[3]ぱちんこの問題に隠れていた回胴の行方 [2016/3/21(月)] |
【メーカー組合の狙いはどこに?】
この2つの規制は、「警察庁」が法律を変えて「ARTの設定差禁止だから!」と言われたわけではありません。
あくまで自主規制です。
メーカー自らが「今後の開発においてはこういう風にしていきます」と線を引いてきたわけです。
ということは、メーカーは乗り越えられると判断したわけです。
で、あれば、メーカーはそのハードル超えてくるだろうと前向きにとらえられます。
5.5号機になり、天井到達時の期待枚数の大きさを抑えた機種が出てきて、さらに言えば天井そのものがない機種が出てきましたね。
それは結局何のためにやっていることかと言えば、「射幸性の抑制」に他ならないわけです。
そして、その「射幸性の抑制」の一環としての対策が、前述の2つの規制なわけです。
射幸性を抑えながら、博打ではなく遊技性を保たせなくてはいけません。
ぱちんこではなく、パチスロである必要性をどこに持たせるか?
そのために、なんとなく自身でムチを打ち警察庁からアメを頂戴しようとしているのではないだろうかと推測できます。
あくまで予想ですけど。
というのが、これによってなんとかなる気がするのですよ。
「一撃3,000枚規制」というものが。
となると、あえて、新たな技術や出玉的な規制をかけずに3000枚に線を引ける。
新たに「3,000枚出たらこうこうこういう規制をつけます」ということをしなくて良くなるのではないでしょうか?
風営法規制の中で線を引く必要が出てきてしまうと、自主規制どころではなく、開発のスピードは落ちます。
下手したら、新技術や新しい機械や基板を入れる必要が出てきてしまうかもしれません。
そうすると、昨年のように淘汰されるメーカーが出てくる可能性も出てきます。
本来、自主規制は怒られないためのものではなく、射幸性抑制やエンドユーザーのためのものでなくてはならないわけで、その結果がメーカーの発展につながるならば、それに越したことはありません。
なので、この二つの規制はメーカー組合にとっては大きな「アメ」になる可能性を秘めているかもしれないなぁと思うのは大言壮語でしょうか?
いや、もう言い切ってしまいましょう。
今回の自主規制は「パチスロ機発展へのアメ」だと。
【結論 : 前向きに捉えたい】
4号機〜5号機に至るまでにたくさんの変化が起きているわけです。
わたしが知らないもっと前の時代から考えたら、5号機なんてすごいものなんじゃないでしょうか?
出玉とかそういう意味ではなく、ゲーム性やそのエンタメ性みたいなものは。
ということはですよ?
きっとなんとかするのではないでしょうか?
メーカーサイドは。
5.5号機になった直後も、
「今後はおそらく10万台も売れる機械を作ろうとしない方がいい気がする。 2〜3万台売れる機種をコンスタントに出せる開発力を持つ必要がある。」
と、某メーカー開発の方に言われました。
正直、説得力のある数字なのですよ、これ。
現状、ホール総数が約10,000店舗だとすると、10万台売れる機種って、全店舗が10台ずつ導入する必要があるわけですよね、平均すると。
で、この10,000店舗がすべて大型店ではなく、中小店舗だってあるわけで、10台も買う必要がないホールも存在します。
ということは、現実問題のラインとして1機種で「10万台」という目標よりは「2万〜3万、ないしは上に振れて5万くらい」というのが、数字としては生々しい気がしています。
そこにたどり着くための規制が前述の二つなのだろうと。
どのホールも「5台はいらないけど、3台なら買うわ」と言われるような台を、そして、色々なメーカーの色々な台を打てる環境を作ってもらえるように、前向きに捉えていきたいと思います。
それが結果として、業界の発展につながるような気がしています。
まだ、発展の余地がある業界ならまだまだ捨てたものではないなと思います。
のめり込み問題や「明確に」良しとはされていない3店方式の問題もありますが、とにかく一つの大きな射幸性というものの線引きを一旦ここで引けるのであれば、それは業界進化の一歩であると評したいと思います。
といったところでお時間です。
お目通しありがとうございました。
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