[2]最も勝ちやすい機種とはどんな台なのか?≪後編≫ [2016/10/7(金)] |
<ファイヤードリフトを打ち続け>
1週間……、2週間……。
私達はファイヤードリフトだけを打ち続けた。
朝一の押し引きの判断基準をどこに設定するか。
チェリーは何回まで様子を見るのか。
BIGボーナス中のハズレはどれだけサンプルを取って、どの位の数字であれば続行するのか。
そんな議論を、夜遅くまでファミレスのテーブルで積み重ねた。
打てば打つほど、押し引きの判断基準は変わっていく。
いや、進化していくと言った方が適切だろう。
日に日に設定6を終日打ち切る頻度は高まっていき、「パーラーK」でも、「XXX屋」でも、そして「パチスロZ」でも、といった具合に、3店舗全てで設定6を掴める日も珍しくはなくなっていった。
打てば打つほど判別の精度は上がっていく。
最終的には、私達はわずかな時間で3店舗を回り、95%近い正解率で設定6か否かの判別ができるようになっていた。
「これぞ、攻略。」
まさにそう思えた経験であったし、喰えるという確かな手応えを実感した瞬間でもあった。
そして……
<その後>
その後、私達は1ヶ月に渡ってデルタ地帯でファイヤードリフトを打ち続けた。
自分達で作り上げたルーチンに従い判別を行い、設定6だと思えば終日打ち切る。
判で押したような立ち回りに退屈さを覚える事もないではなかったが、それを吹き飛ばすのに十分なだけの結果が目の前に積み重ねられていた。
おそらく、この期間は、私のパチスロ収支の中で最も時給の高い期間であったと思う。
全ては、設定を使い続けてくれた店側のおかげという見方もあるが、それでも私にとっては自分達の力で攻略したという実感の方が大きかった。
「この時間が永遠に続けば……」
夜中ベッドに横たわりながら、預金通帳を広げて妄想する。
今思えば、この時間が長くは続かなかった事で結果的に社会人になれたのだが、あの時は本気でこう考えるくらいに勝っていた。
「パチスロで一生食べていけるんじゃ……」
だが……
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