[1]予定調和という名のパチスロ記 [2014/8/23(土)] |
むかしむかし、そのまたむかし…
ホールで給料を全部スッてしまった日に、家に帰って母親から頂戴したセリフをご紹介しよう。
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アホやねぇあんた。
台を置いてるだけで経営が成り立ってるお店よ?
そのお金はぜーんぶ客から取ってるの。
勝てるわけないでしょ?
考えたらわかるでしょ?
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パチンコをしない母親の観点から繰り出されたこのド正論は、20年以上経った今でもツッコミ所が存在しない。
小学生でもわかるプロセスで構成された、時代を越える名言だ。
1世紀近くに渡りホールが発展してきた理由も、ユーザーが半永久的に負け続ける理由も、全てはこのセリフに集約されているだろう。
だが我々の抱える問題はそこではない。
わかっちゃいるけどやめられない所が問題なのだ。
そしてなぜやめられないのかというその心理すらも、すでに科学的に証明されている。
"ある行動に対して毎回報酬を与えるよりも、たまに与えた方がその行動を頑張るようになる"
これは「部分強化」といわれる条件反射のひとつだ。
猿やネズミで立証されており、もちろんヒトにも当てはまる。
この原理をパチンコ依存症に当てはめて、皮肉な読み物として書かれた猿の話がある。
知らない人のために簡略的に紹介しておこう。
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ボタンを叩くとエサが出る装置を猿に与える。
猿はボタンを叩くとエサが出ることを覚える。
翌日、エサが出る確率を1/2にする。
さらに翌日、1/3にする。
その後もどんどんと確率を下げていく。
やがて猿は、エサが出なくても永遠にボタンを叩き続けるようになる。
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ゾッとする話だ。
だが、皮肉というより揶揄に近い。
おそろしいのは、人間の場合はエサ(大当たり)が出る際に、嬉しさのあまりドーパミンが放出されているということなのだ。
脳内麻薬といわれるコレが原因で中毒になってしまい、毎度毎度ホールに通ってしまうという構図なのである。
だがそのホールは、決して遊戯を強要したりしない。
ただ静かに、そこに建ってるだけだ。
行くか行かないか、どれだけ遊んでいくら使うか。
全ては自分で決断しているのだ。
では、悪いのは一体何なのか。
そもそもこの過程に悪など存在しているのか。
我々はきっと、堂々巡りのようにその答えを追いかけ続けていくのだろう。
今日も、そしてこれからも……
結論を述べよう。
今月もガッツリ負けました。
だが後悔などしていない。
後悔は過去の自分への冒涜になるからだ。
むしろブレてない自分を誉めているくらいだ。
だが反省はしている。
面倒くさがらずに、遠くの優良店へ行くべきだったと。
ただ今回は、痛恨の一撃で負けたわけではない。
一週間ほどかけて一喜一憂し、最後はカマイタチのようにスパッと殺られた感じだ。
え?
よくわからない?
俺もよくわからないので、記憶に残っている勝負をダイジェストで鑑賞していこう。
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