[1]人の見た目をした狼がいる? [2016/12/16(金)] |
この中に、人の見た目をした狼がいる?
人狼が村人を喰らい尽くし、村が全滅するのが先か。
それとも村人が人狼を見つけ出し、村に平和が訪れるのが先か。
村人達の生存を賭けた戦いが今はじまる!
<まごころを、君に>
2007年、ホールに導入された「新世紀エヴァンゲリオン〜まごころを、君に〜」は、ノーマルタイプの5号機としては空前の大ヒットを記録した。
「エヴァまご」の愛称で親しまれたその台は、どこのホールに行ってもメイン機種扱い。
人狼の紛れ込んだこのホールにも24台が設置されていた。
24台のエヴァまごには、「シンジ」「レイ」「アスカ」「カヲル」の4種類の札が6台ずつ挿されている。
同一の札の6台はオール設定。
設定1〜設定6までが6段階の設定が1台ずつ投入されている事を意味していた。
「じゃあ、6人で同じ札の台を打てば、誰かは必ず設定6を掴めるって訳か……」
この情報を私に回してくれたのは、軍団時代の後輩「加藤」。
加藤の話を聞いて私がそう呟くと、加藤は「そういう事です」と頷いた。
「ただ、6人目のメンバーが足りなくて…… 誠さん、俺達とノリませんか?」
話を聞いてみると、加藤の仲間達は総勢5人。
札台を独占するには1人足りずに困っていたところで、私に白羽の矢が立てられたという事だった。
エヴァまごの設定6の機械割は111.4%。
終日ぶん回したとして、機械割通りに出れば、勝ち額は6万円ほどになる計算だ。
それを6人で割るのだから、日当は1人1万円。
そこだけ見ると物足りない数字のようにも思えるが、実際にはいくつもの利点があった為、私はこの話を引き受ける事にした。
利点の1つ目は、加藤の持ってきたこの情報が公に発信されているものではなく、「知っている人だけが知っている」という類の情報だった事。
即ち、札毎にオール設定という事を意識して立ち回るライバル客は少なく、朝一並ばずとも台を取る事ができるというものだ。
そして2つ目は、加藤が私に提示してくれた乗り打ちの条件。
軍団時代のルールでは、朝一自分の座った台が高設定だった場合には、その人が責任を持って終日ぶん回さなければならなかった。
つまり、高設定をツモると終日労働になる訳だが、今回の条件では私はそれをしなくてよいと加藤は言ってくれた。
よって、私は6台全体の設定が見えるまで打てばそれでよく、自分の台が高設定だった場合には、低設定台に座ったメンバーが交代して終日ぶん回してくれるという条件だった。
朝の並びもなく、拘束時間も設定が見えるまでの3〜4時間。
それで日当1万円なら悪くはない。
なにより、この話の最大の利点は、エヴァまごという設定判別要素の豊富な台に高設定が使われているという点にあった。
通常の機種のオール設定イベントであれば、「なかなか設定6が判別できずに低設定台もだらだら打たされてしまう」なんて事が起こり得るが、エヴァまごであればそのリスクは格段に小さい。
今回のような形で乗り打つには、エヴァまごはもってこいの機種のように思えた。
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