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回胴小噺



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三店方式の成り立ちとその存在意義 [2015/5/4(月)]

ラッキー「7」の登場。
春川亭三七でございます。

6、7と業界にとって縁深い数字が続きますね。
・・・縁が深かろうがなんだろうが、6の次は7に決まっていますね。

業界的なお話で言いますと、「ぱちんこ・パチスロ業界」の事を「7号業界」なんて呼び方をします。
これは管轄の風営法の第2条第7号に属する業界なので、「7号業界」と呼ぶのですが、今後「4号業界」なんて言い方に変わってしまうかもしれません。

というのも、昨年の改正案提出で風営法内の業種の再定義が行われて、いままで「1号〜8号」と分類されていたものが「1号〜5号」となるのですよ。
で、その再定義でぱちんこ・パチスロが「4号」になると…。

正直、「なんだ?今更」感満載です。
「変える必要性についてはどこにあるのだろう?」って思ってしまいますね。

行政としての考え方の中、適正な形にぱちんこ・パチスロ業界があるのならば、別に何号でもいいですが、日本人的な感覚ですが、「4号」っちゃ縁起が悪いですな。
4号だから「死号」業界なんて言われないように、改めて新内規の中で発展の可能性を含んだ新台を開発してほしいものです。

さて、それでは、本題です。

 


「パチンコで換金が行われているのはまったく存じ上げない」

国会答弁で呼び出された警察庁の担当者が、「換金行為」について質問された際に回答したのがこれです。

管理管轄の警察からしたらまともな回答だと思います。
だから、国会にまで呼び出して詰問すること自体、警察の自尊心を壊すような意地悪なやり方だなぁって思いましたよ、正直。

だって、法治国家において「賭博」を禁止しているんですから。
江戸の世からそうですよ。
博打はダメなのです。

「品川心中」でも開帳中に…って落語は置いといて。

それでも、ぱちんこはスタートできたのです。
やってもいいんじゃないかって時代があったのです。

いくつかの大義名分を持って、ぱちんこを認めて「あげた」歴史があるのです。


まずは、三店方式が生まれるまでの過程を綴らせていただきます。

そもそも、三店方式にピンと来ない方のために説明いたしますと。


図


ざっくり図説しますと、こういうことになります。

こうすることによって、「交換所」と「ホール」に直接の関係をなくします
これが、三店方式のからくりです。

この図を頭に入れていただいて。

三店方式にする必要性があった時代背景を説明していきます。


ぱちんこというものが、戦後のどさくさに紛れて産声をあげた時、まだぱちんこによって「お金」を生む事は出来ませんでした。
昔は、出玉をトイレットペーパーのような日用品やたばこのような嗜好品に換えることしかできませんでした。

そこに目をつけたのが、地回りの利くその筋の方々です。
いわゆる「ヤ○ザ」の方たちが「仲買人」として登場するわけです。

そういう人たちがホールに入っていく人たちに、

「もし勝ったら出玉全部『歯ブラシ』に変えてこい、そしたら1個につき5円で買い取ったる」

と耳打ちするわけです。

そして、換えてこさせた歯ブラシをそのままホールに6円で売ります。
そうすれば、1個につき1円の儲けになるわけです。

それが現在で言うところの「暴力団の資金源」の一部になっていったということですね。

なぜこういうことができたのかと問われれば、「時代」でしょう。
戦後のどさくさにおいて「娯楽産業」は日陰の産業でしたから。
そういうことよりも、国として整備しなきゃいけないものが沢山あったわけです。

しかし、そうそう長く続けられるものでもありません。
いつしか警察も気づくわけです。
「これはいかん!換金行為じゃないか!」と。

「暴排」という「大義名分」のもとに、仲買人排除の動きが起こります。

しかし、これに対して反対運動が起こります。

どこから?

ぱちんこ好きの「お客」からですよ。
ぱちんこで勝てば小銭稼ぎになるものが、「警察の指導」のもとNGになってしまうのを嫌がったわけです。

となると、ぱちんこにおいて換金を合法化する必要がある。

換金を合法とする場合、ぱちんこは「賭博」と認めたことになる。

「刑法」をつかさどるものが自ら賭博を合法と認めるわけにはいかない。

そこで、「換金行為を認めるために何とか「違法性の阻却」はできないものか?」と苦慮した結果、「特殊景品」というものを導入することにしたわけです。

仲買人が買っていた「歯ブラシ」ですね。
ぱちんこは賭博と認めないが、仲買行為は一部特例的に認めるとしたわけです。
交換する場所を設けて、そこで「特殊景品」の買取をさせて「あげる」わけです。

しかし、ここで「あれ?」と思ったあなたはカンがいい。

そうです。
これでは、仲買の相手がヤ○ザから警察に変わっただけじゃないか?となりますよね。

そこで目をつけたのが、交換所においての就職あっせん。
この交換所はあくまで「善意の第三者」として生まれるわけです。
ホールとは関係ない存在として誕生します。

戦後において、戦争未亡人やまともに働けないほどの怪我や病気を負った方がたくさんいたので、そういう人たちに「仕事をあっせんする」という「大義名分」のもと、交換所は誕生します。

しかし、これでも不十分です。
その交換所にて交換されたものをホールが直接購入していたのでは、それは結局仲買を認めたことになる。
であれば、そういう特殊景品を買い取る業者が出てこなくてはいけません。

そこで出てくるのが「金卸し業者」です。
「善意の第三者」が買い取った特殊景品を、ホールとは関係のないこれまた別の「善意の第三者」が交換所から買い取ってくれるわけです。
それをホールに卸すわけです。

そういう過程を踏んで、歴史上警察は三店方式を「ただちに違法とは言えない」と違法性を阻却してきました。

●暴排という大義名分

●暴排を維持するための職業あっせんという大義名分

●仲買排除という大義名分


この3つの大義名分をもって、ぱちんこは「特殊景品」というものを認め、いわゆる「換金行為」を許してきました。


歴史背景やその商業規模があって、「ぱちんこ」は大衆娯楽として認められてきました。
別におべっかを使うわけではないですが、それを認めてもらうために「メーカー」も「ホール」も、この場合においては「行政」だって、闘って「くれた」わけです。
ぱちんこを商業として認めるために。

もちろん、そこにはわたしのように業界の末端にぶら下がっている位では知りえないようなドロドロした話もあったはずです。
それでも、後ろ黒い「換金行為」から業界を守るためにこういう過程を踏んで、今に至るわけです。


では、今はどうでしょうか?
現代のあり方に、業界はついていけているのでしょうか?

答えは「否」でしょう。
当サイトでスロッターズアンケートをやったとしても、大多数の支持を受けて「否」でしょう。

ついていけていれば、ここまでの遊技人口減少に至っていないはずです。

娯楽というものは、時代によって変わるものです。
でも、業界はなんでもかんでも「あの時は良かった」でのど元を過ぎた熱さを忘れ、同じことを繰り返してきたのです。

その考え自体をどうにかするべきなんじゃないかと思うわけです。


某メーカーの方がこんなことを言っていました。
「結局、まだどんぶり勘定感覚が抜けてない」って。

これだけのホールの設備が充実していても、一部のホールもメーカーもそれに携わる業者も、このままでは遠くない落日に目をそむけるだけのような気がします。

なので、一旦「前例を忘れる」べき時に来ているのだと思います。
もちろん、昔のすべてを否定しろ!と言っているのではなく、今よりもっときな臭い時代に商業としてのぱちんこをありものにするために尽力してくれた人たちの「心意気」みたいなものは認めながら、今のままの「三店方式」から脱却するべきだと思います。

だって、やっぱりいびつですもの。
ホールの店員さんが交換所を教えてあげられないって。

そういう細かいところを乗り越えるためなら「ぱちんこ税」はわたしは大いにありだと思います。
ただの感情論で「たくさんとれ!」とかはなしで。

「一時の娯楽」で得た「あぶく銭」だもの。
そのとられた税金が「オリンピック競技場」の柱の一部になっている「かもしれない」って思ったら、それは悪いことじゃないと思います。

っと、アツくなってしまいました。

私は業界で働いているとは言っても、今のままでは「どうにかなっちゃう」業界だと思っています。
メーカーの方も、そこはわたしなんかよりも肌で感じていると思います。

だから、変わることを恐れない方法を、道を作らないといけないと思います。

メーカーだけを紐解けば、団体が一枚岩になったことはありません。
ホールをみても、一丸となって戦っているという話は聞いたことがありません。

遊技人口が1000万人を切ったことでもし「変われる」なら、それはようやくの第一歩のような気がします。

今こそすべての団体が、自分の団体の利益だけではなく、「業界」の利益を考えるタイミングだと思います。


ちなみにですが。
この記事は以前いただいたコメントで、

「わかってるじゃん、太りすぎたって。だったらダイエットだろ?このまま死ぬよりましじゃね?」

とご指摘いただいたことに触発されたものです。

正直すごいなって思いました。
言い得て妙だと。

確かにそうなんです。

ただし、ただ脂肪を減らして痩せたと勘違いしたら、またリバウンドしますからね。
そうならないために、しっかりした筋肉をつけないと。

その筋肉の一部は・・・。

そうです。
「まっとう」なエンドユーザーの皆様です。

お時間です。
ご拝読ありがとうございました。



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