[2]スロット開発時に意識すること〜演出バランス調整編〜 [2017/12/14(木)] |
それでは今週のコラムだが、時事ネタもあまりないので、“スロット開発時に意識すること”をお話ししていこう。
というわけで、今回は演出の信頼度やバランスを決める時などに意識している点について書いていきたい。
【@ : 打ち手にストレスを与えない!】
まず、みなさんは大前提としてスロットとはどのようなものとして認識しているだろうか?
もちろん、人それぞれ様々な捉え方があるとは思うが、私はスロットとは…違和感を楽しむものという風に捉えている。
というのも、スロットは非常に合理的に作られているからである。
例えば、演出などを抜きにして、とことんシンプルなスロットのケースを考えてみよう。
通常遊技は小役狙いとして、チェリー・スイカをこぼさないように一定の場所を狙っていくことになる。
ほとんどのケースでは、リプレイ・ベル・ハズレなどが成立しており、出現する出目はほとんど同じものが規則正しく止まることになる。
この規則的な動きの中に突如訪れる、リールのスベリ…この違和感が発生した際に思わず手を止める。
この場合打ち手が考えることは、成立役の絞り込みだ。
成立役はスイカorボーナスに絞り込まれ、スイカがはずれればボーナスとなる。
…すごくザックリではあるが、こんな具合に、スロットとは非常に合理的な作りになっており、その合理性から生まれる違和感を楽しむのがスロットの醍醐味と言えるのではないだろうか。
ところが、先ほどのケースでわざわざリールスベリが発生しておきながら、ただのハズレという作りだったらどう感じるだろうか?
恐らくは納得感がなく、規則性を感じないため打ち手はストレスを感じてしまうだろう。
このように、スロットにおいては違和感がチャンスにつながっていなければ、打ち手にとってストレスになるという法則がある。
このことを考慮したうえで、例えば、ノーマルタイプを作るときに「チェリー成立時にどのタイミングで演出を出すべきか」を考えるとする。
チェリーの特徴とは、基本左リールを押した瞬間に成立が確定する小役である。
(最近は、弱・強チェリーの分岐があり全リール押さないとわからないものが大半だけど…)
となると、チェリーの演出を発生させるのは、基本レバーON時か第一ボタン停止時が望ましい。
レバーONで小役告知発生の場合、リールを押してチェリーがはずれるかどうかといった楽しみ方ができる。
第一ボタン停止時の小役告知発生は、リールで結果が出るのと同時に告知が出ているので無駄がなく、ストレスを与えることはない。
逆に、リールでもう結果が出ているのに、第3ボタン停止まで演出が起きない…なんて場合は違和感となるだろう。
当然、打ち手には「告知が引っ張られているってことは…?」という違和感による期待感が生まれているので、それに応えるような同時当選の大チャンスなどになっているべきである。
これが頻繁に起きて全く当たらないというのでは、打ち手は合理性を感じられずストレスをためてしまうこととなってしまう。
というように、違和感の出どころにはしっかりチャンスを与えることで、打ち手にストレスを与えないことが重要である。
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