[4]吉宗〜極〜の販売成功から見る、遊技機販売の可能性と限界 [2015/7/20(月)] |
【可能性と限界】
スペック違いによる再利用台での販売にて販売単価を下げ、ホールに扱いやすくさせるという手法はなかなかパチスロではお目にかかれない販売手法だったと思います。
原価も下がり、メーカーも助かる。
購入単価が下がり、ホールも助かる。
ユーザーも手を出しやすくなる。
いわゆる「ウィン―ウィン」のような関係に見えます。
こういう販売のあり方は、現在横行する「抱き合わせ」に対して一石を投じたようにさえ見えます。
なので、今回、吉宗〜極〜が売れた意義というのは大きいです。
しかし、いいことばかりでもないのではないかと。
そもそも、前作が「売れなかった」から可能であったわけで、もし前作が売れていたら今回も「新台」になっていたはずです。
そうすると、結局機械代は高いままで、ホールも「ただ、扱いにくい機種が増えただけ」となりかねないのです。
それを避けるために、ある程度部材をメーカーが「在庫」として持っていないといけないわけですが、それも簡単な話ではないわけです。
経営的な部分の話になるので割愛しますが、
在庫を抱えるということは、極端な話「お金にならない資産を持ち続ける」という事をしないといけないわけです。
大都さんはまだ未上場メーカーなので、ある程度融通は利きますが、サミーやユニバーサルといった上場メーカーからしたら、必要以上に支出が増えるので、在庫に関してはものすごい神経質になってきます。
なので、いつでも今回の吉宗〜極〜のケースのような販売方法はとれないわけです。
「在庫」を持つということが前提になってしまうので。
「在庫」を持つという「限界」が、その販売手法の幅をせばめてしまっているのは実につらいことですが、今回の大都技研さんの販売にはもろ手をあげて称賛されてしかるべきだと思っております。
いかがでしたでしょうか?
今回の大都技研さんのケースは、「製造技術」として「Like New」としての定義を厳しく設定していたからこその面替え販売を可能にしたのと、その「販売営業」の「誠実さ」があってのことです。
メーカーがアクションを起こせば、ホールもユーザーも楽しめる環境はまだまだ作れるということを大都技研が可能性として示してくれたように思います。
これからお盆前商戦でいくつか有力新台が出てきますが、ホールもユーザーも短期間ではなく是非ながーーーい目で見てやってほしいなぁと思います。
といったところでお時間です。
ご拝読ありがとうございました。
〜お知らせ〜
さて。
何回か前の記事にて告知させていただきましたが、ぼちぼち実施の方向に動こうかと思います。
兄弟子・花火氏の想いや気持ちも引き継ぐために「業界枠」持たせていただいたわけですから…。
「皆様の疑問・質問にお答えします!」
をしてみようかと思います。
わたくしがこの「業界コラム」にて、業界のネガティブなところ以外の部分、製造業やアミューズメントととして成立しているところを皆様に知ってもらいたく、過去の揉め事や歴史も含めて記事に展開させていただいています。
要は、業界の中を知らない人に業界を知ってもらうとっかかりを作りたいのです。
なので、「知識欲」や「後学」のためでもなんでもいいので、興味を持って業界の事を知りたいという人がいれば、それを知るための一助になる場を作りたいと思っております。
三七に聞いてみたい!とか、
三七よ!貴様はこの問いの答えを持っているか!とか、
○○についてどう思うか?とか、
三七よ!抱いて!(←間違い)とか、
業界について、答えられること、皆様の代わりにわたくしがメーカーに聞いてあげられること、質問・疑問なんでも結構です。
ご応募いただけますと大変ありがたく、助かります。
人生相談に乗ってあげられるほど立派な人間ではないし、立ち回りについて答えられるほどシビアに立ち回っていないので、その辺はご容赦いただければと思います。
では、今後ともどうぞ三七をよろしくお願いいたします!
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