連打ご参加いただいた皆様。 結果の方はいかがでしたでしょうか? どうも。 マクロスラヴァーの春川亭三七でございます。 わたしのこの原稿が上がる頃には、第3打目のレポートがサイト上に上がっている頃でしょう。 細かい部分は、そのレポートをお読みいただければと思います。 それぞれのライターがそれぞれの角度でレポートを上げてくることでしょうから、ご参加いただいた方は改めて、そして、残念ながらご参加いただけなかった方は、文章や写真から伝わるその熱意を感じていただければと思います。 そして、次の連打でまた出会いや再会があることを心より祈っております。 さて。 それでは、早速本題に入ることといたしましょう。 先週、なかなか刺激的な事が起きましたので、そちらの業界的意義をご紹介させていただきます。 【四号業界が『グレー』と言われてしまう理由】 風営法が改正されて、ぱちんこ・パチスロ業界は四号括りとなったわけだが、法律の運用においては、七号と言われていた時と基本変わっていない。 名称が変わっただけ(七号→四号)の事なので、当たり前といえば当たり前なのであるが。 風営法とはいうものの、括りで語られていると、どうしてもこの業界は「グレー」な業界だと評されてきた。 それはすなわち、「換金」というものが法律の網の目を潜り抜けて行われているからに他ならない。 いわゆる「三店方式」による、景品買取が可能なことに端を発している。 三店方式の説明については、「第7回」の当コラムで展開しているのでそちらを参照いただきたいが、この三店方式が、ぱちんこを「遊技」ではなく「ギャンブル」として定義させているのではないかということなのだ。 なぜなら、日本の刑法において禁止されている「賭博」が、風営法下における「遊技」になると、公然と換金ができる環境となる。 その結果、賭博として認めていることにならないかと。 その矛盾が生じているからである。 これまでも幾度となくその議論は繰り返されていて、その都度、時の警察庁長官なり、国会答弁において「ただちに違法とはならない」というどうにも奥歯にものの挟まった言い回しで、逃げていた。 しかしこの「ただちに」の部分が、要は「刑法」が適用される範囲を想定させ、かつ風営法解釈で逃げられない部分であるため、「グレー」な業界だと評されていた大きな理由の一つになる。 そして、この換金の部分については今後起こりうる「IR法案」、いわゆる「カジノ法案」において、きっちり線引きをしておかないといけない部分でもあるのだ。 先週、この業界の「三店方式」について、一つの回答が出た。 きっかけは、またしても民進党議員からの質問主意書。 今回の質問者は緒方林太郎議員になる。 【緒方議員の質問主意書、その内容(一部)】 風営法解釈においての質問で、緒方議員は7つの質問をしてきたわけであるが、これまでと大きく異なるのは6番目と7番目。 その部分の「質問」と「答弁書」を抜粋しておこう。 ************ 『質問』 六 ぱちんこ屋で景品を得た後、その景品を金銭に交換している現実を政府として把握しているか。 七 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定されるぱちんこ屋は、刑法第二条第二十三章における罪の違法性を阻却する必要はないのか。 ************ 『答弁書』 ・六について 客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。 ・七について ぱちんこ屋については、客の射幸心を煽るおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。 ************ 「質問主意書→答弁書」ということなので堅苦しく書いてあるが、上記を要約すれば・・・ 「ぱちんこ屋が直接換金しているのではなく、客が受け取った商品を第三者機関で交換していることがあることは知っているよ。 で、その行為については風営法に基づいて行われている行いであれば、刑法には触れないと考えているよ。」 ・・・と、こういうことである。 驚くべき点は2点。 まずは、「換金行為」(正確には景品買取行為)があることを国会が公に認めたということ。 そして、その行為が風営法下においては刑法に抵触しないと公言してくれたことになる。 要は、国が「三店方式」を初めて「白」と認めたことになるのだ。 これは、業界意義的には大きい。 「風営法」のみの括りではなく、「刑法」の括りで初めて業界の違法性を阻却してくれたことになるからだ。 もちろん、これは行政判断であり、司法判断に委ねれば議論の余地はあると考えられるが、行政が判断したものを司法がひっくり返すケースはあまり例を見ないこと。 なので、「一応の」決着と言えるわけだ。 ただし、当たり前のことであるが、これで「イコール業界は健全」と言えないのがつらいところである。 今後業界としてどうあるべきか?を考えてみる必要がある。 【景品買取所の第三者性の徹底はマスト!】 今回、行政判断で認めてもらえたのは、「当該営業者に関係しない第三者による商品買取」である。 要は、換金行為を認めたわけではない。 なので、三店方式において、景品買取所の第三者性を徹底することは必須と言えよう。 東京でいえば、その買取所というのは「TUCショップ」というところが買取を行なってくれるわけだが、例えば、「渋谷」のぱちんこ屋で得た特殊景品は、「新宿」の「TUCショップ」でも買い取ってもらえるに決まっているのである。 なぜか? 渋谷のぱちんこ屋と、渋谷のぱちんこ屋の近くにあったTUCショップは関係がないからだ。 東京の特殊景品は「金」を使用しているので、その買取をTUCが一任しているが、特定のぱちんこ屋の交換に依存してはいないということになる。 ということはどうなるか? 今後、当たり前に警察の取り締まりとして「三店方式において買取所の第三者性が徹底されているか」を見てくるのは必然と言えよう。 今回、三店方式を認めるには認めたが、基本的に警察庁のスタンスとして「景品買取」を声高に賛成しているわけではない。 「交換景品の充実」は行政講話でちょくちょく言われているし、それに応じてメディアにて「景品獲得から視聴者プレゼント」という企画内容の番組も多く行われていた経緯もある。(一時より落ち着いたか?) この三店方式の徹底に関しての線引きは、実際のところまだ漠然としている。 上述した東京都の「TUCショップ」は、都内でぱちんこ屋に行く人においては目になじみがあるだろう。 では、地方ではどうか? わたしも仕事柄、地方に行くこともあるが、「TUCショップ」なるものを見たことがないし、ほぼほぼ地方のぱちんこ屋の景品買取所は、そのぱちんこ屋の駐車場なり、敷地内に設置されている。 これは、ぱちんこ屋の法人が土地を貸しているということも言えなくはないが、その場合「買取所の第三者性の徹底」と言えるのか?というのはまだはっきりしているわけではない。 ただし地方の場合、ぱちんこ屋から買取所まで距離があるとなると、その安全性に問題が出る可能性も否定できない。 どこまでを罰してどこまでを許容するか。 これは結局、警察しか判断できないところではあるが、業界的に課題を突き付けられたと言っても過言ではないだろう。 【襟を正してまずはお伺いを】 今回、期せずして業界の「三店方式」が認められる運びとなったわけだが、それを認めてもらえたのだから、それを利用するべきだ。 まずは業界から「買取所の第三者性」の定義を警察庁にお伺いをたてるべきだろう。 「自家買い」なんかは愚の骨頂としてなくさなくてはならないし、前述した「別法人だけど、同敷地内」というものの在り方をどこまで許容してもらえるのか、も重要だ。 極端な話、「別法人、場所も別だけど、経営者は血族」だったら、どうなるのか?など、解決しなければならない課題は少なくない。 特に今回、「風営法を遵守していれば」という文言があるのだ。 ということは、それは買取所の第三者性以外のところにもあるのだから、その課題は大きいだろう。 すなわち、風営法の範囲内を具体的にする必要がある。 そのためには、まずはやはり警察庁の判断を仰いでいく必要がある。 【結論:健全化に向けての大きな一歩であるが、課題は多い】 業界が抱える問題というのは、大別してしまえば二つだ。 今回の「答弁書」にて、業界が抱える大きな問題のうちのひとつが解消されたといっても過言ではないだろう。 ひとつは、今回の「換金問題」。 そしてもう一つが、「遊技くぎ問題」だ。 遊技くぎの問題については現在進行形で解決中であり、くぎ問題に並行して出てくるのが「射幸心」というものの在り方だ。 その一環として、「検定時と性能が異なる可能性のある遊技機」を完全撤去しなければならない問題がある。 そして、その答えの一部が今年の年末には出てくる。 まずは、そこを徹底する事。 そして、今後「買取行為」と「くぎ問題」がクリアされれば、今度は「依存症」対策にも目を向けられる可能性も高い。 いや、すでに目を向けられているし、今後はそこに集中砲火される可能性もある。 ぱちんこ・パチスロが遊技と認められたとしても、そこに「依存」という問題が介在しないわけではないし、継続性が可能な遊技であればあるほど、依存の問題はクローズアップされるだろう。 業界においては、今回の「三店方式が白」という判断にて、ゆめゆめ調子に乗らないようにと、偉そうな物言いになって大変恐縮ではあるが、くぎを刺しておいて今回のコラムの締めとさせていただこう。 いや、ほんと。 久しぶりに前向きなお話でした。 確かに解決しなきゃいけないことは多いけれども、これにて解決しなければならないことが整理されたと思えば、それは前進ととらえるべきでしょう。 その昔、ぱちんこ屋さんで「どこで交換してもらえばいいですか?」と聞けば、快く教えてもらえる時代がありました。 なんなら地図を用意しているところもありましたしね。 それがいつしか、「どこかはわかりませんが、皆さんあちらからでていきますよ〜」と、買取所に近い出口を教えることしかできなくなり、今では「知りません」としか答えてもらえなくなりました。 そらそうです。 お互い干渉しちゃいけないんですから。 時代とともに法が整備され、遊技として「健全な」環境が生まれつつあり、それはおそらく、また時間がたてば違う問題が出てきます。 そこでいちいち揚げ足を取るのではなく、一つ一つ解決し、存在して問題のない世界になってほしいと切に願います。 エンドユーザーの皆様におかれましては、今回の答弁にて「交換所行ってくるわー」ではなく「買取所行ってくるわー」にしていただけますよう、心よりお願い申し上げます。 といったところでお時間です。 お目通しありがとうございました。 【 回胴小噺 】 メニューへ
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