家から歩いてでも行ける距離にそのゲームセンターはある。ゲームセンターと呼ぶのもおこがましいほどの錆びれた店舗であり、ゲームセンターというよりはゲーム機が置いてある店、といったところだ。店舗もかなり小さい。したがって設置されているパチスロ機の台数も少ない。
ゲームセンターのパチスロなど、ダイキチはほとんど打った事がない。しかし今から6年ほど前だろうか、一時期ダイキチはこのゲームセンターへ通っていたのだ。まだパチスロを始めたばかりの頃、夜な夜なこのゲームセンターへ通って目押しの練習をしたのだった。このゲームセンターへ来るのもゲームセンターのパチスロを打つのもそれ以来である。
「久しぶりだなぁ。つーか、懐かしいな。相変らず開店ガラガラだ」
店内は見事に無人である。それどころかこのゲームセンターには店員さえいないのだ。
どんな機種があるのかと店内を見回すと、まず4号機が5,6台ある。そして5号機が7台。それだけである。
「何を打とうかなぁ。って、選ぶ余地も無いよな。4号機は打った事がないからよくわかんないし」
そこで目に止まったのが「北斗の拳 世紀末」だ。
「これでいっか」
台の前に座ると、台の脇に「100円」と書いてある。
「100円玉を入れるのか。えーと、100円で40クレジット。ふ〜ん」
100円玉を投入すると、台のクレジット表示が「40」になった。それ以外はホールで打つのと同様に打てる。
400円の投資でARTに当選する。ARTが始まるとすぐに何やら派手な演出が発生し、中リールを止めると黄7が枠下に落ち中段にチェリーが停止した。
「じぇじぇじぇっ…。これってもしかして…6万5千分の1の確定役か?」
左、右と黄7を止め、黄7・チェリー・黄7が揃う。そこでボーナスに当選し、ボーナス終了後すぐに今度は拳王乱舞に突入する。
「なんだかなぁ…。ホールで打つ時はこんなことないのに」
ふと台の脇を見ると「設定6」と書かれた札が刺してある。
「ほんとに設定6なのかなぁ。それともアミューズメント仕様なのかな。まぁいいや。記事にするにはうってつけの展開じゃんか。ひっひっひ」
ダイキチの非道な思惑も上乗せ中である。
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