[1]園長列伝≪その1≫ 〜ホールからのサインを見逃すな〜 [2016/6/24(金)] |
今は昔、まだイベントが盛んに開催され、ホール内は設定を示唆する札で溢れ返っていた頃の話。
優良店では「設定確認」なるサービスが行われており、文字通りその台の設定をこの目で確かめる事ができた、そんな時代の話。
20XX年6月6日。
当時、いわゆる乗り打ち軍団に所属していた私は、いつものようにその軍団のリーダーである園長に指定されたホールへと足を運んだ。
※園長については
第19回記事参照
時刻は朝6時。
まだ京浜東北線の始発が動き始めたばかりの時間だ。
この日は前日までの雨のせいかジメジメと蒸し暑く、開店までの4時間がいつも以上に長い待ち時間のように思える。
だがそれでも、その苦労を遥かに上回る見返りが得られるであろうという期待感の方が勝り、やっぱり並んでしまう。
パチ屋に並ぶ時はいつもそんな心境だ。
私の前に並んでいたのは園長を含めて5人。
全員見知った顔ばかりだ。
6人目に私が並ぶ。
通常、このホールは朝一のリールの並びで高設定台を示唆していた。
●7の中段揃い : 1/3で設定4・5・6
●7の斜め揃い : 2/3で設定4・5・6
●BAR揃い : 1/2で設定5・6
それに加えて、毎朝8時に送られてくるメールの情報を合わせる事で、かなりの精度で高設定台を推測する事ができた。
●本日、北斗の拳、『最高』設定を各シマに複数台投入しております。
●吉宗、3台に1台、『最強』設定確定です!
ちなみに『最高』=設定5、『最強』=設定6というのがこの店の暗黙のルール。
この2つを組み合わせると、北斗の拳のBAR揃い台は、あっても設定5。
吉宗のBAR揃い台は、設定6の可能性大。
その他の機種のBAR揃い台は、ハズレの可能性大。
メールに無い機種の7揃い台は基本的には設定4。
…といった事が容易に分かったのだ。
今では考えられない事だが、それは夜21時の設定発表で明らかになる。
どの台にアンコウ(海物語の6の図柄)の札が刺さり、どの台にエビ(海物語の5の図柄)の札が刺さるかで、上述の法則性を証明してくれるのだ。
もちろん、札の刺さった台についてはその設定を確認する事ができる。
高設定確定札を刺すだけ刺して、中身は低設定という店舗も数多くあったが、園長の選ぶホールは全てガチなホールばかりだった。
そして、この日は6月6日。
設定6を彷彿とさせるゾロ目の日であり、最強設定多数という煽り文句のメールが送信されてくるはずの日であった。
だが……
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