[2]季節は冬、だけどケンには春到来・・・? [2016/1/13(水)] |
小池は、どこか挙動不審だった。
僕より恐らく年上な感じだが、妙にキョロキョロしている。
実は、東北のホールに来て少し期待していたことがあった。
あまりにもパチンコ、パチスロをする人が多いので、ほれ。 ね?
しかし実際には何もないのだ。
東京と同じ。
小池は放っておいて打ち出すとしよう。
とはいっても、チラ見はしていた。
中学生の時、単語帳で「glance(=チラっと見る)」という単語をなぜか覚えたのは、どこかにそういう欲求があったのかもしれないと脳の片隅が考えた直後。
突然、僕の台の下皿に玉が出てきた。
「!?」
横を見ると、小池がテンパっていた。
なるほど、右のお金を入れるところに入れたのだろう。
それは僕の台なのだが。
紳士のように1000円を財布から取り出し、小池に手渡す。
「あのぉ…」
小池は恥ずかしそうに話しかけてきた。
この時初めてしっかり顔を見たのだが、予想以上に美人だったし、年上がタイプの僕は少しぼーっとしてしまった。
「…あ、はい?」
そう返事をして話を聞くと、どうやら全くやり方を知らないので教えてほしいそうだ。
なぜこんなところに迷い込んだのかは、まぁ後で説明しよう。
左上を狙ってハンドルを回すこと、数字が揃えば大当たり。
説明している時に「あれ?こんなこと前にもやったような…」
そうしてやっと打ち始める。
やはり善い行いをすると、神様は見ていてくれるのだ。
青保留が金保留となり、シャッターもフルーツ柄。
きっちり当てるも、潜伏。
ヘソで回すことに。
結局2000円の追加をしてやっと右打ちに。
小池はなかなかリーチに発展しない。
しかし8000円を使ったところで、よそ見をしてるうちに当たり。
右打ちをモノにしていた。
しかし、初めて打った鉄拳。
確変中のはまりがきつくない?
あんなもんなの?
250とかはまるし。
潜っていたら捨てちゃうよ。
なんか当たってからも、アタッカーの解放まで時間ありすぎじゃない?
文句ばっかりじゃない?
当たってんのに?
と言われてしまいそうなんだけど、当たってからの方がちょっとした地獄だった。
小池とケンは、2人して10連を達成。
ケンは終了、小池は15連していた。
ビギナーズラックってすげーーー。
ここまでは、小池という素晴らしい女性に出会えた自慢話に聞こえるだろう。
このまま小池に連絡先を聞かれて、お礼がしたいですなんて言われて、なんか身の上話とかして、仲良くなったのならね。
そりゃ自慢したいですよ。
どうだ!と。
今年度の目標をあっという間に達成したぞ!と。
換金の方法を教えてあげたところ、小池から
「私はジャグラーをしなくてはいけない」という意味のわからないことを伝えられた。
なんで小池は、こんなよくわからないミッションを背負っているのか。
ガヤガヤとうるさい店内でそんなことを尋ねる気にはならなかった。
大体、いつも耳栓をしている僕には、あまり小池の声が聞こえなかった。
打ちたいのなら、打てばいいのだ。
幸いジャグラーコーナーは、大きな島構成の変更をしたこともあり状況が良かった。
なぜやめたのかわからないくらいの良い台に小池を座らせ、僕はその隣に着席。
なんだろう。
もうあまり記憶には残っていない。
覚えているのは、小池も楽しそうで、なんかいい感じだなぁという程度。
またもや換金を終えて、店の外へ出る。
店内とは違いとても静かな店外で、小池は、丁寧な口調で僕にお礼をいった。
すると…
次のページへ
【 レバーで綴る夢日記 】 メニューへ