[4]タイヨーエレック解散の噂の真偽について [2015/8/31(月)] |
【サミー本体としての苦悩】
今期(4月以降)に入ってから、サミーのブランドにて出されたものはぱちんこの小ロットタイトルのみで、パチスロに関しては1タイトルも出せていません。
申請ありきの事業ゆえ、計画通りに進まないのはいかんともしがたいことですが、それが故の開発事業集約です。
サミーは言わずもがな、業界においてはトップグループに属する上場企業。
なので、赤字計上のまま「北斗をリリースするから上期(4月〜9月)は大丈夫でしょ?」と言えない。
数字をあげるために「何か」を改善する方向に向かわないといけないわけです。
そうなると、「不採算事業」を縮小し、集約する方向に持っていかなくてはならない。
昨年度「セガ」の縮小を発表した以上、他のグループに対しての示しをつける意味でもこうした忸怩たる思いを抱えて、グループ解体に向かう必要があったと。
そして、なんとも皮肉なことですが、この解散報道直前にエレック製番がいくつか検定通過を受けることになりました。
●ぱちんこ「ペルソナ4」
●パチスロ「龍が如くof the end」
●パチスロ「銀と金」
他にもガメラの甘デジなど、スペック替えのエレック名義のものがいくつか販売を予定されています。
そして、その結果として「希望退職者」に対してある程度の「早期退職手当」を出せることになりました。
ここが、「マルホンや奥村」とは決定的に違うところです。
どうにもならなくなってからどうにかするのではなく、最低限できることをやれる状況での決断。
せめてもの上場企業としての努力を見せたのではないでしょうか?
このようなことから、解体→集約に向かう運びとなってしまいました。
今後の開発においては名古屋→池袋、製造においては瀬戸工場→川越工場となるようです。
なので、今後は製番の違いは申請の合否に依存するのではないでしょうか?
これまでの「サミーの別ブランドとしてのタイヨーエレック」の色はなくなってしまうのだろうなぁと思うと物悲しくもなります…。
【縮小傾向の業界の未来は?】
タイヨーエレックの解体騒動と時を同じくして、
「SNKプレイモア」も中国のソフト開発会社に買収されました。
ゲームのソフト企業に買収されたという事は・・・。
おそらく「SNK」もパチスロ事業からは遅かれ早かれ撤退するでしょう。
回顧主義に依存していては進歩はないかとは思いますが、4号機初頭からパチスロを打ち始めた私ですらさみしく思う状況は、もっと前から知っている人からしたら、より一層の哀愁を感じるのではないでしょうか?
これまで行政は、「メーカー」に対して「遊技機」としての性能に関しての規制を強めてきました。
何度も言っていることですが、それはメーカーが「売れるから」という大義名分のもと調子に乗ってきたツケを払わされているわけです。
極端な話、法令を遵守していればこんなことにはなっていないわけですから。
しかし、今後あるべき姿を取り戻すためには、「提供」する側の性能だけではなく、「運用」する側の「あり方」も同時に見直すべきではないでしょうか?
某大型チェーンから始まった「一物一価」という交換方法。
運用側からすれば、それが結局大きな足かせになっているように見えて仕方ありません。
「運用」のあり方を精査した上での、メーカーとしてのスペックの決定があるわけです。
ある開発者が言っていました。
「等価の現状じゃ、ぱちんこの釘にしてもパチスロのスペックにしてもあれ以上やりようがない」と。
今後、行政からぱちんこ・パチスロ業界に「アメ」を与えられる機会があるとすれば、そのキーポイントとなるのは、「ぱちんこのMAX機規制」と「パチスロの5.5号機時代」に他なりません。
行政が求める基準での運用方法においてそれが市場に受け入れられれば、それは業界の活性化につながるはずです。
その時にまた「外資系」なり「メーカー子会社」なりが帰ってきてくれることを期待したいと思います。
といったところでお時間です。
ご拝読ありがとうございました。
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