[2]釘問題のゆくえの回答 [2015/11/29(日)] |
【メーカーはどう作るべきか?】
メーカーの至上命題としては、「型式申請適合台」と「市場納品状態」の同一性の担保になるでしょう。
釘の性能が悪いのはもちろんの事、いいものを悪い状態にして納品するのもダメなわけです。
機構の調査で「一般入賞口に20分で1個も入らない」状態の釘があまりにひどいとされ、それが改善されてきた結果を受けて、日工組としては釘の状態に対してある種の基準を設けました。
それが、
1.「申請用ゲージ」で過度な釘曲げをしないという事
2.「BYmini3未満」にしないという事
になります。
「1.」については読んだまんまです。
しかし「2.」については、わたしも調べたり聞いてみたりしたのですが、うまく説明できる言葉が見つからないので、自分がつかんでいるイメージをざっくりお伝えしておきます。
パチスロで言えば、「小役をカットするな!」みたいなことかと・・・。
そして聞いている限りですと、「2.」についてはほぼほぼメーカー側は上手に作り出しています。
性能乖離の責任を日工組が認めていますからね。
そこに所属するメーカーとしては、対応するのが常。
そして、言っても日工組は問題点の芽を摘むのが早い部類のグループですから、そら早い段階で対応するでしょう。
「1.」についても、日工組内で「ベースが30以上で申請時ゲージと市場ゲージの乖離が30%以内」と申し合わせているので、申請用ゲージで納品して問題は起きないと考えていいでしょう。
ある意味、「釘は盤面に対しておおむね垂直」の『おおむね』の部分に答えを出した格好になります。
そして、この申し合わせ通りにしていれば、「問題にならない」と線を引いてきたわけですから、ベースやゲージの乖離幅の部分をホールは気をつけなくてはいけなくなります。
【ホールはどう扱うべきか?】
上述のように、メーカーの申し合わせとしてある一定の答えを出してきたわけですから、ホールとしてはその申し合わせ通りに設置できているかどうかが肝になります。
「ベース30以上」と謳っているのは、「30あればいい」という事ではないので、例えば、ベース50で適合した台を30まで下げていいという事ではありません。
乖離幅が30%を超えてしまいますから。
そして、もしそんな台が見つかったとしたら、それは完全にホールの「無承認変更」を追及されることになるでしょう。
「釘をたたく」という行為に「メンテナンス」以上の事をしてはいけなくなるわけです。
盤面が板やアクリルであり、無作為に玉が釘をたたくのであれば、当たり前ですが、釘は曲がります。
なので、今後もメンテナンスは必要に迫られるはずです。
その時に「ベースを知らなかった」では済まされないことになってしまいます、機構の市場調査によって。
機構の調査結果は、納品状態の指摘だけではなく、設置されてからの状態の指摘もあったわけですから、機構としては「メーカーもホールも悪い」なわけです。
そして調査は続行中で、行政通報は「中止」ではなく「保留」ですから、ホールにも正しい運用のノウハウを理解しておく必要があるわけです。
【で、エンドユーザーはまだ遊べるの?】
業界として、エンドユーザーの存在を忘れるべきではありません。
こういう規制が起きて、エンドユーザーに得はあるのかという事ですが、付き合い方、向き合い方一つではないでしょうか?
これは、パチスロのメイン基板移行の時にも思ったことですが。
今回のメイン基板移行は、私個人の考えは、導入当初は「長時間ユーザー優遇だな」と思いました。
しかし、結果としてノーマルタイプの開発も進んでいると聞きます。
個人的には、岡崎産業の「スペシャルジャックポット」(アクロスとの提携ではない)は本当に面白いと思いました。
人によってはかったるいと思うかもですが、個人的には大ありです。
叩きどころがはっきりしているのでね。
話がそれましたが、ぱちんこも同じことだと思います。
大きなゲーム性が変わるわけではありませんから。
今後も面白いと思う機械は出てくるはずです。
【結論として】
これまでの警察庁・保安課というところの指導はどこか単一的で、「ぱちんこ売れすぎだから日工組をいじめよう」とか、「回胴が調子乗っているからシメてやろう」みたいな、どこかパフォーマンスめいたところがありました。
あとは利権絡みとかね。
CRユニットが生まれた経緯の時みたいな。
まぁ、どれにしても「僕たちちゃんとやっていますよ!」感が露見していたように見えます。
だから、メーカーもホールも甘えられるところは甘えて、「規制の網の目」を通り抜けてこられました。
しかし、今回の保安課の講話の結果、保安課にだって影響が及ぶ可能性すらあります。
業界がぶっ飛ぶ可能性あったわけですから。
そして、業界が無くなったら、風営法自体大きく変わる必要に迫られてしまいます。
その結果として、他の風俗営業の「建て前」まで瓦解しかねません。
今回の説明会で、警察庁はかなり上手い具合に「落としどころ」を作ってきました。
いわば、退路もないし、抜け道もありません。
あるとしたら、「開き直り」くらい?
でも、そうしたらお終いなのでね。
そうならないように、今後も業界を見守っていただけたらと思います。
それでは、お時間です。
お目通しありがとうございました。
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