新年あけましておめでとうございます。 今年もどうぞパチスロ立ち回り講座をよろしくお願いいたします。 春川亭三七です。 なんでしょう? この手の挨拶をすると、わたしの名前だとどうも羽織袴を着ているような印象になりませんか? なりませんか。 そうですか…。 年末年始は、どうにも例年にないくらい東京は過ごしやすかったですな。 「え?ほんと1月?」ってくらい。 穏やかでございましたな。 我が家では、毎年明けに除夜の鐘をつき、初詣に伺うのですが、夜も夜中だというのにそこまで寒くなかったですからね。 初詣の列に並んでいても小刻みに震えるほどの寒さではないし、しれっとしたものです。 なんなら、たき火にあたっている人も少なかったような・・・そんな記憶がございますよ。 で、まぁ、気分もいいしおみくじでも・・・ってことでおみくじ引いたら、それがまた「大吉」だったりしてですね。 もう、おじさんうはうはなわけでございます。 するってーと、カラスかーで夜が明けたら、行くところって言ったら、ですね。 ぱちんこ屋さんですな。 とりあえずのモチベーションは「今年の大吉は本当か?」の「調査」の名目で乗り込んだわけです。 元旦とはいえ、大吉でしょ? なら、大丈夫でしょ?ね? マイナス500枚くらいでどうかご容赦。 って、気持ちで行ったのが良かったのか、結果その通り、マイナス500枚で済みました。 まぁ、なんも考えずに適当に打ち散らかしたらそんなもんですな。 今年は、久しぶりに収支でもつけてみようかなぁと思った次第でございます。 なんといっても、パチスロでいえば、今年は5.9号機突入年ですから。 「5.9号機でもそれなりに楽しめるぞ!」ってところを、素人のわたしが見せられればなぁなんて画策している次第でございますよ。 といったところで本題へ。 と、ちょっと考えてみたら、わたしのコラムってサイト冬眠期間を挟んでいるので、大分ご無沙汰しておりますな。 じゃあ、結構なことが起きているかと言われると、そうでもないんですよね〜。 MAX機完全撤去はまだ調査完了していないし、その年の方向性が定まる賀詞交歓会はまだもう少し先ですし・・・。 といったわけで、年末の花火あにさんの記事とちょっとかぶってしまいますが、「IR推進法案成立」について、もう少し踏み込んでその影響を紐解いてみましょう。 【拙速に見える推進法成立】 今回の法案成立でやたら「カジノだ。カジノだ。」という声が聞こえてくるが、正直現時点ではそこまで騒ぐことのコトが起きるわけがない。 今回の法案はあくまで「推進法」であり、「実施」にいたるまでの吟味をしていきましょうという法案が成立したに過ぎないからだ。 現政権下でも、民主党(現・民進党)政権下でも何度となく、通常・臨時問わず「国会審議入りか?」などと騒がれながら、2016年まで審議が延び延びになっていた背景には、もちろん我らが「ぱちんこ・パチスロ業界」が「目の上のたんこぶ」的に存在していたことが一因にはなっていた。 「風営法下においては遊技」とは言っても、その実態は「博打」と位置付けられていたことに他ならないわけで、そのおかげでこれまでの簡易調査において、日本におけるギャンブル依存症の総数は「536万人」という数まで飛び出してしまった。 この尋常ならざる数(現時点で遊技人口の50%強の人数)は、調査対象があくまであいまいで、正確に「ギャンブル」という位置づけでその他諸々の公営ギャンブルと肩を並べた時にここまでの人数にはならないだろうということが言われているが、それでも「ギャンブル依存症」という精神疾患の中に「ぱちんこ・パチスロ」も含まれている事実は事実として受け止める必要はある。 この536万人という数値があることが、「日本においては依存症対策が不十分でカジノを設置するに足る下準備が出来ていない」とされてきた理由の主となっていたのだ。 しかし、そこにウルトラCの政府見解が飛び込んできたのは、「第47回コラム」で展開した通り。 そう、「3店方式」の違法性の阻却だ。 この結果として、政府見解としてはあくまで「ぱちんこ・パチスロは遊技。ギャンブルではない。」と認めていただいた格好だ。 その政府見解が出て、数日中には「IR推進法」の審議入りである。 その結果、衆参通して、たかだか4日ほどの審議で法案成立である。 かいつまんでその審議の実況中継も目を通してはみたが、その審議の中身においても十分かと問われると「?」を打たざるを得ない。 本来ならば、まずやってしかるべきは、不十分とされている依存症対策への対応策をどのように施行していくかを吟味することである。 しかしそうなると、吟味すべき内容はぱちんこ・パチスロのみにはならない。 公営競技であれ何であれ、競馬や宝くじもギャンブルの範疇だからだ。 なので、「とりあえず」推進法を成立させて、その推進法から実施法までの間に「ギャンブル依存症」について吟味していきましょうという、問題を先送りにして成立させたように見えるから、「拙速」だと評価したわけである。 そして、ギャンブル依存症の問題が先送りにされた結果、業界においては悪影響を被ることになる。 【業界に起こりうる悪影響 その1】 今回の法案成立を受けて、ネットであれ、雑誌であれ、テレビであれ、「ギャンブル依存症」というものの大元の原因は「ぱちんこ・パチスロにある」という論調がまぁ多く聞かれた。 依存症に対して十分とは言えない矛先が、手っ取り早い「ぱちんこ・パチスロ」に向けられた格好だ。 「依存症人口=536万人」という事実(議論の余地はあり)がぱちんこ・パチスロに向きやすいのは事実だとしても、そのすべてを背負い込めるほど、業界規模は大きくない。 でも、政府見解で違法性が阻却されたとしても「ぱちんこ・パチスロ=博打」なのだ。 その民意をないがしろにして進歩はないし、それでも対応しないといけないのが業界の常ではある。 さらに言えば、業界を管轄している警察庁からすると「業界を健全なものとするよう努力しよう」などとは微塵も思っていないのではないだろうか。 別にその行く末がダメになろうと、それはそれで構わないというのが、警察庁のスタンスではあろう。 その一方で、業界を管轄している以上、業界に何かネガティブなことが起こると、その矛先は警察庁に向いてくる。 その矛先が自分たちに向かないよう業界を指導することに注力する、というのが警察庁の考え方のように思える。 なので、先送られた依存症対策は、推進法から実施法に近づけば近づくほど、ぱちんこ・パチスロ業界への風向きは悪くなる。 そして悪くなればなるほど、「自主規制」なり「法規制」なりを強くして、業界の首を、射幸性の抑制、という名目で、締めにかかるのである。 【業界に起こりうる悪影響 その2】 もし、現状のありのままを受け入れて営業を続けていれば、おそらく今年は営業停止や営業取り消しが増える1年になる可能性をはらんでいる。 順を追って説明していこう。 まずは、「3店方式」の徹底だ。 これは以前にも書いたが、あくまで風営法下において、「買い場の第三者性が確立されていれば」の前置きありきで違法性を阻却してくれているのだ。 となれば、買い場の第三者性の確立がされていなければ、それは即営業取り消しの烙印を押すことが容易になるであろうことは想像に難しくない。 なぜなら、風営法下においては博打ではないと言ってくれたことに対して、その違法性阻却の大前提を反故にするのならば、それは遊技ではなく、博打扱いになってしまうからだ。 そして博打になってしまえば、IRにおけるカジノはもっともっと博打だ。 その実施法成立のための足を引っ張るのが警察庁になるようなことを、絶対に警察庁はしたくないわけであるから、「3店方式」における買い場の第三者性は必須項目と言える。 そしてもう一つは、「広告宣伝規制」だ。 特に昨年の秋口くらいから、東京都における指示処分や営業停止命令の連発は、東京都が先だって「モデルケース」になろうとしているきらいさえある。 これも結局のところ、「射幸性」の問題になってくる。 射幸性の抑制を大義名分に、ホールの活動範囲を狭めているのが現状だ。 どこかでその取り締まりの手綱が緩くなるタイミングはおそらくあるであろうが、その線引きは実に難しい。 結局はホールにおいても、しばらくは従順の姿勢を見せ続けるしかない。 さもなくば、大きなしっぺ返しを食らう可能性さえはらんでいるのである。 【機械性能の抑制はメーカーの足かせに。射幸性抑制はホールの足かせに】 警察庁は実際のところ、IR法案の成立、というか、カジノ設備の誕生については否定的な立場を見せてきた。 だが、結果的にその推進法が成立したことで、ぱちんこ・パチスロ業界に対してくぎをさせることになったのは何とも皮肉なことだ。 自主規制や法規制で機械性能を下げることは、メーカーの開発スピードの足かせになるであろうし、射幸性抑制のための「3店方式の徹底」と「広告宣伝規制」はホールの足かせになるであろう。 これに関しては、実のところ業界でどうにかできるところは現時点ではとても少ない。 しかし他のギャンブルと比較した場合、自身の立場を理解して「のめり込み対策」については十分とは言えなくとも対策している数少ない業界である。 あまり知られていないが事実だが。 正直、業界をなくせと言うだけならものすごく簡単なことではあるが、その結果としてもおそらくギャンブル依存症の人口は大きくは減らない。 対案としてのギャンブルが数多く存在するからだ。 なので、改めて他のギャンブルと同等の位置にまでぱちんこ・パチスロを持ってくるか、もしくはゲームセンターに毛の生えた程度に射幸性を落とすしかない。 しかし後者を取った場合、勝手に業界は潰れると思う。 であれば、そうされないような業界全体としての姿勢が必要になってくる。 その姿勢の見せ方は、現時点においては「右に倣え」しかない。 そのうえで、IRや他の公営ギャンブルとの違いが生まれてくれば、業界への逆風は弱くなるかもしれないということは期待しても罰は当たらないだろう。 【終わりに】 とまぁ、色々好き勝手書かせていただきました。 個人的な思いで言えばですな。 IRは大いに賛成ですよ。 だって、ぱちんこ・パチスロ業界とカジノのユーザーターゲット層が重なる部分てとても小さいですもの。 その上で、日本にエンターテインメントビジネスが広く普及するのであれば、それはそれで日本にとってもいいことだと思うんですけどね。 ゲーム性においても、「切った張った」のカジノより、出るまでの過程を楽しませる「ぱちんこ・パチスロ」はゲーム性の質が違いますからね。 「こっちを盛り上げたいからこっちは下がれ」ではなくて、ともに底上げできる環境を作っていくのが正しい姿勢なのではないかなぁと思っておりますよ。 2017年初回から長々書かせてもらいました。 今年もこんな感じで、業界を取り巻く環境をお伝えしていければいいなぁと思っております。 今年もどうぞよろしくおねがいいたします。 といったところでお時間です。 お目通しありがとうございました。 【 回胴小噺 】 メニューへ
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