[2]設定6の在り処≪前編≫ [2016/7/1(金)] |
混雑する電車の中でなんとか居心地の良いドア付近を確保し、赤羽駅を後にする。
本来、大学に向かうのであればこの赤羽駅で埼京線に乗り換えなければならないのだが、そんな事は頭の片隅にもない。
この日、どのように立ち回るか、そのシミュレーションに私の頭の全容量が割り振られていた。
回胴黙示録カイジ。
これが、私達軍団のメンバーが全員一致で選んだ本日の狙い機種である。
では、なぜこの機種を選んだか?
4号機のカイジには、ある特徴があったからだ。
カイジの設定6は300G以上ハマらない。
当時のスロッターなら誰もが知っていた事である。
設定判別が早く、設定6は明確に設定6の挙動を示す。
今回のようなイベントにはうってつけの機種であり、座れさえすれば勝利は鉄板よりも固く約束されたもののように思えた。
だからこそ、まだ眠い目をこすりこすり、満員の京浜東北線に乗り込み、ホールを目指すのだ。
人混みをかき分け改札を出ると、明るい陽射しが街路樹の隙間から私を照らす。
これが木漏れ日というやつか。
道路沿いに植えられたその街路樹の影を伝って、足早にホールへと歩を進める事10分。
ホールに着く頃には、私はすっかり汗だくになっていた。
この日、ホールに集まった軍団メンバーは8人。
ホールに導入されているカイジの台数も8台。
もちろん、全台キープするつもりで人数を揃えての参戦だ。
入場口の付近にはまだ並びの列はない。
平日でイベント初日という事もあってか、開店2時間前から並んでいるのは私達だけだった。
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