[3]見えてきたジーグの業界的役割。回胴界の救世主となりうるか? [2016/12/12(月)] |
【共通筐体と意匠変更の容易さを目指して】
回胴の筐体というのは、ぱちんこのそれのように「盤面変更」というのが無理なものになっている。
枠ではなく、箱そのものに様々なメカや基板が取り付けられているからだ。
だからこそ、パチスロ自体は登場当初からぱちんこに比べて販売価格そのものが高値であった。
今と大きく変わりはなかったように記憶している。
それを安価にする方法があるとすれば、大量生産と大量消費を可能にする生産能力と供給能力の確保だ。
ジーグは、サミーとユニバーサルの良いところを掛け合わせ、その能力を倍以上にするのだろうと思われたが、その矛先は自社向けの調達能力のみにあらず、他社向けへの販売も考慮していたのである。
要は、ジーグとしての汎用筐体の開発だ。
ちなみにジーグはメーカーではないため、ジーグとしてホールに登場することはない。
ジーグとして開発した筐体を、他社向けに意匠変更を容易にしてオリジナル性を持たせることを狙いとしている。
平和・オリンピアやユニバーサルのウィザード筐体(アステカ・太陽)のように、フロントドアが2枚構成になっていると考えていただければ想像しやすいだろうか。
箱の中のもの、電源やホッパー、メイン基板やサブ基板に至るまでの共通性の高いもの。そして、リールやフロントドアの腰部の部分。
それらに共通性を持たせて大量生産を可能にする。
そして、上部の部分。
液晶周りの電飾系や役物などは、状況に応じてオリジナルのものを作り、そこへ組み込みの最低限の取り決めさえしてしまえば、いかようにも意匠変更ができるような筐体の開発に取り組んでいるようだ。
そして、その筐体の使用先は、タッグを組んだユニバーサルとサミーだけではなく、回胴の開発力が乏しい他メーカーへの売り込みに使われるわけだ。
こうなれば、ジーグとしては汎用品に関しては大量購入によるコストダウンが可能になるし、購入する側の他メーカーも自身での開発力はフロントドア上部の意匠デザイン及び出玉設計に注力できるのである。
どこにとっても悪くない話のように映るし、今後こういう大量生産性が生まれてくれば、新規参入メーカーも出てきやすい環境ができるかもしれない。
ただ、現時点ではジーグという会社自体にネームバリューがないため、まずはジーグが商流の主となる資金力とブランド力をつける必要は出てくる。
しかし、それはユニバとサミーという業界においての2トップのタッグであれば、時間の問題で解決できるであろう。
これらの話は、現時点で見えてきたジーグの「可能性」の話ではある。
しかし、今の閉塞感のある業界環境を考えると、こういう前向きな話が出てくるのは大歓迎だ。
今後その動きが活発になってくれば、ジーグという名前を目にする機会は増えてくるであろう。
来年の今頃には、おそらくその名前が業界に飛び交ってくる可能性は想像に難くない。
そして再来年くらいには、下手したら市場をジーグの筐体が席巻している可能性すらある。
その結果として、業界が活性化していることを夢見て、この稿を終わりとしよう。
【終わりに】
まだまだ、海のものとも山のものとも思っていなかった「ジーグ」ですが、その存在が畳の目ひとつずつ、明らかになってきました。
本編にも書いたように、いまだネームバリューには乏しいですが、その存在にネームバリューがついてきたら・・・その時には・・・。
私の愛する機種が「鼓膜殺し」なんて言われることがなくなるかもしれません。
なんにせよ、ジーグの存在が救世主になる可能性があるかもということを夢見たところでお時間です。
お目通しありがとうございました。
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