[3]吉宗〜極〜の販売成功から見る、遊技機販売の可能性と限界 [2015/7/20(月)] |
【吉宗〜極〜を安くできた大都技研の製造計画】
機械代の高さは、業界にとってはいつの時代も大きなテーマになっていますが、実のところ、
ことパチスロに関しては実はそこまで値段の変動はありません。
液晶が乗っかったり役物がついたりしても、30年前と現在を比較してもパチスロ機の価格はほぼ横ばいです。
ぱちんこに関しては倍以上になっていますが・・・。
ぱちんこ台の価格高騰に関しては置いておいて。
パチスロの筐体を安くするための方策として、
「Like New」という考え方があります。
直訳してしまえは、「新台みたいな」ってところでしょうか?
車業界的に言えば「新古車」とでも言えばいいのかな?
要は、
「下取り」にて回収した台や同タイプの筐体で販売したものの、計画通り売れず、在庫になってしまった台の部品を「再利用」して販売する台の事を言います。
他業種でもいうのですかね?
「Like New」って。
例えば、「吉宗〜極〜」で言えば、外観的なところで変わっているのは「腰部のパネル」「サイドランプ」「下皿カバー」「リールパネル」「シャッターのレンズカラー」位かと思います。
この辺のものはおそらく新規で発注し、購入しているはずですが、中身のハーネスやホッパーなどは前回のものをそのまま「再利用」しています。
なので、製造原価が前作の吉宗と比較して格段に安くなっているのです。
それが、販売価格を半値まで抑えることのできた大きな要因になります。
しかも、前作の吉宗はなんというか「大盤振舞」の意味を忘れちゃった八代将軍だったもので・・・、出荷されずに在庫になっていた「新品の筐体」を大都さん、結構な数を在庫として抱えていたと思うのですよ。
となると、回収台をオーバーフローしたり、清掃する手間も省けるわけですから、新台を一から作るよりもかなり工賃を下げて、製造原価自体を下げることに成功しているはずです。
多少のバラす手間はかかるものの、新品部材を買うよりは大きくコストを下げることが出来るわけです。
販売計画数も、「Like New台」としては控えめにしているのも好印象の一つかと思います。
たしか、計画は
5000台だったはず。
その後、少量ですが、追加生産もあったようですので、手の出しやすい価格と相まってホールが購入する触手を伸ばせたのではないでしょうか。
さらに言えば、ここからは推測になりますが、おそらく
「抱き合わせ」的な販売をしていないはずです。
「ここで吉宗〜極〜を買っていただくと次のJackassが・・・」とか、「次のぱちんこが・・・」みたいなことが行われていないのではないかと思います。
そういうところから、ホールにも信用され、購入されやすいという現象を起こしたのではないでしょうか。
是非フィールズさんあたりに見習ってほしいものです。
製造原価を下げる努力。
販売台数を抑えることによるプレミア感。
そして、販売としての誠実さ。
この3点が、ホールに買ってもらえる要因を生み出したと判断できます。
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