[3]人の見た目をした狼がいる? [2016/12/16(金)] |
<何も知らない私達に狼の影が忍び寄る>
VSエヴァまご、2日目の実戦。
誰を選んでも同じであるが、この日私達は「カヲル」の札台を独占した。
実戦を進めていくと、私の台は昨日と同じく赤BIGが先行。
3,000G回して、小役は昨日よりもまだマシといったレベルであったが、おそらくは設定3。
あっても設定5だし、設定1の引き強の可能性も十二分にあり得る事から、この日も私は早引けする結果となった。
〜そして、その日の夜〜
昨日と同じく23時にメールが届く。
だが、同じなのはメールの届いた時間帯だけではない。
「推定設定6の台を終日打ち切れたのは良かったが、設定6を確信するまでの過程で、偶数挙動の台が4台残ってしまった。 結果、設定2であろう台を夕方まで打たされてしまった」
加藤のメールはそんな反省の文言で締められていた。
「偶数挙動が4台……」
現場を加藤の判断に任せた以上、結果に対しての不満はなかったが、何かが気になった。
「偶然なのだろうか? 何かが引っかかる……」
そう考えはしたものの、時計を見れば既に時刻は日付の変わる24時。
夜更けの私の頭には、それを突き詰めるだけの余力は残されていなかった。
「パチスロだから仕方ない」
こうして、その小さな違和感は、安直な言い訳に掻き消されていくのであった。
〜2日目の結果〜
■トータル■
投資 : 73k
回収 : 98k
一人頭 : +4.2k
<2度ある事が3度あったらそれはもう偶然ではない?>
「シンジ」を選んだ3日目の実戦。
この日の立ち上がり、私の台は100G、300Gで立て続けに青BIGを引いた。
3日目にして初の偶数挙動。
ノリ打ちなので、誰が打っても同じと言ってしまえばそうであるが、自分自身の台が設定6かもしれないという状況は、何度経験してもやっぱりドキドキできる心地の良いものであった。
その後、トータル1,000Gを越えたところで初めての赤BIGがついてきて、3,000Gを越した頃には小役も軒並み高設定付近の数値に上昇。
「今日はこの台で間違いなさそうだ」
最後の確認として、私は自分以外の5台の挙動を確認した。
すると……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(3,000G時点)
●私の台
BIG比率:赤3青4 小役:◯
●加藤の台
BIG比率:赤5青0 小役:△
●加藤の友人A
BIG比率:赤1青2 小役:×
●加藤の友人B
BIG比率:赤0青4 小役:◯
●加藤の友人C
BIG比率:赤2青1 小役:△
●加藤の友人D
BIG比率:赤1青3 小役:◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やはり青BIG先行の偶数挙動の台が、私の台も含めて4台ある。
特に、加藤の友人Dの台は小役が抜群に優秀。
赤BIGの確率が設定6には追い付いていないものの、絶対に設定6ではないかというと、この時点でそこまで言い切る事はできないという結論に私達は至った。
続行するのは、私の台と加藤の友人Bの台と加藤の友人Dの台。
偶数挙動の台を続行する分には、設定1のリスク無しで、設定6を取りこぼさない。
この時点ではそれがベストと判断して、私達は続行を決定した。
その4時間後。
それぞれの台を6,000Gまで回してはみたものの、終わってみれば加藤の友人Bの台も加藤の友人Dの台も、小役の確率は徐々に低設定のそれに収束していくのみだった。
そして、なによりボーナスが引けない。
2台の持ちコインは全てなくなり、気付けば、その2台の収支はマイナス圏へと転落していた。
そして、閉店を迎える23時には……
結局、この日は私の台が設定6。
それを終日打ち切りはしたものの、全体としては2台のマイナスが痛かった。
2台で背負った負債を、私の設定6は捲りきる事ができなかったのだ。
こうして、3日目にして初めて私達の収支はトータルでもマイナスとなったのだった。
〜3日目の結果〜
■トータル■
投資 : 68k
回収 : 56k
一人頭 : +2.0k
<疑い>
私の台が設定6であったとしても、終日打ち切る作業は他のメンバーにお願いできる。
その約束はあったものの、この日は特に予定もなかった為、私は終日設定6を打ち切った。
13時間稼働の後の疲れた体を引きずり電車に乗ると、私は携帯電話を取り出し、3日間のデータを比べてみた。
「やはり、偶数挙動の台は設定6を除いて3台ある……」
エヴァまごの赤青BIGの確率は、設定2だと、赤が1/2340で、青が1/1008。
1/1000のフラグなどそう簡単に収束しない。
そう言ってしまえばそれまでかもしれないが、果たして3日も続けて、3台あるはずの奇数設定台のうちの1台が偶数挙動を示すものなのだろうか。
そう考えた時、ある仮説が脳裏を掠める。
「誰かが判別を間違っている??」
24台のシマに挿された4種類の札は、6台ずつ並びになってる訳ではなく、ランダムに配置されていた。
それ故、自分以外の台の挙動を全て目視できる訳ではなく、自分以外の台の設定判別はお互いを信頼し合うよりない状況だった。
だが……
「この状況は本当に偶然なのか?」
偶然ではないとすれば、早くその原因を突き止めなければ、いつまでも今日のように負け続けるだけだ。
その原因が「誰に」あるのか。
私の思考は次第にその一点へと誘導されていく。
「この中に、人の見た目をした狼がいる?」
私は加藤の仲間達を疑い始めていた。
〜続く〜
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