[1]自己紹介/規則改正によるメーカー開発者の苦悩 [2017/8/24(月)] |
「人に歴史あり」という言葉があるように、どんな人間にも人生を彩る歴史が存在する。
もちろんそれは私にも当てはまるのだが、そのちっぽけな歴史を語る上で欠かすことのできないもの…それが私の場合「スロット」であった。
私の今に至るまでを、自己紹介も兼ねて簡単に語らせていただきたいと思う。
私とスロットの初めての出会いは、もう10年以上昔。
振り返ると、まさに輝かしい青春のど真ん中と言える大学1年生の頃だった。
そこには特別なドラマなどなく、友人の「簡単に勝てるから!」という最もありふれた誘い文句につられ、少ない軍資金を握りしめて怯えながら触ったのを今も覚えている。
デビュー戦の結果は、運良く勝利となったわけだが、今思えばこの日が私の運命を大きく変えた。
元々、熱くなりやすい博打好きの性分であったことに加え、無駄に研究熱心だったことが災いし、わずか数か月後には、私は解析バリバリの真面目系スロッターとして生まれ変わっていた。
そして、それは同時に、青春あふれる輝かしい大学生活が早々に終焉を迎えることを意味していた…
それから5年…
ちょうどスロット業界では大きな転機となる「5号機」が登場し始めた頃、私は通算6年目の大学生活に突入していた。
2度目の留年である。
社会の風当たりは、朝一からパチンコ屋に並ぶ人間にはひどく厳しい…
もちろん私の両親は神仏の類ではないため、実家での立場は目も当てられない。
現実に目を向けざるを得ない状況に追いつめられ、私は卒業、そして就職へと向かうこととなる。
当たり前である…
しかし困ったもので、スロットばかりやっていた人間に「なりたい職業は?」など、聞く方が野暮である。
日課のスロットを打ちながらぼけーっと考えた結果、ひとつの結論が出た。
「これだけスロットを打ってきたことだし、面白いスロットを作る開発者になろう!」
ひどく安易な考えで、私はスロットメーカーへの就職を決意した。
結果として、とあるメーカーから無事内定を貰い、開発者としての私の人生はスタートしたわけだが、こうして冷静に文字列に起こしてみると、私の人生のハンドル捌きは中々に適当で残念なものだと痛感せざるを得ない…
しかしながら、もう10年近くこの業界で開発者としてやっていけているのも、ひとえにスロットが好きであったからこそであろう。
そういう意味では、案外いい選択だったのかもしれない。
さて、当コラムでは、(しがない)イチ開発者として、ちょっとした開発の裏話や業界話などをさせていただこうと思う。
また、皆さんにとってコラムの小話が高設定となれるよう願掛けし、私は設定六郎と名乗らせていただく。
狙うは、もちろん最高設定である。
では、長々と自己紹介が続いてしまったので本題に入ろう。
何をテーマにしようか迷ったものだが、第1回目ということで、キャッチーな話題である6号機について話していきたいと思う。
次のページへ
【 メーカー開発者の独り言〜今宵もオフレコで〜 】 メニューへ