[3]スロット開発時に意識すること〜演出バランス調整編〜 [2017/12/14(木)] |
【A : できるだけ打ち手にノーチャンスと思わせない!】
よくART準備中に何の抽選もしていない台なんかは、レア役の無駄引きの可能性があるため打ち手に嫌われやすい。
嫌われている根本の原因は、打ち手がノーチャンスだと感じてしまっているからに他ならない。
そして、これは準備中だけに限られた話ではなく、どの状態においてもギリギリまで打ち手にノーチャンスと感じさせない構成を目指すべきである。
例えば、ART中の演出発生タイミングなどを考えてみよう。
ART中は押し順ナビが出たらベル成立、ナビなし時はリプレイorレア役という構成になることが多い。
リプレイはほぼ毎ゲーム成立しているため、ほぼ演出なしなのに対し、レア役は取りこぼしを防ぐため(もちろんチャンスを煽るためもある)、レバーON時から演出を出すことになる。
ところが全ての演出をこの構成にしてしまうと、レバーONで演出が発生しなかった時点でリプレイ確定のノーチャンスとなってしまう。
これでは面白くない…
こういった場合は、例えばART中の強演出の一つを、レバーON時より少しタイミングの遅くなる“ウェイトが切れたリール回転開始時”に発生するようにする。
そうすると、レバーONで演出発生時はもちろんチャンスだし、演出が起きなくてもナビなし時はリール回転と同時に強演出が来るかもしれないと妄想できるので、できるだけ長く打ち手の期待感を持続させることができる。
このように、極力ノーチャンスが確定してしまう瞬間は作らないように気を付ける必要がある。
【B : 王道の当たり方をきちんと意識させる!】
どのルートからもバランスよく当たって期待できる!というのは、誰しもが一度は憧れる調整である。
しかし、実際そのような作りを目指した結果、どの当たり方が期待できるのかサッパリわからないというものになってしまうということはよくある話だ。
何回も通る王道のルートがしっかりしているからこそ、ふと違うルートに行った時の違和感が輝くわけであり、何本もルートを作って王道を通る比率が下がってしまえば、打ち手にどんどんそれを意識することができなくなってしまう。
結果は、どのルートからも当たるを目指していたのに、真逆のどのルートも当たらないといった印象になってしまうかもしれない…
ということで、まずは王道のルートをとことん調整する。
その上で、違和感ルートを少しずつ増やしていくといった形で調整&調整をひたすら繰り返すこととなる。
王道の配分を間違えると誰にも伝わらずに埋もれていく、悲しい法則性を作りだしてしまうので注意が必要だ!
細かい部分はまだ多数あるが、以上については特に気を使って調整を行なっている部分である。
スロットの演出調整は、調整をした人間のやりたいことが表れやすい箇所である。
そのため、打ちながら調整者がどういった狙いで打ち手を楽しませようとしているのか等を想像しつつ打ってみると、またひとつスロットの面白さが増すのではなかろうか。
以上で今週のコラムはおしまい。
それではみなさん、また次回。
【 メーカー開発者の独り言〜今宵もオフレコで〜 】 メニューへ