これは2005年1月某日、朝から北斗の設定6を打った日に起こった話である。
当時そのホールにはスタンプカードというサービスがあり、スタンプを10個貯めると北斗の6を打つことができるメリットがあった。
北斗絵柄を引くとその場で一個押してもらえるのだが、数日前にやっとこさ10個貯まり、休みの日に朝から打ちに行ったのだ。
どの台を6にするかは選ばせてもらえるのだが、それまでの経験から選択の条件はすでに決まっていた。
それは、「前日3,000G以上回されていて不発、かつ設定1ではなさそうな台」だ。
これには2つの理由があった。
1つ目は、
●北斗の内部ストックは約1/30だったので、それなりに回されていて放出され過ぎていないこと
2つ目は、
●北斗は設定1から6に変更すると、しばらくは初当たりが重たくなるので1は避けること
である。
1つ目のストック切れに関しては完全に保険だが、6を打つ以上は念には念を、である。
2つ目は完全にオカルトの域だが、実はその当時の北斗には、「1から6に打ち変えると半日ほど初当たりが重くなる」という現象がよくあったのだ。
これをスロ仲間の間では、「1が残る」と呼んでいた。
全てそうなるわけではないのだが、なぜかそういう傾向が強かったのだ。
その条件のもと俺は、一台一台データを確認し、端から5台目辺りを選んだ。
店員を呼びカードを渡し、6へと打ち変えてもらう。
もちろん6という数字を確認させてもらえる。
そして打ち始めて8k。
その日初の赤7BBをツモる。
これが下皿程度になり、そこからは追加投資することなくコンスタントに増えていった。
途中からは中押しに飽きて順押しに変えていた。
この順押しがまた楽しい。
北斗は設定6のみチャンス目からの直撃が優遇されている。
そしてそれは順押しからでは判断しにくい。
つまり知らないうちにBBに直撃していることがあるため、いきなりアミバ登場、いきなりシンに勝利といったサプライズが堪能できるのだ。
設定6のみに許された最高の楽しみ方である。
さらにハマリのない展開にも恵まれ、昇天2回を含む怒濤の引きで、16時には12,000枚ほどのコインを持っていた。
置けなくなったコインは鉄バケツに移され、俺の周りはバケツだらけのお祭り騒ぎになっていたのである。
「朝から6を打ち、万枚を出す」
シナリオ以上の仕上がりに、俺は大満足だった。
そう、全てが順調だった。
あの男が現れるまでは・・・。
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