[4]業界大手販社フィールズ、その『成り立ち』と『今』 [2015/6/15(月)] |
【フィールズのメーカーへの道一頓挫 : ミズホ開発陣の懐柔の失敗、そして…】
企業規模が大きくなれば、企業として営業力を高めるために新しい事業に打って出るのは普通の事と思います。
その中で、7号業界に身を置くフィールズとしても、やはり「メーカー」になるための道を探るのは普通の事だったのでしょう。
その第一歩が、
京楽産業と提携しての「オッケー」の設立でした。
しかし、こちらも素材提供はフィールズ、開発は京楽という色合いが強く、なかなか自社ブランドとしての確立にはならず。
それであれば、提携ではなく、フィールズとして所有してみてはどうだろうかということで出てきた話が、
ユニバ系メーカーのミズホの株式取得(49%)でした。
これであれば、開発にあたってミズホの持つものを自社ブランドに取り込み、フィールズという名がメーカーとしても立ち位置を確立できると意気込み、ミズホ開発陣を「すべて面倒見ます!」と言って、ユニバーサルのミズホ開発をお台場から渋谷に移転させます。
部署移動というよりも、親会社の変更のイメージです。
ユニバ所属のミズホというよりも、フィールズ所属のミズホという色合いを強くするのが狙いだったのでしょう。
しかし、あえなくこれも失敗します。
「餅は餅屋」とはよく言ったもので、結局ソフトにせよハードにせよ開発ノウハウを持ち合わせていないので、ミズホ開発陣が付いてこない結果に。
結局、ミズホはまたお台場に帰ってしまいました。
いまだ、業務提携自体は続いておりますが、結局は「販売権契約」とさして変わらない、「開発ユニバーサル」「販売フィールズ」ということになるという…。
結局、何がしたいのだかわからないような状況に。
さらに追い打ちをかけるように、2014年サミー・ロデオからの販売独占契約の解消。
フィールズはダチョウ倶楽部よろしく「聞いてないよぉ〜」としがみつきましたが、最終的には翻意することは出来ず。
もとよりサミーとしては、フィールズの販売計画に依存する形となるフィールズとの提携に関しては前向きではなかったですから、タイミングを見計らった結果、2014年までずれ込んだのでしょう。
例えば、サミーとして「北斗の拳」を売りたいタイミングに、サミー系列のロデオでフィールズ案件の機種を売ってください、と言われても、サミーとしてはキラーコンテンツの販売の邪魔はしてほしくないわけです。
でも、フィールズとしてはそこでどうしても売ってもらわないと困るとなると、サミーとしてロデオのコントロールが利かなくなってしまうわけですね。
ロデオ自体はサミーのブランドなのに、ロデオのかじ取りを「勝手に」フィールズにされているような印象だったわけですから、サミーからしたら解消も既定路線だったと言えるでしょう。
この辺から、フィールズの「脱・大手」路線が加速します。
【オッケー同様の提携からのブランド確立。そして、第3の柱 : メーカー買収】
そして、七匠(ナナショウ)が生まれます。
メーカーの基本情報は連載1回目に書いておりますので省かせていただきますが、フィールズにしても、ミズホの失敗やサミーとの提携解消の反省を踏まえての行動です。
ベルセルクも市場需要以上に売ってきたものの、その後は沈黙です。
狙いとしては、出せないのではなく、出さないのが本音のようです。
現状、現行ぱちんこMAXスペックは10月まで、パチスロのAT機は11月までと決まっている以上、調子に乗ってガシガシ出しにいかないようにしているようです。
フィールズの血が入っている以上、企画に関しては持っています。
書けませんけどね、申し訳ありません。
悪目立ちを避け、今はソフトにせよハードにせよ開発に力を注いでいます。
おそらく新内規になってから、ぱちんこもパチスロも新機種投入という運びになるでしょう。
と思っていたら、「アリスト買収」話が出てきたと。
買収となると、これまでの提携話とはわけが違う。
フィールズが100%コントロール出来てしまうわけですから。
冒頭にも書きましたが、現在でもアリスト&スパイキーには社員は残っているものの、経営的残務処理はすでにフィールズが行っています。
7月以降は、アリスト&スパイキーは事実上フィールズになってくるものと思われます。
しばらくはアリストクラートの名前も残るでしょうが、そのうちアリストクラートの名前は変更され、フィールズがメーカーとしての名前を付けると思います。
さて、ではその結果何が出来るのかと言われれば、メーカーを多数所有できるというのが大きい。
フィールズとして関係しているメーカーが、これにて・・・
●アリストクラート
●スパイキー
●七匠
・・・という3社になります。
※厳密にはオッケー&ミズホもありますが、開発が既存メーカー依存なので除外します
こちらも以前お伝えしましたが、申請にあたっての同一型番の持ち込みが制限されている現状、1ブランドに対して多数のメーカーから持ち込めるのは強みになります。
100%資本のメーカーを持っているのがフィールズである以上、申請に関わるところで主導権を握れるのもフィールズということになりますから。
サミーやユニバーサルに負けないグループを形成してきたといっても過言ではないでしょう。
開発力に関しても、解散に際してアリスト&スパイキーの開発陣を七匠に引き入れています。
アリスト&スパイキーの開発力は、中小メーカーの中では実績もあったところですから、その開発力のすべてを取り込めたわけではなくても、七匠の開発にいい刺激にこそなれ、悪い影響を及ぼすことはないでしょう。
こうして、長きにわたって模索してきたフィールズのメーカーへの道は一応の決着を迎えることとなりました。
【では、その後の可能性は?】
これまでは、自社ブランドがないが故、メーカーの販売動向に依存することになっていたものが、今後は自分でコントロールできるというのは大きな変化です。
今後は、他メーカーとライバル関係になるわけです。
これまでの数多の失敗を生かして、今後は「素材」としてのフィールズではなく、遊技機メーカーとしての「フィールズ」を確立していってほしいと思います。
フィールズが好きか嫌いかは置いておいて、現状縮小傾向のある業界の中、こうした企業を大きくするための前向きな話が出てきたことは、1も2もなく称賛に値する行為です。
どうなっていくかはともかくとして、これからも動向を見守っていきたいと思います。
・・・・そして、できればうちでも受注を・・・。
と、手前みそな発言をしたところでお時間です。
ご拝読ありがとうございました。
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