[2]人の見た目をした狼がいる? [2016/12/16(金)] |
<エヴァまごの設定判別要素>
決戦前夜、私は自室の片隅に無造作に積まれた攻略誌の山から1冊を引き抜くと、エヴァまごの主な設定判別要素を復習した。
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●通常時の小役確率
ベル、チェリー、スイカ、それぞれに設定差があり、高設定ほど確率が上昇。
●RT中のハズレ出現率
設定1と設定6では2倍弱の設定差があり、高設定ほど確率が上昇。
●ボーナス中の小役確率
スイカは設定6のみ、設定1〜5の1.5倍の出現率。
チェリーは設定1と設定6で1.5倍弱の設定差があり、高設定ほど確率が上昇。
●ボーナス比率
赤BIGと青BIGの比率が…
・設定1,3,5は2対1で、赤が揃いやすい。
・設定2,4は1対2で、青が揃いやすい。
・設定6は1対1で、赤も青もイーブン。
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ざっくりと言ってしまえば、エヴァまごの設定判別は、小役で大まかに設定の高低を判別して、赤BIGと青BIGのボーナス比率で偶奇を判断する。
そして、複数ある設定判別要素を組み合わせれば、ピンポイントで設定を予想する事もそう難しい事ではない。
エヴァまごはそういう台のはずだった……
<VSエヴァまご 初日>
「今にも泣き出しそうな」という形容がぴったりの曇り空。
今になって思えば、このどんよりとした空模様は、これから行う実戦の行く末を示唆していたのかもしれない。
その薄暗い駅前通りを足早にホールへと進むと、なんとか雨の降り出す前に目当てのホールに辿り着く事ができた。
時刻は開店3分前。
しかし、並びの客のほとんどは近所のお年寄りばかりで、そのほとんどは開店と同時にパチンココーナーへと消えていった。
エヴァまごの熱い店と言えば、カチカチ君を手にした若いスロッター達で朝一から埋め尽くされるイメージであったが、このホールはそういった状況とは一切無縁。
エヴァまごのシマへ向かう者は私達をおいて他に誰もいなかった。
「ホントに大丈夫なのかな?」
あまりの客付きの悪さに不安になる私をよそに、加藤の友人達は次々と「アスカ」の札台を押さえていく。
加藤に促されて、私は最後のアスカの札台へと向かい、下皿に赤と青、2つのカチカチ君を置いた。
赤はボーナス中の小役カウント用で、青は通常時の小役カウント用。
今でこそ携帯アプリがあれば、小役の成立回数はもちろん、それぞれの確率まで自動計算されるようになったが、当時のカチカチ君は今のように高機能ではなかった。
小役確率は自分で計算するしかなかったし、ボーナス中と通常時の小役を別々に数えようと思ったら1台のカチカチ君では不可能で、2台のカチカチ君を用意しなければならない時代だった。
〜3時間後〜
私は総投資14kで引いた2回目の赤BIGの出玉が全てなくなったところで、一息入れる事にした。
開店から2000Gちょっと回したところで、私の台は、赤BIG2回、青BIG0回の奇数挙動。
2つのカチカチ君を並べて見るが、通常時もボーナス中も小役はいずれも低設定域の値を示している。
「この台はダメだな」
サンプルは少ないものの、私の台の挙動は典型的な設定1。
私が加藤にその事を伝えると、加藤の友人達も含め、満場一致で私の台は見切りをつける事が決まった。
「誠さん、お疲れ様でした。 後は任せてください。 夜に結果をメールしますね」
加藤は軍団の中でもしっかりと立ち回る実力者。
加藤に任せておけば間違いはないだろうと、私も信頼しているメンバーの一人である。
「それじゃあ、お言葉に甘えて、お先に上がらせてもらうわ」
私は加藤の友人達にも一声ずつ挨拶をすると、ホールの中を一周してから駅に向かった。
土砂降りの中を、ホールで貰ったビニール傘一つでびしょ濡れになりながら進む。
その帰り道で私は、この日の稼働状況を振り返る……
昼過ぎにはエヴァまごのシマの客付きも7割ほどになっていたし、アスカ以外の札台にも設定6の可能性がありそうな台がいくつかあった。
加藤の情報に間違いはなさそうだし、手堅く凌げる良いホールかもしれないな……
<初日の夜>
23時を過ぎたあたりで、加藤から私にメールが入る。
その内容を見て、私は苦笑いを浮かべてしまった。
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●私の台
回転数:2000G BIG比率:赤2青0 小役:× 投資:14k、回収: 0
●加藤の台
回転数:3000G BIG比率:赤3青1 小役:△ 投資:10k、回収:17k
●加藤の友人A
回転数:6000G BIG比率:赤2青5 小役:△ 投資:20k、回収: 8k
●加藤の友人B
回転数:6000G BIG比率:赤3青6 小役:△ 投資: 7k、回収:13k
●加藤の友人C
回転数:6000G BIG比率:赤1青7 小役:◯ 投資: 8k、回収: 0
●加藤の友人D
回転数:8000G BIG比率:赤6青9 小役:◯ 投資: 3k、回収:57k
■トータル■
投資 : 62k
回収 : 95k
一人頭 : +5.5k
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A・B・C・Dのいずれも、青BIG先行の偶数挙動。
小役も突出した台がなく、なかなか設定6を見極められなかった結果、A・B・Cの台を止める事ができなかったという事だった。
「まぁこういう事もあるさ。 また明日頑張ろう」
この日の稼ぎは一人頭5,500円。
もともと期待していた日当の半分の額ではあったが、パチスロを打っていれば期待値通りにならない事など日常茶飯事。
私は加藤にそう返信すると、この結果を深く考える事なく眠りについたのであった……
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