[1]バグは天下の回り物 [2017/10/5(木)] |
うんざりするほど長い夏がようやく終わりを迎え、秋風の涼しさを感じられるようになってきた今日この頃、いかがお過ごしであろうか?
夏の終わりと共に、9月で現行機の新台が全て導入されきった。
各メーカーともに、駆け込みで適合した機械を全て出し切ったのが9月である。
実際、かなりの機種数が販売されており、9月だけで22機種が販売されている状態だ。
多い、多すぎる。
職業柄、一通り新台は打っておくようにしているのだが…これは無理だな。
みなさん、こんにちは。
職業柄とか言っておきながら、6機種程度で早々に諦めた男、設定六郎です。
こういった駆け込み時の導入は過去に何度も発生しており、4号機ラストの時期や、5号機ATが規制され5.5号機に切り替わる時期も同じようなことが起きている。
しかし共通しているのは、大体こういう節目の時期に慌てて出てきた機械にヒット機種は出ていないということだ。
現に今回も、データを見る限りどの機種もいまいちといった状況である。
一概に理由は特定できるものではないが、こういった特需の際は、開発期間を短縮して間に合わせたり、お蔵入り予定のものを復活させて販売したりなどのメーカー側の事情によって、商品力が落ちているものが世に出ているという側面もあるのかもしれない。
まぁ、機種数が多くて稼働が分散してしまっているということもあるので、しばらくは動向を見守っていきたいところだ。
では、今週の質問にお答えしていこう。
>新基準機で機械割119%の設計をするのは相当大変ですか?
これは、5.5号機のことだろうか?
それとも5.9号機のことだろうか?
まず、9月で終了となる5.5号機のことであれば、119%機種はここにきてガンガン出てきている状況だった。
そして、これは119%で設計することは特に難しい話ではない。
難しいのは型式試験の方で、119%となると長時間試験で出すぎて落ちるケースが高くなる。
なので、試験に何回も落ちるかもしれないという意味では難しいと言える。
一方5.9号機の場合は、そもそも119%の設計事態がほぼ不可能である。
なぜかといえば、5.9号機は規則でART突入に設定差をつけられないような仕様になっている。
そうなると、設定差をつけられる部分としては、「単純なボーナス確率」や「通常時のベース」に設定差をつけるしかなくなってくる。
この程度でしか設定差をつけられない状況で119%を作ろうとすると、ものすごくボーナスの初当たりが良くて、しかも回るというような、バレバレの機械が生まれざるを得なくなる。
そのため、ホールの運用上、設定1の出率が100%を下回るよう設計するなら、5.9号機では110%付近が実質限界に近いだろう。
実に世知辛い世の中である。
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