[1]最も勝ちやすい機種とはどんな台なのか?≪前編≫ [2016/9/30(金)] |
let's go everybody♪
ボーナス図柄を揃えると、いつもの陽気でイケイケな感じの歌が流れ始めます。
本来であれば、スロッターにとって最も上がる瞬間であろうこの瞬間も、私にとってはいささか食傷気味。
テンションMAXのこの曲を、疎ましくすら感じます。
突然ブラックな口調で始まった今週の「6付く」に、読者の皆様も戸惑われている事かと思いますが、それもそのはず。
これは、その昔、誠がおよそ1ヶ月に渡り、延々と同じ機種を打ち続けていた時の話でございます。
もちろん最初は楽しかったし、嬉しかった。
高設定台に座って出玉を積み上げるという事と楽しいという事がイコールでした。
しかし、1ヶ月もそれを続けると……
これは、私が「最も勝ちやすい機種」とはどんな機種なのかというのを実感した時のエピソードになります。
常勝とは作業に徹する事なのか、そこにはもう悦びも何もない世界が広がっているのでしょうか?
<始まりの一日>
「僕に騙されたと思って、ついてきて下さいよ!」
メンバーの一人が、そう言って我々を連れてきたのは都内の某駅。
朝8:30、駅の改札に集合した4人のメンバーの先頭に立って、彼は意気揚々と歩き出した。
まだ9時前。
駅前商店街のアーケードをくぐると、そこにあるほとんどの店舗のシャッターは閉じられたままである。
まだ目覚めていないその通りを、一筋の風が通り抜ける。
心地良い朝の空気の中で、駅に向かう人達とすれ違いながら歩く事5分。
閉じられたシャッターの中の1つ、見上げると「パーラーK」と書かれたシャッターの前で彼は立ち止った。
今はなかなかお目にかかる事のなくなった古めかしい3色のネオンに、私は若干の不安を覚えた。
経験上、このような店舗に高設定台がある事は少なく、たいていの場合、このような店舗では閑古鳥が鳴いていたからだ。
開店を待つ間に、この日の狙い台を確認する。
彼が口にしたのは、新装からまだ間もないファイヤードリフトという機種だった。
ファイヤードリフトは通常時、チェリーからのミッション高確率状態移行率とBIG中の小役確率に大きな設定差があり、設定判別は比較的容易な部類の機種。
彼が言うには、そのファイヤードリフトに毎日設定6が3台ほど使われているという事らしい。
「パーラーK」は等価交換で、ファイヤードリフトは全部で10台。
1/3の確率ならば悪くないように思えるが、この時はまだ1ヶ月もこの機種を打ち続ける事になるほど美味しい情報だとは思っていなかった。
10時になり、シャッターが開く。
初見のその店舗から流れてきたBGMは、サブちゃんの「まつり」。
今であれば「お見事サブちゃん」推しだったのかと思うかもしれないが、「ファイヤードリフト」が導入されたのは「お見事サブちゃん」が導入される1年くらい前で、この時はまだサブちゃんはパチスロ界には進出していなかったように記憶している。
私達は4台並びでファイヤードリフトに着席した。
設定判別のポイントであるチェリーからのミッション高確率状態移行率を確認しようとすると、ほどなくして私の台でチェリーが揃う。
3G……5G……10G……。
しばらく回してみるも、高確らしき挙動は無し。
念の為、もう1度チェリーが揃うまで回してみるが、やはり高確らしき挙動は無し。
「私の台は違う……」
同様に、園長の台も違うし、この店を紹介してくれた彼の台も違うという事が分かる。
朝一で設定6の挙動を示したのは、もう一人のメンバーAの台と、別の客が座った2台の計3台。
事前の情報通りではあったが、結局、この日私達がGETできた設定6は1台だけ。
4人のうち1人というと、日当が出るか出ないかギリギリのラインで、期待値的には1人頭、1万そこそこのプラスとなる計算であった。
「う〜ん……」
意気消沈とまではいかないまでも、やや不満の残る金額。
わざわざ、遠征するほどの価値があるのかどうかと疑問を持ちはじめたところに彼がやってきて、園長と私を店外に連れ出す。
「この店の設定6は1台しか取れなかったので、次の店にいきましょう。」
ここからが、私達がこの地域に1ヶ月もの間通い続ける事になる「ファイヤードリフト デルタ地帯」の本領発揮だった。
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