[3]ゴッドイーター導入から考える、ユニバーサル VS 山佐の歴史 [2015/5/11(月)] |
そして、この仲介役を買って出たのが、
サミーの里見会長です。
岡田会長が若かった時は、里見会長とともに仕事をしていたわけですから、旧知の仲です。
なので、どうにか脱退の気持ちを翻意させようと仲介役を買って出たわけです。
しかし、これも上手くいかず…。
というか、上手くいくはずがないのですよ、話を聞いてみると。
そもそも里見会長にしても、当時ユニバーサルに抜けられるのは痛かったわけです。
特許料が発生してしまうのですから。
なので、仲介役とはいってもどうしても佐野さん寄り。
感情的にゴリゴリ押されれば押されるほど、逆に進みたくなるのが心理というもの。
しかも構図は2対1。
結局、前段方式は日電協特許として使用可能にはなったものの、ユニバーサルは脱退し、特許料を支払わなくてはならない結果になりました。
里見会長も困ったには困ったでしょうが、何より腹の虫がおさまらなかったのが山佐・佐野会長。
その後、「ユニバーサルと付き合いのある会社とは取引しない」となり、山佐は地元企業とのつながりを強くし、現在のユニバーサルやサミーほどの大企業ではないものの、業界において老舗のトップブランドを確立していくこととなりました。
余談になりますが…。
上記の裏付けとしてこんなお話をご紹介。
ユニバーサルと付き合いのある営業さんから聞いた話で、5年前位に山佐に営業に行ったのだそうです。
「うち、ユニバーサルと付き合いありますけど大丈夫ですか?」と聞いたところ・・・
山佐の方から、
「あぁ。 『もう』大丈夫ですよ。 会長が好きじゃないだけですから。」
と言われたそうです。
「大丈夫ですか?」という質問自体、軽い気持ちで聞いたそうですが、しっかり『もう』と言われたので、「時期が早かったら突っ返されたのではないか」とちょっとビビったそうです。
話を元に戻しますが…。
色々な方から話を聞いてみて思ったのは、この脱退騒動に関して言えば、個人的には岡田会長に分があるのではないかと思っています。
当時ユニバーサルは、国内のパチスロ産業だけではなく海外カジノにも進出していました。
カジノ機はもちろんのこと、運営等も含めて。
そして、日本よりももっと特許や権利に関して厳しいアメリカで、特許の扱いの難しさを目の当たりにしていたようです。
実際、裁判になり負けたなんてこともあったようですし。
特許や開発というのは、製造メーカーにとっては「頭脳」のようなもの。
その頭脳を守り、結果、会社を守る手段として脱退を選んだのならば、それは責められることではないと思います。
もちろん佐野会長にしても、前段方式を共有することによって業界発展に寄与することを思っての行動だとは思うのですが、「発明」というものの権利が発明者に帰属するのであれば、この騒動に関しては分が悪いのではないかと思っています。
その後山佐は、ニューパルサーシリーズで業界を席巻し、ユニバーサルもさすがの開発力で出す台出す台市場人気を獲得してきました。
業界規模の拡大とともに「金持ち喧嘩せず」で、お互い特にぶつかるようなこともなくなってきましたが、その後も細かいもやもやは何度かありました。
ユニバーサルが出した「リーチ目発見スロがっぱ」という台。
これがなんとも・・・。
「かっぱがカエルを食べたら大当たり」なんて演出があるものだから、山佐さんの逆鱗に触れるわけですよ。
しかも、この機種のリーチ目もパルサーシリーズのそれとほぼ一緒なわけですから。
気分が悪くなるのもうなずけます。
その後も、「鬼の城」という台はモチーフが桃太郎ですから。
「まーたお台場(ユニバ)が岡山(山佐)にちょっかい出している」っていうような小さい騒動もあったわけです。
岡山と言えば桃太郎ですからね。
こうやって書いてみると、大ごと以外はほぼユニバーサルから火をつけていますね。
しかし、今回の「ゴッドイーター」の販売に関しては山佐から火をつけてきました。
納入日しかり、タイトルしかり。
ゴッド(GOD)をイーター(喰う)と…。
販売計画台数で言えば、ユニバーサルの圧勝。
●ミリオンゴッド〜神々の凱旋〜 : 8万台
●ゴッドイーター : 3万台
市場評価については、ゴッドイーターがまだ稼働前ですので置いておいたとしても、GOD凱旋に関して言えば、正直「何しに帰ってきやがった?」って印象。
夏のお盆前商戦に向けて5万台増産なんて計画も見え隠れしていたのですが、稼働状況がアレだもんで、それも白紙に。
さらに追い打ちをかけるように、ユニバーサル製のサンドを導入したホールでシステムエラーが起きて臨時休業させられるといったことも起きたもので、現状ユニバーサルへの風向きは厳しい。
正直、そんなGOD凱旋 VS ゴッドイーターを気にしている余裕はないのかもしれない。
ただし、ユニバーサルはGODじゃないところが優勢。
「沖ドキ」は相変わらずの高稼働で中古機も高値安定だし、「HANABI」も「どう考えても1でしょ?」っていう台でもフル稼働御礼。
中古機価格も「沖ドキ」同様高値が止まらない。
正直GODとHANABIの計画台数逆にした方が良かったのではないかと思うくらいHANABIが順調ですね。
なので、今回のGOD凱旋 VS ゴッドイーターだけで言えば、やや山佐優勢かなと思います。
珍しく業界の優等生がキバをむいてきたわけですから。
導入・稼働評価を楽しみに致しましょう。
ちなみに、文字通り筐体の液晶のところにキバ的なものがついていますよ。
これも、ハード的なものの考え方だとよくできています。
個人的には筐体の見た目は大好きです。
さて、こんなところでしょうか・・・。
っと。
締めに入ろうと思ったのですが、山佐の次機種が
「押し順ケロルン」でしたね。
これね・・・。
知っている人も多いかと思いますが・・・。
ほぼ「沖ドキ」です。
ユニバーサルの方は6月から「沖ドキ」の増産も決まっていますし、夏には「沖ドキ」VS「ケロルン」ですか・・・。
ただの「喧嘩するほど仲がいい」じゃねーか!
といったところでお時間です。
ご拝読ありがとうございました。
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