[3]アリストクラートの解散と、今後のスパイキー [2015/4/27(月)] |
今回の解散に、何か裏がありそうかと問われると・・・。
とくにはないと思います。
前述のとおり、「日本法人」として持っておくメリットがないだけでしょう。
しかし、解散とはいっても開発において距離を置くというだけで、市場での対応のためにアリストクラート/スパイキー自体は残ります。
日電協からの脱退もしないはず。
そうなると逆に、「残る」こと自体になにか裏がありそうな匂いがします。
あくまで推測記事になりますが、この度の「解散」という判断に至ったのは、おそらくは
日本の「カジノ法案」の進みの遅さに業を煮やした格好かと思います。
日本にて、もしカジノ法案が通り国内カジノというものが誕生することになるならば、その運営において一日の長があるのは「コナミ」「ユニバーサル」「アリストクラート」です。
しかし、カジノ法案の国会審議は遅々として進まない。
「もういいや。一旦距離を置こう」と判断したのではないでしょうか?
ただし、もしカジノというものが日本で生まれることになれば、その時は動きたいわけです。
だから、法人は残す。
また新たに参入するとなれば、遅れをとりますからね、コナミやユニバーサルから。
なので、今回は解散とはいえ、「企業縮小」傾向が強い解散と言えるでしょう。
しかし縮小して残したところで、このままカジノ法案がどうにもならなかったら、現役稼働中の機種の設置期限が切れた時点で自然消滅的にアリストクラートは日本から完全に「撤退」することになるはずです。
前回のマルホン・奥村。
そして、今回のアリストの騒動から見ると、やはり現在の業界においてのバランス感覚がおかしいのだと思います。
パワーバランス的に行政の立場は置いておいたとしても、
メーカーのあり方が異常に強すぎるのがまずいのでしょう。
業界を大きく見れば、「打ち手」がエンドユーザーでしょうが、メーカーからしたらエンドユーザーは「ホール」になるわけです。
本来なら、エンドユーザーが購入するために「本当に買うに値するものかどうか」を吟味してしかるべきなのです。
しかし、現状のいびつなパワーバランスではそうできないのでしょう。
3月にお台場の東京ビッグサイトにて、パチンコ・パチスロイノベーションフェアというものがありまして、メーカーやホール関係者・識者が、講演やパネルディスカッションをしているときに、某メーカーの開発者がこんなことを言っていました。
「現状のパチンコ・パチスロというのは、セミみたいなものだ。 長い年月を費やして開発し、ようやく販売にこぎつけても、市場に出たらすぐに死んでしまう。 メーカーとして目指すべきなのは、クワガタ位生きられる台。 だけど、メーカーとしてだけではなく、業界全体の働きかけで、せめてカブトムシ位は生きられるようにならないといけない」と。
メーカーにとってのエンドユーザーであるホール。
ホールにとってのエンドユーザーであるお客さんという打ち手。
どの立場のエンドユーザーにとっても、「セミ」でいいやという雰囲気になっているのではないでしょうか?
だから、メーカーも存続を諦めてしまうのではないかと思います。
販売手法や購入した台の運用などを再考するべきところにきています。
そのためには、7号業界でまかり通ってしまっているおかしな常識を世間に知ってもらい、「え?それっておかしくない?」と、批判ではなくて提案してもらえるようになればいいと思います。
「7号変わっているから…。」とあきらめないでもらえるよう、業界の恥部も含めて、今後も業界ネタをお伝えできればと改めて決意表明したところでお時間です。
ご拝読ありがとうございました。
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