[1]二兎を追う者は一兎をも…打つ! [2017/7/7(金)] |
カナカナカナ…カナシイカナカナ…。
どうもヒグラシです。
何か悲しい事でもあったのかヒグラシ、そんな声が聞こえてくるようです。
そんな私も、今回が記念すべき30回目の連載という事で非常に感極まっております!
これからも読者様の心の温かさに甘えながら突っ走って行きたいと思っておりますので、今後とも宜しくお願い致します!
それでは今回も恒例の過去の話ではありますが、リアルタイムのように綴っていきたいと思いますので、是非読んで頂けたら嬉しいです^_^
※
第28回の続き ※
引き続き、2007年5月中旬のこと。
休日という事で、一日スロットを打とうと決めていたが、急遽彼女と夕方から会うことに。
『夕方までだけど、秘宝伝を心ゆくまで楽しもう…。』
そう考え、急いで支度をして自宅を出る。
慌てた所で何も変わらないのに、体が急ぐことを止められない。
それにしても、夕方位からとは言ったものの一体何時なのだろうか…。
ただ…
それぐらいの時間に秘宝伝で伝説ロングに入り、止めるに止めれない状態になったそのタイミングで、彼女からの連絡が来る可能性も十分に考えられる。
その時は…
『夕方って20時位かと思ってた!』
そんな“夕方の定義がぶっ飛んだ男”を演じよう。
その為には、あえて曖昧にしておく方が賢明だ。
とにかく、今すぐ打って出して気持ちよくなりたい。
そして、出したメダルで彼女との愛情を深めたい。
それは、決して難しい事ではないはずなのだ。
だから、どんな結果であっても後悔はしない。
最終的に願う先には、彼女との幸せがあるのだから。
“最低な男が低設定をブン回す”
たとえ、待ち受ける未来がそんなタイトルにふさわしい現実だとしても。。。
すると、マイホに向かっている途中に彼女からのメール。
『16時半に京急川崎駅の改札口前に待ち合わせでお願いします。』
それに対し『20時の間違いじゃなくて??』と返しかけるものの、意味不明な返信を書いては取り消す。
結果送ったのは。
『了解! それぐらいまでゲームセンターで遊んでるね!』
スロットに行くと正直に言えたら、どれだけ気持ちが楽になるだろうか。
しかしながら、過去の経験則がそれを許さない。
故に、煙草を吸わない自分にとって、全身が煙草臭くなる事を誰もが納得できる“ゲームセンター”は、スロットをやる際に付く嘘のワード履歴8割を占めている。
恋愛も長続きさせる為には、ある程度のリプレイハズシが必要なのだ。
16時半までなら時間的に万枚も可能か。
万枚を達成した事もないのに、そんな事をふと考える事が出来てしまう自分にゾッとする。
こんなにも苦しい思いばかりをさせられているのに、常に最高のシナリオばかりを想像して心弾ませる。
よっぽどの才能だ。
今すぐ剥ぎ取ってほしい。
お店に到着するも、今日は20人程しか並んでいない。
開店まであと30分しかないというのに、みんなどこへ行ってしまったのだろうか。
私にとってパチスロ店というのは、入場料無料のテーマパークみたいなものだ。
好きな乗り物に乗って、素晴らしいサウンドと素晴らしい景色を楽しみながら、心弾むサプライズに胸を踊らす。
その乗り物が吐き出すメダルを、店の中のあちらこちらに置いてある箱に入れ、それを景品に換えてお金に換える。
仲間と喜びを共有するもよし、アゴで軽快なリズムを刻むもよし、親指を立てるもよし。
最高の気分と報酬が比例して上昇する、比類なき娯楽なのだ。
少なくとも私はそう思っている。
その乗り物が、時に起こす事故と来たら…
この世に存在する全ての喜びや至福を集約した感動があなたを待ち受ける!
…少し熱くなりすぎたようだ。
何食わぬ顔でお店の前を通り過ぎる人達に、心の中のそんなプレゼンは届くはずもなく開店時間を迎える。
秘宝伝は30台程あるのだが、もちろん狙い台はない。
狙い台がないのに朝から並ぶ。
よっぽどの情熱だ。
こんな情熱、これまた今すぐ剥ぎ取ってほしい。
ど・れ・に・し・よ・う・か・な・天・の・神・様・の・い・う・と・お・り。
あのカウンターレディにしよう。
否、今日はそういう日ではない。
すると…
昨日イキたいのにイケなかったという気持ちがスランプグラフから滲み出ている、レディではなく秘宝伝を発見。
なんなら高鳴る声まで聞こえてくるようだ。
いざ、勝負!
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