証左に他なりません。
しかし、現在現役稼働中の機種が一気になくなるとホールの混乱は大きくなりますから、2年後の12月1日を目標に段階的に減らしていこうと考えているわけですな。
2万枚も出ちゃうような射幸性の高い台を少しずつ減らしていき、かつ、現代のニーズに合った機種を探りながらそのシェアを増やしていく、というのが今回の発出の狙いのようです。
とはいえ、現時点ではまだ「低射幸性」の答えは見つかっておりませんが・・・。
この自主規制的撤廃には、二つの側面があります。
まずは言わずもがなの「ユーザーの遊技疲弊」への軽減。
射幸性云々ではなく、そもそもが遊技として5万円・10万円をユーザーに強いるのはおかしいという事を、ようやくメーカー側が気づいたわけですね。
こちらもオヤジ殿のご指摘に近い感覚かと思います。
現在、日電協のトップ3が「山佐」・「北電子」・「パイオニア」という事を鑑みると、どうにもきな臭い匂いもしたりします。
どこもノーマルタイプにて強いメーカーですからね。
ATに依存しなくてもやれますけど感がプンプンしますが、どうあれ方向性としてはぶれていない気はしています。
そしてもう一つが、自主撤廃によって警察からの「検定取り消し」や「再試験による営業や販売停止」措置を避けるためが考えられます。
今後、5.5号機というものが主流になっていくと、否応なしに現役旧内規AT機は出玉性能で悪目立ちする可能性があります。
そうなると、「あんなにとがった出玉性能なら再試験だな」となってしまうかもしれません。
その結果検定取り消し騒ぎになると、
現在市場にあるパチスロ機のうち約40%が消えてしまうことになります。
そうなったら、本当にホール営業として成り立つかどうかすら微妙になってきます。
5号機初頭にも結構見られましたよね?
筐体設置位置にベニヤ板を張って、総台数を減らしているホールが。
そういう事を起こさないための措置であろうと考えられます。
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