[2]予定調和という名のパチスロ記 -完結編- [2014/9/23(火)] |
- 夜勤明け。
俺は早々ホールへ向かっていた。
いつものホールではない。
地元でも悪名高い、やる気ゼロの極悪店だ。
そこで何も考えずに打ちまくり、もし勝てば続行。
負ければ今日限りで絶対にやめる。
ただしやめるなら、完膚無きまでボロボロに砕け散ってからだ。
今回の決意はガチだ。
今の俺は、本物の覚悟というやつを持っている。
その店は、通称 "トイレ "と呼ばれているホール。
みんなトイレでしか立ち寄らない危険な店だ。
俺も7年前に一度だけ用を足しに寄ったことがあるが、お約束の悪いクセが出てついつい1万7千円ほど使ってしまった。
その時も閑古鳥が鳴いていたが、なぜ今でも潰れずに営業できているのか不思議だ。
どこぞの税金対策なのだろうか。
- AM9時30分。-
ラストステージとなるそのトイレに到着。
トイレだけに、全てを水に流せるだろう。(フッ)
軍資金…いや、新しい人生を賭けるお金は11万円。
おそらく夕方までにはケリがつく。
相変わらず駐車場はガラガラだ。
端の駐輪場には自転車や原付が何台か見える。
近くに住む常連が来ているのだろう。
7年ぶりに店に入り、まず目についたのは8列の4パチ。
現在の客はゼロ。
残り4列ある1パチには、7人ほど客がいる。
普通の客ならこの時点で逃げ出してしまうだろう。
俺も恐怖を感じていた。
恐怖とはすなわち防衛反応。
本能が逃げろと言っている。
「ガロでいいや」
俺はあえて殺傷能力の高い台を選んだ。
が……
打つこと3千円。
回ったのはたったの38回転・・・。
俺たちを養分と自覚させるお手本のような釘調整だ。
そこから3台移動してみたが、どれも同じだった。
違う・・・
たしかに負けてもいい気持ちはあるが、抽選すらされずに負けるのは何かが違う。
ブン回って13万ストレート、もしくは全部が単発。
もし負けるとしても、今日の俺にはそういうメンタルの崩壊が必要だ。
なにより回らないのはとてもヒマだし、そもそも玉なら別にこの店でなくてもいい話でもある。
スロットコーナーに移動。
10シマほどあるスロットコーナーには最近の機種がほとんどあり、バラエティも意外と豊富だ。
打っているのはシマに平均2人程度。
新台の蒼天は10台ほどあるが客はゼロ。
さすがだ。
何気なく最初のシマに入ってみると、
「!!!」
なんと忍魂2が3台も設置されていた。
こいつはぶっちぎりでお気に入りだった機種だ。
忍魂2の収支は大幅に勝ち越している。
この機種の長所は、低資金で設定の高低を見極めやすいところだ。
もう打てることはないと思っていた。
しかも20スロであるなんて・・・。
3台とも回してみよう。
俺は感動と共に早速打ち始めた。
するとすぐにチャンス目が出現。
これが低確濃厚だったながらも、
この場面だけで7千円くらいの価値がある。
それほどこの機種が大好きだ。
しかしこれは乗せなし完走。
引き戻しもボーナスも絡むことなく終了した。
その後はボーナスもなく300ほどハマり、4回目のチャンス目がスカったところでヤメ。
その後は残りの2台を打ち、2時間ほど遊ぶ。
忍魂2は、設定が入らなくなって打たなくなった機種だ。
打たないんじゃなくて打てなくなった名機なのだ。
その台を生かすも殺すも、やはりホール次第ということだろう。
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