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【回胴小噺_楽屋裏】 第3回



50音から機種を検索


ショールームにて「バガナックルー」の設定6を試打してきました

3回目、楽屋裏の方向性を色々探り、暗中模索。
春川亭三七でございます。

どういうテーマでこの連載を続けていくかというのは、なかなかに難しいものですな。
特にこういうテーマは、「自分」みたいな感じ。
嫌いではないですが、得意ではないのですな。
徒然なるままに自分で起こしたことを自分で伝えるっていう・・・。

適当に盛れるだけ盛ってモリモリツユだくでお伝えできればいいのですが、それはそれでどうなのよ?って。
モラルの問題としてね。

なので、今後も安定しない連載構成になるかと思いますが、どうぞご贔屓に。


さて。
本日の落語の演目解説は・・・。

と行きたいところですが、今日は早々に本題に参りましょう。

すでに、ケンくんの記事をご覧になった方はご存知かと思いますが、立ち回り講座の方で「大都技研」様の新台紹介をさせていただくことになりましたので、設定1&6を試打させていただいたのですな。

本日は、その模様を紹介させていただこうと思います。
わたしなりの見方でお伝えしていこうと思います。



まずはじめに

今回、試打の方に赴かせていただいたのは、わたくし「三七」と「ケン-スティーブン」の二人である。

ともに持ち味の違う連載を持つ身。
その記事の方向性が同じでは面白くもなかろう。

ということで、わたしの方では、特に細かい解析の数値についてはあえて避けて展開させていただこうと思う。
試打にて感じた「バガナックルー」というものの可能性をお伝えしたい。

というわけで、こたびもほとんど写真の掲載がない旨、ご容赦いただきたい。
写真や実践等の画像はケンくんの方を参照していただけると大変ありがたい。

ほとんど写真がないとはいうものの、基本情報はできればおさらいしていただければと思う。
そして、台の挙動、演出等の詳報はケンくんの記事を読んでいただければ幸いだ。

バガナックルー解析情報

レバーで綴る夢日記 - バガナックルー設定1試打



リール配列の妙

基本的にわたしの記事では、リール配列をわかっていてくれればOKだ。
そのリール配列がこちら。


バガナックルー リール配列


特段、「なまめかしい」出目はない。
どこを狙っても一確にはならないのだ。
出目だけでは。

例えば、左リールのボーナス回りを狙ってもそれだけでアツい出目になりにくい。

というのが、このリール。
20コマである。

軽く、20コマの「くせに」出目を秀逸にしていることの凄さの説明を入れておく。


20コマであれば、実は通常時の技術介入性は著しく下がる。
よほどのややこしい配列にしない限り、小役の取りこぼしは起きにくい。
規制の関係から、最大4コマしか滑れないのであれば、5個中1個は同じ絵柄を入れることにすればそれで取りこぼしはなくなる。

しかしデメリットとして、「同じような出目」になりやすいということがある。

なので、得てしてノーマルタイプは通例の「21コマ」にしていることが多い。
出目が最大のご褒美=ボーナスにつながる可能性のあるノーマルタイプは、同様な出目であることを防ぐよう21コマで成立するゲーム性にしているのだ。

では、「バガナックルー」に関してはどうか?

20コマではあるし、作りはノーマルっぽい。
が、その実、この機種はATタイプである。
なので、ベルの取りこぼし目が出目の単調性を防いでいるし、かつベルをどの第一停止から狙うかを考えるだけで、出目を純粋に楽しめる仕様になっている。

そう、この20コマが実にこの機種のゲーム性をアツくしている。

左リールはチェリーさえフォローすればいいし、右リールはスイカがこぼれるような配列にはなっていない。
純粋一確を生まないゲーム性になっている。

演出込みで考えればそれが「一確」になることもあるが、総じてそれを起きにくくさせているのが、「20コマ」なのである。
とにかく、3つリールをとめた時に、「アーーーーッッ!」って言わせるゲーム性が実になまめかしい。


リールのお話はこんなところだ。

実際問題、リールの良さは最近の5.5号機の中では個人的には秀逸な出来だと思う。

20コマにすることで、リール停止で「結果」を引っ張る。
かつ、「どこからとめてやろうか・・・」と打ち手に「選択」を与えるのだ。

リールを一コマ減らすだけで、そこまでの演出に昇華させたのである。
実に大したものだ。

上から発言で甚だ僭越ではあるが…。



液晶演出の妙

では、演出面はどうであろう。

これが、ほぼ動かない。
基本的には、


バガナックルー


こうしているだけである。
ボーナス終了後にちょっとアクティブになるくらいだ。


ただし、まったく演出がないわけでもない。
ふっと気が向いたら、木をサンドバッグ代わりに叩き、時には大きなカットインから派手目な演出が起きる。

昨今のAT機のゲーム性を鑑みれば、アテにならないとお思いになる読者も多いことだろう。
どうせ、派手な演出でスイカだとかチェリーが落ちるだけなのだろうと。

否、バガナックルーに関していえば、そうではない。
大きな演出が起きた時は、実際なにかコトが起きている・・・ことが多い。
体感だが。

リールの項でも書かせていただいたが、基本的には「3つ」リールをとめた時の違和感。
ここに集約されているのが、バガナックルーである。

なので、液晶演出に依存しない。

いや、依存しないわけではない。
演出と出目のバランスがいいのだ。

後のゲーム性の項でまた紹介させていただくが、とかく演出と出目が良い形で相互に依存しあっている。
さしずめ落語の演目「芝浜」に出てくる夫婦くらいに、お互いがお互いを必要としているようにできているのだ。
この演出バランスが個人的にはツボだ。

何も起きないわけではないが、何かが起きた時はなにかきちんと意味がある。
なにも起きない時にも、それなりに意味があるあたりがもうたまらんのだ。
打ち手のこちらとしては、「ワクワク」と「モヤモヤ」の繰り返しなのだ。

この辺はゲーム性を理解していただかないとわからない。
というわけで、ゲーム性の紹介に移ろう。



ゲーム性の妙

先程の画像の右側あたりにある、たき火。


バガナックルー


この火を大きくしていくのが主なゲーム性になっている。

どのように大きくしていくかというと、仕組みは簡単。
基本的に高確率で発生しているベルの押し順を当てていけばいいのである。

ベルを獲得するたびに内部的に「1〜100」ポイントの獲得抽選を行っており、このポイントが100ポイントに到達すれば、ボーナス放出に至る。


このたき火の火。
意外とバカにならない。

本当に小さいときは今にも消えそうな火になってしまう。
「この程度の火じゃ暖かくないだろうによく寝てられるなぁ」と思うくらい、今にも消え入りそうな火になってしまう。

だが、押し順ベルを獲得するたびにその火はみるみる大きくなる。
そして、その火は押し順ベルの押し順ミスで小さくなっていく。

この大きくなったり小さくなったりが、ワクワクとモヤモヤの連続を生んでいる。

当機はAT機なので、基本的に毎ゲームと言っていいくらい高確率で押し順ベルが成立している。
当たり前だが、通常時はそのベルにナビはない。

なので、純粋に押し順が当たればボーナスに近くなるし、はずれれば遠くなる。

ただし、その押し順ベルが「無演出」の時だけだ。

■押し順ベル成立 → 演出発生 → 押し順ミス

となれば、その時はポイントの減算はされないのだ。

あくまで、

■押し順ベル成立 → 演出非発生 → 押し順ミス

の時にだけ、獲得ポイントの減算をしている。

なので、それなりに大きな火になったときには演出が発生するだけで「安心」できるのだ。
その代わり、それなりに大きいときに演出非発生だった時の絶望感たるや・・・。

たかがベル、されどベル、を体感できる仕様となっている。


そして、火が大きいときにそれなりに強い演出が発生すると、リーチ目降臨。
こんなことが起きると、今までのモヤモヤが一気にワクワクと安堵に昇華するのである。
総じて、「気持ちがいい」のだ。
この機種の通常時は。

そしてなにより、レア役と言われるスイカやチェリーに依存しないのがいい。
基本的に毎ゲーム抽選しているようなものだ。
つまり、AT機でありながら、そのゲーム性は実にノーマルタイプ然としている。

5.5号機になり、AT機などはベースは上がったものの、レア役の落ちにくさがそのゲーム性の足かせとなっていた感がある状況下で、バガナックルーのゲーム性は実に「異端」であるように感じた。

実に大都らしいと思わせるゲーム性だった。



大都の異端性の表れ

さて。
いかがだっただろうか?
バガナックルーの紹介記事。

「え?ボーナス中は?」と思った読者諸兄の皆様。
それは是非、ケンくんの記事を参照いただくか、ご自身で体感いただきたい。

とにかく、既存のATやノーマルとは違ういい意味で「突き放した」機種が生まれたと言って過言ではないだろう。


残念な点がないわけではない。

リーチ目降臨と同時にリールが上下に揺れてしまう(=疑似遊技突入)というのは、規制ありきとはいえ何とも残念だと言わざるを得ないが、「そうなればボーナスなのだ」ということを考えれば、「万人向け」と言えるだろう。

その辺に賛否両論生まれるかとは思うが、それでも現状の規制の中でこういう機種を生み出したのは大都の異端性の表れだ。
特にこの機種の異端性の表れとしては、ホールもその扱い方がわかりにくい点だろう。

大都の広報の方に聞いたところ、残念ながらこの機種「売れていない」。
個人的にはこういう異端性のある機種は、評価のテーブルに乗れる位(10,000台前後)は売れてほしかったところだが、言っても仕方がない。

なかなかホールでお目にかかることはないかもしれないが、是非一度打っていただきたいと思う。

最後に、お薦めの向き合い方を記しておこう。



三七的バガナックルーとの向き合い方

AT機と同じような付き合い方をしていては辛いだろう。

遊び方としてはノーマルタイプに近い。
いつ始めてもいいし、いつやめてもいい。

となれば、「ベルを何回引くまで!」や「○○円まで!」と決めて、付き合うのがいいだろう。


先程も書いたが、残念ながら「売れていない」機種であれば、設定が期待できないのは自明の理だ。

だからと言って、完全に設定に依存する設計にもなっていない。
これに関しては体感済みだ。

こたびの試打にて我々「立ち回り講座」は、「設定1」と「設定6」を打たせていただいた。
その時に実際に体感したのである。
「もう、こうなったら1も6も関係ないな」という状況を。

「設定がわかりにくい」という意味では、万人向けではないが、「どこからでも打てる」という意味でいえば、万人向けだ。
なので、「エンペラータイムの今だからこそ打とう!」でもいいし、「引き負けだからこそ、出玉に設定差のない機種を打とう!」でもいい。
「3千円でベル○回引けたら、継続。それ以外ならヤメ」でもいい。

とにかく、ルールを決めて打つにはもってこいの機種だ。

「設定1」で爆出ししてもいいだろう、この機種なら。
なぜなら、その時あなたは6択の神に愛されたのだから。

「設定6」でタコ負けしても、それはあなたのせいじゃない。
その日の6択はたまたまあなたの逆目が出ただけだ。

自分がツモったか否かとか、そういうのはどうでもいい。
「勝てば自分のおかげ」「負ければ、台のせい」

こうでもしないと、この手のタイプの台は付き合い続けにくい。
負けた時に原因を考え出すとモヤモヤして仕方がないのだ。

「あの時、中押ししていれば」とか。
「あの時、順はさみで打っとけば・・・」とか。
「パネル消灯したのに、ビタ押し失敗した」とか。(←試打時の私だ)

この辺はもう、自分のせいじゃない。
台が、悪い。

でも、出せた時はあなたのパチスロセンスが正しい。

それでいい。
それが一番この台との健全な向き合い方だ。

モヤモヤだけ残して、おうちに帰ってごらんなさい・・・。

夜っぴて、ゆっくり眠れんわい。


さて。
お時間です。
お目汚し、失礼いたしました。



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