[2]吉宗〜極〜の販売成功から見る、遊技機販売の可能性と限界 [2015/7/20(月)] |
【なぜ『吉宗〜極〜』は稼働貢献度が高くなったのか?】
「扱い方」項目にもあるように、そもそもは「前作吉宗のスペック違い」というだけの台なので、真新しさは一切なく、演出も前作と同等。
そういった機種なのに、なぜ稼働貢献が高かったのでしょうか?
読者投稿時に一度、ホールのあり方として書いたことがあるのですが、結局のところエンドユーザーは「発売初週での導入」に「期待していない」わけです。
ホールによっては、今でも頭から力を入れているところもあるかとは思いますが、昔と違い「新台入替」時に設定を期待できる状況が極めて希薄になっているのが実情かと思います。
その要因は、
「客飛びの早さ」に起因します。
「稼働を期待できるから買う」というよりは、「次のキラータイトルの為に買う」という状況が多くなっているので、ホールとしても「買わされた」と判断したものは、客が飛ぶ前に機械代の回収を急ぎます。
それゆえ、導入初週から「設定1」が乱立するわけです。
しかし、そうなると余計客飛びの早さを助長してしまうわけですが、ホールとしても赤字を乱立するわけにもいかない。
でも、客が来なければ黒字にも出来ない。
かといって設定を入れてたくさん出されても困る。
であれば、「1」でも吹くときは吹くんだし、「1」でもいいのではないか?
となり、「1」での誤爆で魅せ台が出来ればラッキー、なくても「1」なら抜けるからラッキー。
というのが、昨今のAT機の扱われ方かと思います。
しかし、今回の吉宗〜極〜に関して言えば、そうではないのです。
ホールの立場からすれば、前作の「挙動サンプル」があり、エンドユーザーの立場からすれば前作の「解析サンプル」があるわけです。
そもそもスペックが違うだけなのですから。
エンドユーザーが新台に期待できないのは、「6かも?」という可能性より、はまってからの少量のコイン・・・みたいな状況になる「恐怖感」の方が強いからではないでしょうか?
なので今回のように、ホールとしても前回の参考になるような台が売られると、「出玉の爆発する怖さ」と「出玉の吸い込みの怖さ」、この両方の怖さを把握した上で運用できるところに吉宗〜極〜の扱いやすさが表れているかと思われます。
そして、ユーザーとしても「波が荒くなってもおそらく見極めなければいけないポイントは同じではないか?」と推察でき、設定推測しながら稼働するという事をしやすくしている気がします。
つまり、
ホールにとってもユーザーにとっても、「扱う/稼働する」ことに対してとっかかりやすい台になっていたのだろうと判断できます。
その結果が、稼働貢献度につながったのだろうと。
前作でよい思いをしたユーザーにしても、前作にいいイメージがないユーザーにとっても、「対吉宗」に対する情報浸透度の高さが稼働に繋がったわけですが、ホールにとっては前作の稼働サンプル以外のところにも扱いやすさがあります。
それが
「機械代の安さ」です。
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