夕立が過ぎると、空気もずいぶんと冷んやりと感じられるようになった。開け放った窓から入ってくる風が、テーブルの上に広げたままに置いてある本のページをパラパラっとめくる。
「さぁ〜て」
両手を上に伸ばし、背筋を伸ばす。猫背のまま読書に没頭していたために、伸ばした背骨がボキッと心地良く鳴る。
「読書はこれくらいにして、どんな記事を書くか考えなくちゃな」
インターネット上のとあるパチスロ専門サイトで、幸運にもダイキチは専属ライターとして選ばれた。
「何を書こうかなぁ」
パチスロを辞める決意をしたばかりのダイキチであったが、パチスロが嫌になった訳ではない。あまりの眼精疲労の酷さにパチスロを打ち続ける気力が萎えてしまったのだ。しかし逆に言えば、この眼精疲労さえなければパチスロを辞める事はなかったかもしれない。
「辞めるっつったって、完全に辞めるつもりじゃなかったし、記事を書く為にもたまには打ちに行ってもいいよな。それに、打ちにでも行かなきゃ記事にするネタが無いし」
そこで、ダイキチは悩んでいるのだった。パチスロを打ちに行くのは良いとして、どんな記事を、どんなスタイルで書こうか悩んでいるのだ。
「それから…まずどんなタイトルにするか」
ともすれば、ダイキチは記事の内容やスタイルよりも記事のタイトルを重視しているようでもある。
ダイキチは何やら閃いたようだ。
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