[3]版権の取り扱いについて [2015/3/30(月)] |
ぱちんことパチスロでは「特許」の質が違う。
ぱちんこからしたら、「ウェイト」は必要ないし、パチスロからしたら、「球の打ち出しスパン」なんていらない。
なので、組合が分かれている必要があるわけだが、両方やっているメーカーからしたら両方のものを使えた方がいいに決まっている。
その説明に一番向いているのが、「平和/オリンピア」だ。
「オリンピア」は「両組合」加盟メーカーであるが、「平和」は「日工組」にしか加盟していない。
なので、もし「平和」名義でパチスロを作ろうと思うと、各社に多額の特許使用料を払わないといけないのである。
よって、「平和/オリンピア」として「グループ化」することにより、会社内で「日工組」と「日電協」の「権利の使用」について風通しを良くしているのである。
版権の場合は、またこれとは違う。
版権の場合は「加入メーカー間」での共有はなく、「どっちの組合に帰属するメーカーに売ったのか?」という事になるのである。
なので、「ユニバーサル」の「バジリスク」の販売の後に日電協加盟メーカーは「バジリスク」を買えない。
しかし、日工組加盟メーカーの「奥村遊機」は買えるのである。
説明しやすくするために、当サイト管理人のクランキー氏に登場願おう。
例えば、「管理人クランキー」という大きなくくりがあるとする。
その中に「
パチスロ立ち回り講座」と「
FX初心者向けFX講座」という二つの「サイト」がある。
そこに、「A」という商材を売りたいという者が現れた。
便宜上、この「A」はどちらのサイトでも使えるものとする。
その「A」という商材を使う「権利」を、「立ち回り講座」で買ったとする。
買ったのはあくまで「立ち回り講座」であり、「管理人クランキー」ではないわけだ。
なので、「A」を「FX講座」でも使いたい場合は、後々「FX講座」でも「A」を買う必要があるのだ。
「大元の管理人クランキーが持っているわけではない」という発想である。
売り手が得をする環境になっているのである。
イレギュラーなところは、サミーの北斗の拳シリーズと平和/オリンピアのルパン三世シリーズ。
この2つに関しては、いわゆる「不可侵条約」のような「暗黙の了解」ができているのである。
なぜそうできたかは、メーカー側と特許販売の中でやり取りがあったわけだが、その時に尽力したのが現・日電協会長にしてサミーの代表取締役である里見治(敬称略)の力添えによるところなわけであるが、それはまた別の話…。
いかがでしたでしょうか?
エンドユーザーの立場からしたら、どこがどの版権を持っていようが面白い台が出ればいい!というのが本音だとは思うのですが、メーカーによって「特徴」があるわけです。
その特徴を守るために、版権の購入にも足枷があるのです。
さらに言えば、昨今の業界向け版権料は高騰しています。
売る側に強みがある故の足枷です。
そういうところ以外にも面倒な申請業務も多く、一つの機械を作るのにたくさんの時間とお金がかかっているのです。
なので、「業界が悪くなったのは、機械代ばっかりあげてくるメーカーのせいだ!」とひとくくりに言わないでいただけたら、幸いです。
といったところでお時間です。
ご拝読ありがとうございました。
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