[2]石川県金沢市での悲しかった話 [ 2014/7/15 ] |
ある日、開店待ちの列に並んでいると、見たことのある顔が。
取引先の男性社員さんでした。
「○○さんじゃないですか!」
「あれ? ナラくん? なになに〜このホール、よく来るの?」
「いや〜アパートが近所なんですよ」
「そうなんだ〜偶然だね〜 俺も先週、すぐそこに引っ越してさ〜」
「○○さん、パチンコするんですね」
「あれ? 言わなかったっけ? 大好きなんだよ〜」
○○さんは、私より4歳年上の当時40歳で独身。
ラグビー経験のあるがっちりした体格で、顔は舞の海にそっくり。
気さくな性格で、仕事上でも仲良くさせてもらっていました。
たちまち私と○○さんはスロ友達になりました。
仕事の打ち合わせが終わればスロ話で盛り上がり、休日の朝は約束したわけでもないのにホール前で会い、勝てば焼肉、負ければカップラーメン。
常にひとりでホールに通っていた私にとっては、ほぼ初めての、とても楽しい日々でした。
○○さんのプレイスタイルは、非常に男らしいというか、
ヒグラシさんっぽいというか…
「今日の軍資金は?」
「有り金全部」
「今月の収支は?」
「わからん」
「閉店まで20分ですよ?」
「このパチンコ花の慶次、当てるまで帰らない」
全ツッパ&オール・オア・ナッシングな勝負師でした。
私と○○さんが、スロ友達になって半年後。
その時期、○○さんはヒキが悪く、傍から見ていても心配になるくらい負けていました。
パチンコではハマリ&単発。
パチスロでも天井&単発。
独身で、給料全てが自分のものとはいえさすがにシンドイらしく、「今週末は家にいる」と言い出すことも。
その頃、○○さんが、ちょくちょくおかしな話を始めるのが気になっていました。
「ナラくん、知ってるか? スロの△△に攻略法があるんだってよ」
「○○さん、何の話ですか?」
「なんかプレミアム・ボーナスがバンバン引けるんだって」
「何言ってるんですか〜 そんなモノあるわけないでしょう」
「そ、そうだよな〜」
「ナラくん、パチンコってさあ、急に当たりだす時間ってあるよな」
「○○さん、そんな時間ないですよ。 客が増える時間に、そう見えるだけですよ」
「いや、その時間帯を狙ってスゴい勝ってる人が…」
「誰ですか? 知り合いの方ですか? ネットのいい加減な話じゃないですか?」
「そ、そうだよな〜」
そんなある日のことです。
次のページへ
ナラ シカオの記事一覧へ
読者ライターの最新更新一覧へ