[2]韓国トラベル -後編- [2014/5/31(土)] |
無表情のまま心で正拳突きを放っていると、ディーラーがハズレたチップを回収し始めた。
それにしてもすごい量だ。
一体いくらあるのだろう。
そしてこのディーラー...。
男の俺でもうっとりしてしまうほどの美男子だ。
韓国カジノのディーラーは超エリートだと聞いていたが、本当に見とれてしまうほどの凛々しさなのだ。
見た目まだ20代前半だが、紳士的な黒髪に知性的な顔、加えてモデルのようなスタイリッシュなルックス。
そして何かを達観しているような鋭い眼光。
一つ一つの仕草には高い気品を感じ、チップを触る滑らかな指先は、マジシャンのそれに似ていて美しい。
そして複雑なチップの計算も瞬時にしていて頭もいい。
このハイスペックな男に、一晩中チップを運んでもらうのはとても気分がよさそうだ。
さて。
俺はここからどっちに賭けていくか。
現在のスコアボードには10対5くらいで赤が多く出ている。
バランスを考えるなら黒だ。
よし、黒だ。
黒に賭けていこう。
ここからは黒が押してきそうだ。
俺は黒に3万ウォンを置いた。
日本円で約4,300円。
このくらいで賭けていくのがちょうどいい。
ここまで見たところ、ボールは約6分に一回投球されている。
確率通り2回に1回勝てるとすれば、1時間で約2万円。
6時間やれば12万円。
明日さらに賭け金を上げれば、2日で30万以上勝てることになる。
しかもハードルは低い。
必ず持って帰ってやる。
1投目。
ボールが弾かれた。
カラカラカラ…
コロン…
しかし入ったのは赤。
・・・なるほどなるほど。
いよいよマーチンゲールの登場となるわけだ。
いいだろう。
初めての倍賭け。
6万ウォン。
逆にワクワクだ。
2投目。
カラカラカラ…
コロン…
赤。
ふーん。
結構続くもんだな。
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