「なあヨシツグ、ゲーセン行かない?」
「ゲーセン?」
「そう、ゲーセン」
「なんだよ突然。あ、そっか。わかった。お前、好きだもんなぁ…」
「そう、わかるだろ?」
「脱衣マージャンか…」
「違うよっ!」
ヨシツグを助手席に乗せたダイキチは、例のゲームセンターへ到着した。店内は相変わらず無人である。
「ダイキチお前、こんな錆れたゲーセンでパチスロなんか打ったって出やしねぇだろ」
「馬っ鹿だなぁヨシツグ」
阿呆から馬鹿呼ばわりされてはヨシツグも大変であろう。
「意外と出るんだぜ?先週来た時も一撃1000枚以上出たんだから」
「ふぅん…」
ヨシツグはパチンコは時々打つが、パチスロはほとんど打った事がなく、パチスロに関する知識はほとんど無い。
「100円入れるのか」
「そうだよ」
「俺、パチスロなんてわかんねぇし」
「大丈夫だよ、テキトーに打ってれば。ボーナス確定、って出たら7を揃えればいいんだよ」
「だから、それができねぇんだって」
「その時は俺が揃えてやるから」
「ダイキチ、目押しってヤツ?上手いのか?」
「ああもう、ビシッと7を揃えてやるから」
「へぇ〜」
「任せとけって。目をつむってたって揃えられるよ」
「マジかよ!?すげぇな」
阿呆故に、その後取り返しのつかない事になったらどうしようなどとは夢にも思わないようである。
「あ、北斗の拳だ。パチンコなら打った事あるし。ダイキチ、俺これ打つわ」
「えっ!?」
「ん?」
「そ、その台は打たない方がいいと思うな…」
「なんで」
「そ、それはその、ほら…俺が打ちたいから…」
「はぁ…。お前は脱衣マージャンだろ?」
「違うって!この北斗を打つのっ」
「ふぅん。この北斗の拳の中で誰かが脱ぐのか」
「何でそうなるんだよっ」
「ケンシロウが脱ぐのか?」
「脱がないって!あ…ちょっと脱ぐかも…」
「ダイキチ…それを見たいのか?」
「うん…ちょっと見たいかも」
ヨシツグが半歩後ずさりをした事にダイキチは気づかなかったようだ。
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