[3]自己紹介&2015年のメーカー動向予想 [2015/3/23(月)] |
【山佐】
他のメーカーから、
「新試験方法で一番伸びてくるであろう」と思われているのがこの山佐。
どのメーカーからも「今年は『岡山』でしょ?」と言われることが多い。
ちなみに『岡山』というのは、山佐の隠語。
業界では、メーカーのことを本社所在地で呼ぶことが多い。
山佐なら岡山。
在京メーカーで言えば、ユニバは「お台場さん」、サミーは「池袋さん」、大都は「京橋さん」となる。
話を戻して・・・
とにかくこの山佐、申請適合済の機種が多い。
ユニバが「異端」だとすれば、ヤマサは「優等生」。
最低限しか規制の網を潜り抜けようとはしない。
そういった中で「モンキーターン」の評価が抜群に良かったことで、イメージが一気に変わったのだ。
新試験方法でものんびり高笑いしているのは、実はここだったりする。
ゆえに「サブ基板での出玉管理をメイン基板に移しなさい!」と警察から指導を受けたとき、「3カ月でやります!」なんて言って、他メーカーから「バカ言ってんじゃねぇ!」と大バッシングを喰らった。
悪い言い方をすれば、「お上の犬」。
よく言えば「回胴界の博多華丸大吉」だ。
少し先の話をさせてもらえば、5月10日(GODの日)設置開始予定の「ゴッドイーター」。
これが、少なくともハード面ではなかなかいい仕事をしている。
「必要ねーよ」と言われればそれまでだが、液晶が美麗。
あの大きさであそこまでのクオリティーは正直びっくりした。
おそらく5万台は売ってくるだろうとは予想できるが、あそこまでお金かけておいて粗利はとれるのだろうかと、余計なお世話だが、心配だ。
役物も、若干AKBっぽい感じは否めないものの、細部へのこだわりはさすが山佐といったところ。
さらに言えば、ATに依存していないところも山佐の武器になる。
「ニューパル」を完全告知にしてきたのは、完全に「ピエロ」のシマを狙いに行っている。
安定感のある機種バランスで、一気にホールのシェアを伸ばす可能性もある。
優等生が本気になったら、思いのほか牙が鋭かった、なんてことが今後起こりうるかもしれない。
【Sammy】
言わずと知れた、業界トップメーカー。
とはいうものの、今年は苦しい。
回胴の開発が新試験方法に追い付いていない。
良くも悪くも「2足のわらじ」で評価を受けているメーカーのため、現在はぱちんこの開発に力を入れているというのが実状。
ただし、こちらにもユニバーサル同様強みがある。
「メーカー数」が多いという事だ。
サミーだけではなく、「ロデオ」「タイヨーエレック」「銀座(ほとんど出てないが…。)」と、こちらも持ち込みに苦労はしないという意味では強い。
ただし、ユニバーサルと違い
「こだわり」が強い。
例えば、キラーコンテンツの「北斗の拳」。
こちらに関しては、基本的には新しい「何か」をつけないと売りに出そうとしない。
だから、9.16の試験方法の変更前に持ち込むことをしなかったのだ。
現時点でもすでにいくつかの開発を急いではいるが、大きく売れるものはしばらくでてこないだろう。
上場メーカーとしての足枷があるから、どうしても株主の利益を優先しないといけないというところは、山佐にはないデメリットになりかねない。
そこをどうにかするのがトップメーカーの使命だと思うので、初動では売れなくとも、市場で人気を呼んだ「化物語」のような機種を出すことに期待したい。
【大都技研】
苦しい。
正直、
今回の試験方法の変更で一番きつい思いをしているのはここではないだろうか?
昨年の「サラリーマン番長」に代表されるように、売れれば爆発力は群を抜いている。
しかし、「ユニバーサル」や「Sammy」のようにグループがない。
「山佐」のように「置きにいく」ような機種もなかなか売れない。
上述したように、2週間の「駆け込み持ち込み」でもひとつも通らなかったことから、販売できる申請適合品が現状一つもないのだ。
今年はぱちんこにシフトするのではないかと言われているが、そう簡単ではないだろう。
どうしても大都技研と言えば、「回胴メーカー」という色が強すぎる。
例えば、先日、中京大を卒業した「浅田真央」が「卒業を機にフィギュアスケートからスピードスケートに転向します!」といったところで、すぐに結果は出ないだろう。(転向するわけはないが…)
ただし、「GARO」で息を吹き返した「サンセイR&D」のような例もあるから、あきらめずに作り続け、「大都はスロットもぱちんこも何なら周辺機器もできるんだぁ!」という色になってもらいたい。
【北電子】
業界がまたノーマルタイプ依存になれば、北電子の勝ちという事になる。
特に、これといった版権が…なくもないが、ちょっと乱暴な言い方になるが、だれも期待していない。
というわけで、試験方法変更のあおりを受けないジャグラーシリーズが出てくれば、売れる。
ただ、メーカーとしては今回の新試験方法で別に大喜びではない。
新試験方法になってから、メーカーの営業の方と話す機会があった時に、
「もう、これからは御社が業界背負って立つって感じですか?」
と聞いたところ…。
「いやいやいや…。 だって、三七君さ。 ジャグラーしかないホールに入って楽しい?」
という事である。
メーカーからしても、「うちに頼られても困る!」といったところ。
ここは基本的に、ホールシェアの10%くらいを守り続けるといったところだ。
しかし、他社がおたおたした結果、売れたのが北電子ってことがないとも言えない。
4号機→5号機の変遷初期のように…。
【七匠&オーイズミ】
最後に、「台風の目」となる可能性のあるメーカー2社の寸評を記しておく。
七匠は、今のところは「ベルセルク」を出しただけの新参メーカーである。
しかし、その資本力と開発力は筋が通っている。
まずは資本力。
七匠のスタートは、当サイトでも紹介されているとおり「トリビー」からの派生であるが、その資本はぱちんこ大手「大一」と販売大手の「フィールズ」が入っている。
今の業界状況でこれだけの資本力を持つ新参メーカーは、それだけで強い。
AVデビュー時に「元・芸能人」という肩書が乗っかるくらい強い。
結局、「ベルセルク」に関しても2.7万台売ってきた。
初参戦第1位は、パチスロAKBの3.2万台だから、2.7万台売ったということは、メーカーとしては第2位の記録になる。
今後も販売力から言えば、フィールズという後ろ盾から大きく販売を伸ばす可能性を秘めている。
そして、開発力。
こちらは未知数ながらも、説得力のある材料が一つある。
現在の会社のトップは、上述の「元ユニバ組」である。
規模の割に、狭い世界となっているこの業界。
「元ユニバ組」という肩書だけで横のつながりが強いとなると、その開発力の伸びしろは大きいと評価できるだろう。
今後定期的に販売できるだけのベースができれば、大手メーカーに食い込むだけの潜在能力は秘めているだろう。
そして、オーイズミ。
こちらは地味ながらも開発力が高い。
コンスタントに機種を出すようなことはしてこないだろうが、市場で「面白い」と評価される台を作る力が高い。
コンスタントに出さないのにはもちろん理由があって、「遊技機」の販売が会社において「第一義」ではないのだ。
オーイズミフーズや周辺機器開発(ダイコク電機のOEMなども担当している)が強いから、いい意味で肩の力の抜けた機種を作れるのだ。
いい例で言えば、「ひぐらし・煌」。
これは実のところ、「4号機のリプレイ外しやりたいなぁ」というだけで作った機種だ。
そんなゆとりのある姿勢から、「こんな台作ってみようかなぁ」で開発→販売→市場で大ヒット、となる可能性はここが一番可能性が高いと思う。
・・・とつらつらと書いていたら、なかなかの文字数になってしまいました。
初回から飛ばしすぎてしまったようです。
メーカーの動向について、多少でも興味を持っていただけたら幸いです。
正直、現状どのメーカーがというだけではなく、業界全体として苦しい状況です。
「カジノ法案」等の絡みもあり、やたらネガティブな面ばかり取り沙汰される業界ですが、開発陣も販売陣も皆躍起になって頑張っています。
「産廃」と揶揄されようとも、どの会社も一所懸命開発に取り組んでいるという事を今後の連載でお伝えできればと思っております。
長くなりましたが、お時間です。
ご拝読ありがとうございました。
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